(株)GREEN for TABLE

(株)GREEN for TABLE

過足(よぎあし)幸恵さん 富塚あゆみさん

田村市栽培農作物 ミニトマト、ふきのとう など

女性が
農業を始めるということ。
姉妹の挑戦、ママの視点

田村市でミニトマトやふきのとうを栽培する「GREEN for TABLE」。農園を経営するのは過足(よぎあし)幸恵さん(37)と富塚あゆみさん(32)の姉妹です。起業から怒涛の5年の間に、お二人とも妊娠、出産を経験。女性ならではのライフスタイルの変化も、二人で支え合い、また子どもからアイディアを得て前進を続けています。農業という世界に飛び込んだ、二人のストーリーを伺いました。

  1. このワクワクを大事にしたい
  2. 女性だからできないってことは
    そんなにない
  3. からだにいいもの、こどもにいいもの

からだにいいもの、こどもにいいもの

スタートして5年。この5年の間にお二人とも妊娠、出産をご経験されました。会社は立ち上げの大変な時期だったと思いますが、どうやって切り抜けたんですか?

姉・幸恵さん:実は今も二番目を妊娠中なんです。二人のどちらかが妊娠・出産で現場を離れるときは、育てる品目を調整したりします。例えば、トマトの他に栽培しているふきのとうは夏場の草取りが大変なので、妹が夏場休むという年はふきのとうはお休みして時期がずれる野菜に代えました。あとは従業員さんが一番ですかね。従業員さんは気合を入れてみんな協力してくれるんです。「無理するな」「やることやっておくから」みたいな。妊娠・出産を経験している方も多いから、大変さをわかってくれるんですよね。ありがたいです。本当に。

子どもが生まれてから農業に対する考え方には何か変化はありました?

姉・幸恵さん:自分の子どもが生まれてから、通常のミニトマトの他にフルーツトマトの栽培を始めました。子どもの離乳食が始まったときに、トマトを使って離乳食を作りたいなと思ったんです。ちょうどうちのトマトが終わっていた時期だったので、子どもも食べるような甘くておいしいトマトをスーパーで探したけど無くって。「無いんだったら自分が作ろう」と思ったのがきっかけです。トマトってすごいいろんな栄養が詰まっているので、おやつ代わりに食べてくれたら母として安心だし、同じように考えているお母さんたちの役に立てるのかなって。だからうちの商品コンセプトも「からだにいいもの、こどもにいいもの」にしました。子どもの体に良いものは、大人の体にも良いし、結果として家族みんなの健康を支える。自分たちの作る野菜はそうありたいなという思いを込めました。

ミニトマト
皮の薄さ、甘さが特徴のフルーツトマト(手前)。

当初はお二人が農家になることに反対していたお母さんですが、現在は?

妹・あゆみさん:今は「やってよかったんじゃない」って言ってくれますよ。

姉・幸恵さん:実家もミニトマトを作っているので、今は切磋琢磨している感じですかね。そのおかげで、娘が嫁に行くと実家との縁が遠くなるって言いますけど、私たちはそんなことがなくて、むしろ農業っていう共通の話題があるので父や母との関係が近くなったような気がします。

今はお二人で会社を経営されていますが、姉妹という関係性が変わりましたか?

妹・あゆみさん:良くも悪くも対等になったよね(笑)。

姉・幸恵さん:6歳も離れているので、昔は私が車で学校に迎えに行ってあげたりして「可愛い妹だなー」って思ってたんですが、今は怒られたりしてますもん。「いつからこうなった!?あれ?」なんて思って(笑)。

取材日:10月5日
取材・文・写真:成影沙紀

(株)GREEN for TABLE

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過足(よぎあし)幸恵さん 富塚あゆみさん

4人きょうだいの次女・幸恵さんと末っ子・あゆみさん。代々農家の家に生まれ育ち、幼い頃から農業の手伝いをして過ごす。2017年に茨城県のベビーリーフの農場を見学に行ったことをきっかけに脱サラして二人で新規就農を決意。2018年1月に(株)GREEN for TABLEを設立、主にミニトマト、ふきのとうの栽培を行う。取材時は妊娠中だったが11月末に出産し、現在過足さんは二児の母、富塚さんは一児の母。

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