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【移住体験ツアーレポートin双葉町&南相馬市】ふくしまの笑顔とあなたの未来を重ねる旅

2023年2月24日
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2022年1月28日(土)から29日(日)に、双葉町と南相馬市を巡る移住体験ツアー「ふくしまの笑顔とあなたの未来を重ねる旅 in 双葉町&南相馬市」が開催されました。

この記事では、2日間のツアーの様子をご紹介しながら、双葉町、南相馬市で暮らし、働く魅力をお伝えします。

双葉町・南相馬市ってどんな地域?

双葉町は、福島県浜通りのほぼ中央に位置し、東に太平洋、西に阿武隈高地を望む、豊かな自然に恵まれた町。東北地方の中では年間を通して温暖で積雪量も少なく、住みやすい環境が特徴です。

南相馬市は、小高町・鹿島町・原町市、3市町の合併により誕生した、相双地域最大の人口規模を誇るまち。「桜まつり」や「相馬野馬追」、サーフィンの世界大会が開催されるなど、豊かな自然や文化を有します。

両市町とも震災で甚大な被害を受けましたが、近年は若い移住者が増加し、活気ある魅力的な地域へと変貌を遂げようとしています。

■双葉町
https://mirai-work.life/city/futaba/

南相馬市
https://mirai-work.life/city/minamisoma/

1日目

11:00 富岡駅~富岡漁港~ワインドメーヌ展望台

東京駅からJR常磐線特急「ひたち」に乗車し、約3時間。車窓右手に雄大な太平洋が広がりはじめた頃、列車はJR富岡駅に到着しました。

ツアー参加者一行は、「ふくしま12市町村移住支援センター」の西嶋利安さんの案内で、富岡駅のすぐそばに広がる「富岡漁港」へと向かいます。

西嶋さん「富岡漁港は震災以降、操業を停止していましたが、2019年7月におよそ8年ぶりに再開しました。長い間海を休めていたこともあり、今ではメートル級のヒラメが揚がることもあります」

震災は浜通りエリア一帯に大きな被害をもたらしましたが、震災を契機に生まれたものも数多くあります。「一般社団法人 とみおかワインドメーヌ」による、ワインを核とした新しいまちづくりへの取り組みもそのひとつ。同法人は、2016年より試験的に小浜栽培圃場(ほじょう)からスタートし、2020年に富岡駅の東側に約0.2haの新規圃場を開設し、ワイン用ぶどうの栽培をスタートさせました。

「とみおかワインドメーヌ」の敷地内には展望台が設置されており、圃場のほか、先ほど歩いた富岡漁港や富岡駅周辺、太平洋の絶景を望むことができます。

展望台からの眺め

■一般社団法人 とみおかワインドメーヌ
https://tomioka-wine.com/

富岡町をあとにした一行は、バスで国道6号を北上し、双葉町へ。車窓からは震災後に発令された避難指示以降、そのままの姿で残されている大型店舗や立ち入り禁止区域のバリケードなどが次々と目に飛び込み、改めて被災地の現実が身にしみます。

立ち入り禁止区域にはバリケードが張られています

12:00 双葉町産業交流センター/レストラン エフ

バスは、双葉町の中野地区の中核施設である「双葉町産業交流センター(通称:F-BICC)」に到着。同施設の2階にある「レストラン エフ」で、特製丼「ふたば丼 『海』」をいただきました。

「常磐もの」と呼ばれる地産の海産物があしらわれた「ふたば丼 『海』」

■双葉町産業交流センター(F-BICC)
https://www.f-bicc.jp/

13:00 双葉町企業&移住者交流会

地元の味を堪能した後は、同会場で双葉町の皆さんとの交流会が開催されました。

まずは双葉町復興推進課の守谷信雄さんに、町の現状と移住支援制度についてご説明いただきました。

守谷さん「双葉町は震災後に町全体が帰還困難区域に指定され、7000人ほどの住民は町外の各地域に避難し、一時は人口がゼロになりました。昨年(2022年)8月に、およそ11年半ぶりに避難指示が解除され、それから5カ月を経た今は、およそ60人の方々が町内に居住しています。そのうち、もともと双葉町に住んでいたのは20人ほどで、残りの40人ほどは他地域から新しく移住されてきた方々です」

守谷さん

守谷さんからは双葉町の3つの魅力として、①復興に伴い、20社を超える企業が新規進出しており、土木・建築系に加え製造業・サービス業など幅広い職種の求人があること、②復興に特化したメディア媒体を立ち上げた方、F-BICCに隣接する東日本大震災・原子力災害伝承館への来館者を対象とした小売業を検討される方、復興現場の視察ツアーを企画する方など、被災地の強みを活かした起業やサービス作りに取り組んでいる人々が多く集まっており、新しい挑戦がしやすいこと、③JR双葉駅西口に公営住宅が整備され入居が始まり、来年の6月までに86戸の住宅が準備される予定だが、まだ30戸ほど空きがあり、移住後の住まいも確保しやすいことなどの紹介がありました。

守谷さん「双葉町では『福島12市町村移住支援金』の支給のほか、住宅取得費用を支援する『来て『ふたば』住宅取得支援事業補助金』などの手厚い移住支援を行っています。買い物などは車で近隣の市町に行く必要があるなど、まだ不便なところも多いですが、駅前に診療所を開設しましたので最低限の医療体制は整っています」

守谷さんの丁寧な説明を受け、参加者からはたくさんの質問が出ていました。

-町役場の方はどちらにお住まいですか?
職員の半数ほどはいわき市に住んでいます。残り半分のうち、約25%が南相馬市、残りの約25%が双葉町と隣の浪江町に居住しています。

-移住者の年齢層に特徴はありますか?
土木系の仕事に従事される方は20代〜50代まで、満遍なくいらっしゃいます。サービス業、製造業に就く方は少し若めで、求人自体も、20代を中心に40代ぐらいまでの求人が多いです。

-レジャーにはどのようなものがありますか?
この辺りの地域はサーフィンが盛んで、仕事の前後にも楽しむことができます。海では釣りも楽しめますし、ロードバイクが好きな方も多いです。

ほかにも多くの質問が飛び交い、参加者の皆さんが真剣に移住を検討している様子がうかがえました。

続いて、2022年10月に双葉町に移住した、大島遊亀慶(ゆきよし)さんのお話を伺いました。福島市で生まれ育った大島さんは就職を機に上京し、40年以上を関東で過ごしました。

先輩移住者の大島さん

大島さん「定年後も東京で仕事を続けていたのですが、友人が病気を患ったり癌で亡くなったりした話に触れ、かつて、還暦を過ぎたら故郷の福島に戻ろうと考えていたことを思い出したんです」

「福島に戻るなら、体が元気な今しかない!」と移住を決断した大島さん。縁があって福島での仕事に巡り合い、富岡町へ移住しその後双葉町へ移り、今は「せっかく元気なのだから、体を動かす仕事がしたい!」と、「とみおかワインドメーヌ」で働いているそうです。

「東京では毎日通勤で往復4時間を費やしていましたが、こちらではわずかな時間で出社できます。しかも残業がほとんどないのでプライベートの時間が一気に増えました。地域の方々と関わる機会も多く、仕事の合間に楢葉町にある小学校で体験学習の講師も務めています」

東京で暮らしていた頃には考えもしなかったセカンドライフを送っているという大島さん。「移住してよかった」という実感のこもった言葉に、今の暮らしへの充実度が伺えました。

続いて、双葉町に進出する企業を代表して「浅野撚糸株式会社」双葉事業所の所長補佐の土屋輝幸さんから、会社の概要と求人に関するお話をいただきました。

土屋さん

土屋さん「1969年に岐阜県で創業した弊社は、新開発の糸を使用した高吸水性のタオル『エアーかおる』が認められ、このたび過去最高の売り上げを達成しました。そして、さらなる成長を遂げるべく、ここ双葉町に新たな工場を開業する事となりました」

双葉町を選んだ背景には、被災地ににぎわいや活気を取り戻したいという思いがあるからだといいます。広大な工場「フタバスーパーゼロミル」は2023年に4月にグランドオープン予定。敷地内にはタオル販売店やカフェなども併設される予定で、今後、多くの地域雇用が期待されています。

土屋さん「販売店の従業員には、接客業務のほか、イベントの企画や店内のレイアウトなどをお任せし、一人ひとりが主役になれる職場を目指していきます。工場で糸を作るお仕事や営業職、さらに広報活動・事務職は視察者のアテンドも兼務するなど、幅広い業種で人材を募集しています(※取材時)」

続いて、同じく浅野撚糸に勤める島美紀さんからお話をいただきました。

島さん

島さん「私は、埼玉県で地方創生の業務に携わり、福島沿岸の各地を訪問していました。地域の方と交流するうちに、自然と双葉町の復興に役立ちたい、恩返しがしたいとの想いが強くなっていったんです。当時はコロナ禍のため移住体験ツアーも行われていなかったので、自ら浜通り地域を訪ね歩き移住に関する情報を集めました」

そんな時に、楢葉町の移住定住担当者から「定住促進住宅を利用してみては?」と提案を受け、島さんは楢葉町に移住。さらに、双葉町の一部地域の避難指示が解除されたことを受け、2023年4月に双葉町への移住を予定しています。

島さん「福島の水は私の体質にとても合うようで、かねてより悩みだった皮膚のかゆみなどの肌トラブルのストレスもすっかりなくなりました。今年、やっと念願の双葉町への移住がかなうので、とても楽しみです」

島さんのお話からは、これから始まる新しい暮らしへのワクワク感が伝わってきました。

伝統の縁起物「双葉ダルマ」を手に

■浅野撚糸株式会社
https://asanen.co.jp/

14:50 東日本大震災・原子力災害伝承館

津波にのまれ、原形をとどめない消防車

続いて一行は、F-BICCの隣に建つ「東日本大震災・原子力災害伝承館」に向かいます。同施設は、最大震度7を記録した震災と原発事故による複合災害の被害の実態と、今なおその影響が続いている事実を語り継ぎ、福島の地で何が起きてどのように対処しているかを全世界に伝える使命を担う施設です。

屋外には津波被害を受け変形した消防車が展示されており、津波の破壊力を静かに物語っていました。

屋内には震災当時の様子を伝える貴重な資料が並んでおり、当時の記憶が呼び覚まされます。

館内で語り部を務める皆さんは、実際に震災を経験された地元の方々。「この場所には私の家があったのですが、津波が押し寄せ全て流されてしまいました」など身につまされる言葉に、自然災害の恐ろしさと悲しさを改めて感じました。

■東日本大震災・原子力災害伝承館
https://www.fipo.or.jp/lore/

15:30 双葉町内見学

伝承館の見学を終えた一行は、「一般社団法人ふたばプロジェクト」の小泉良空(みく)さんの案内で、双葉町内の見学へ。

双葉郡大熊町出身の小泉さんは、震災後10年間、他地域で避難生活を送りました。2021年に地元双葉郡に戻り、今は双葉町の情報発信等に取り組んでいます。

小泉さん「双葉町は長い間立ち入りができず、多くの建物が震災当時のまま残されています。10年以上の間、手入れされず、また、野生動物の侵入などもあったため、ほとんどの建物は元のように住むことはできません」

2階に干されたままの洗濯物が残る家屋

一行は震災の爪痕が残る街を歩きながら、双葉町のメインストリートへと向かいます。

「双葉駅と国道6号を結ぶこの道にはかつて『原子力明るい未来のエネルギー』と書かれた看板が掲げられていました。また、この辺りは『双葉ダルマ市』の開催地でもあります。江戸時代から途切れることなく続いている伝統行事で、避難指示解除前にも避難先のいわき市で欠かすことなく行われました。

震災以降、ダルマ市の開催地が双葉町に戻ったのは、つい先日(2023年1月7~8日)のことです。当日は双葉駅前に3000人を超える方々が集まり、普段は静かな町がとてもにぎわいました」

双葉ダルマ市の写真を手にする小泉さん

その後は双葉駅の西側にある公営住宅「駅西住宅」に向かい、先ほどの双葉町企業&移住者交流会でお話ししていただいた双葉町役場の守谷さんと、実際に「駅西住宅」に居住する大島さんに住宅の案内をしていただきました。

ゆったりとした造りの一戸建て住宅が並ぶ、駅西住宅

守谷さんからは「家賃は世帯収入によって変わります。入居条件はそれほど厳しいものではありません。興味がある方は、ぜひお問い合わせください」などの説明がありました。

■駅西住宅
https://restart-futaba.com/

18:00 Restaurant MADY/夕食交流会

双葉町の見学を終えて、バスは国道6号を北上し、南相馬市へ。市の中心部にあるJR原ノ町駅から徒歩10分ほどのところにある、創作洋食レストラン「Restaurant MADY」で夕食交流会が開かれました。

左から、吉川未来さんと晃さん

「Restaurant MADY」は、埼玉県から南相馬市に移住した吉川さんご夫婦が2022年3月にオープンしたお店です。

浪江町出身の吉川未来さんは15歳の時に震災を経験。故郷を離れて避難生活を送ったのち、進学を機に埼玉へ移りました。学生時代に飲食業に関わったことがきっかけで「自分の店を持ちたい。できることなら故郷の浪江町に近いまちで開業したい」と考えるようになったそうです。

ご主人の晃さんは埼玉県出身。未来さんの夢を支えるべく南相馬市に移住されました。

晃さん「私が生まれ育ったところとどこか雰囲気が似ており、すんなりと溶け込むことができました。気候も自分に合っていて、とても快適です」

開業にあたっては綿密なリサーチを重ね「両親が住む南相馬市に帰省の際、どこに店を構えたらいいか、街中を自転車でくまなく見てまわりました」と話す未来さん。移住にあたり「福島12市町村起業支援金」や南相馬市が実施する移住支援も活用したそうです。

吉川さんご夫婦は、「まちの皆さまがとても暖かく迎え入れてくれて、お店もまもなくオープン1周年を迎えます。若い移住者のコミュニティーもたくさんあり、みんなで支え合えることがとても心強いです」と朗らかな笑顔を見せてくれました。

参加者は、落ち着いた雰囲気の店内でおいしい料理を囲み、ゆったりとした時間を過ごしました。

■Restaurant MADY
https://restaurant-mady.com/

2日目

9:00 ホテル西山 南相馬店/移住者交流会

2日目のツアーは、宿泊先の「ホテル西山 南相馬店」での移住者交流会からスタート。

まずは、南相馬市移住定住課の浜口周也さんと林紘太郎さんから、まちの概要と支援制度についてお話しいただきました。

林さん

林さん「南相馬市は1000年以上の歴史を持つ『相馬野馬追』に代表されるように、古くから続く伝統文化・行事を代々大切に受け継いできたまちです。夏は暑すぎず冬は比較的温暖で、年間を通じて日照時間が多い、とても過ごしやすい気候が特徴です。『南相馬市立総合病院』などの大きな医療機関があり、飲食店や商業施設の数も多いので、日常生活で不便さを感じることは少ないと思います」

南相馬市の南部にある小高区は、震災で帰宅困難区域に指定され、震災から5年以上を経た2016年7月に避難指示が解除されました。被災前の人口は約15,000人でしたが、現在の居住人口はおよそ4,000人ほどとのことです。

林さん「『小高ワーカーズベース』に代表されるように、小高区には多くの若い移住者が集まっており、個々の強みを生かした事業の立ち上げや地域の魅力発信に取り組んでいます」

浜口さん

浜口さん「移住支援策の一環としてポータルサイト『みなみそうまからはじめよう』を手掛け、さまざまな情報発信に努めています。ぜひご覧いただき、少しでも移住に対しての疑問解消につながればうれしいです」

続いて、移住者の狩野菜穂さんからお話しいただきました。

音楽家の狩野さんは、市内で営業するパン屋さん「パルティール」の曲を書いたことが縁で、南相馬に通い始めたそうです。

狩野さん「南相馬市で子どもたち向けの音楽レッスンを終えて東京に帰ろうとした時、教え子のひとりが『先生、今度はいつ来るの?』と私の服にしがみつきながら聞く姿を見て『あぁ、私はこのまちで暮らすべきなんだ』と運命を感じました。

震災を経験したこのまちで暮らすことは決して簡単な事ではありません。中途半端な思いで移住すると、苦労するかもしれません。私も移住するか否か真剣に思い悩んだ時期があったのですが、結局、仕事の意義や復興への想いよりも『このまちが好き』その気持ちだけでいいのだと思うようになりました。皆さまもさまざまな場所を見て人々に触れ合い、自分なりの“好き”を見つけてもらえたらとてもうれしいです」

参加者からの「今後の目標は?」との質問に、狩野さんは「私はこの土地が育んできた伝統芸能レベルの高さにほれ込んでいます。この町からその文化を発信できる(いしずえ)になれたら、とても幸せです」と答えていました。

10:40 企業訪問「I Love ファームおだか」

交流会を終えた一行は、南相馬市小高区へと向かい、特産品として名高いブロッコリーを生産する「有限会社 I Loveファームおだか」を訪れ、取締役の吉田一貴さんからお話をうかがいました。

「I Loveファームおだか」は2000年にスタートしましたが、震災による避難の影響で活動休止を余儀なくされ、再開を迎えるまで7年の歳月を要したそうです。

吉田さん「農場再開時の設備投資には、南相馬市の『農業用機械購入支援事業』を活用しました。農地を拡大していくにあたり機械化は必要だと感じていたので、とてもありがたかったです。現在、私たちは50haほどの農場を有しています。今後1年ごとに10haずつ拡大していき、かつて管理していた100ha以上の展開を目指しています」

かわいらしいブロッコリーの苗木

収穫には多くの人手が欠かせません。

吉田さん「春と秋の年に2回ある繁忙期には60名ほどの方が短期雇用で収穫のお手伝いに来てくれます。また、正社員は10名おり、半数以上がIターン・Jターンでこちらに来ました。一緒に働いてくださる方を随時募集しております。未経験で不安な場合は、まず短期雇用で1シーズン試しに働いてみてから決めていただけると何よりです」

社宅に空きがあれば利用できるほか、吉田さんが住宅探しのサポートもしてくださるそうです。

参加者からは職場環境に関する質問があり、吉田さんは「年齢層は正社員が平均で30代、繁忙期にいらっしゃる方は50~60代の方が多いです。短期雇用の場合はWワークをしたり、その時期だけ働いたり、と皆さんの働き方はさまざまです」と答えていました。

■有限会社 I Love ファームおだか
https://ilove-farm-okada.jbplt.jp/

■吉田一貴さんインタビュー記事
https://mirai-work.life/agri12/interview/2_3/

11:30 小高交流センター〜めざせ!殿様食堂

農場見学を終え、お昼時を迎えた一行は、小高区復興拠点施設「小高交流センター」内にある「めざせ!殿様食堂」でボリューム満点のとり唐揚げ定食をいただきます。

復興グルメ大会で準優勝に輝いた「唐揚げ定食(秘伝タレ)

小高交流センターは、地域交流の拡大を目的に建てられた複合施設です。子ども向けの遊び場も整備され、食堂は遊びにきた家族連れでにぎわいを見せていました。

施設に入居する「小高マルシェ」では、地元の農家さんが愛情込めて育てた野菜や民芸品などが購入できます。

■小高交流センター
https://www.city.minamisoma.lg.jp/portal/sections/21/2110/2/1/7418.html

13:00 タニコー株式会社 福島小高工場

続いて、南相馬市内に4つの工場を有する、業務用厨房機器製造会社「タニコー株式会社」の小高工場を訪問。

工場長の鈴木務さんと生産本部主任の大橋直行さんの案内で工場内を見学しました。

左から鈴木と大橋さん

大橋さん「タニコーは創業以来、コンビニエンスストアや給食施設などに、大型で効率よく調理できる製品を多数提供しています。近年では一般家庭のフルオーダーメイドキッチン用の厨房機器の納入ニーズも高まっています」

広い工場内に大型の製品群が並んでいます

大橋さん「製品の設計から始まり、部品の調達、材料の加工、組み立てなどさまざまな工程を経て形になります。小高工場はコンピューター制御により24時間稼働しています。夜は自動作業で部品が出来上がり、翌朝、社員が出社した後に人の手で仕上げを行います」

最後に展示会に出展した製品がずらりと並ぶショールームを拝見。

展示されたきらびやかなキッチンに参加者から驚きの声があがります。

鈴木さん「タニコーの各工場では移住者および地元の方の採用を積極的に行っています。ここ小高工場も地域の復興に合わせ今後も歩んでいきます」

■タニコー株式会社
https://www.tanico.co.jp/

14:00 南相馬市内見学

小高区の見学を終えた後は、市内見学へと出発。地域密着型の大型スーパー「フレスコキクチ 東原町店」や「道の駅 南相馬」に立ち寄り買い物を楽しみました。

フレスコキクチ東原町店

9:30〜20:00まで営業するフレスコキクチ東原町店は、南相馬市原町区最大級のスーパーとして豊富な食材や地酒などを取りそろえています。広い店内を巡っていると目移りしてしまい、時間がたつのを忘れてしまうほど。

「道の駅 南相馬」には、地域の特産品や農産物が並んでいました。

道の駅で販売している、やさしい味わいの「からみ漬」は市職員の林さん一押し

15:00 みなみそうま移住相談窓口 よりみち

お買い物を楽しんだ後は、次の目的地「みなみそうま移住相談窓口 よりみち」へ向かいます。

JR原ノ町駅より徒歩5分にある「よりみち」は、南相馬市と連携しながら移住相談の窓口として移住希望者をサポートしています。

現在のスタッフ6名全員が南相馬市への移住者で、その経験を生かした支援ができることが大きな特徴です。

代表の後藤彩さんに事業内容をお伺いしました。

後藤さん

後藤さん「『よりみち』は、南相馬を知るきっかけ作りから体験・交流イベント、求人探しや支援制度のサポートまで、定住を目標に見据えて幅広くお手伝いしています。

市内には暮らし体験をしてみたい方に向けたお試しハウスが2棟用意されています。申し込み後に条件に該当するか、オンラインあるいは対面での面談を経て、2泊〜30泊まで無料で利用できます。新生活を控えた春先は予約が多くみられます。ホームページの予約カレンダーをご覧になり、予定に合わせてぜひご利用ください」

■みなみそうま移住相談窓口 よりみち
https://minamisoma-yorimichi.jp/

15:30 参加者交流会

数多くの出会いが生まれたツアーも、終わりの時を迎えます。最後は「南相馬市労働福祉会館」で参加者交流会が行われ、盛り沢山のツアーを振り返りながら、参加者同士や担当者と語り合いました。

参加者からは、
「皆さんあたたかく迎えてくださり、親身になって質問に答えてくれて、とても嬉しかった」
「高い建物がなく視界がとても広々していて、すがすがしい気分になれました。海の青さがとても美しく印象的でした」
「想像していた以上に住宅の整備が進んでいて、お試しハウスや移住支援制度なども整っていて驚きました。ぜひ利用してみたいです」
など、さまざまな感想が聞かれ、ツアーの充実ぶりを物語っていました。

参加者からの熱心な質問に答える林さん

林さん「今回のツアーを通じてこの地域の今を知り、さらなる興味を持っていただけたら幸いです。各移住支援窓口では常時お問い合わせを受け付けておりますので、メールやお電話でいつでもお気軽にご連絡ください」

ツアーに参加して

今回の体験ツアーで出会った地域の方々や先輩移住者の皆さんは、「好奇心を持って自らまちの暮らしを楽しむこと」をとても大切にされていました。

両市町への移住を希望されている方も、2度3度と現地を訪れて自分なりの好きなことを探してみてください。その一歩が、地域とのつながり生むだけではなく、復興の一助にもつながっていくはずです。

今年度開催された移住体験ツアーのレポートはこちら
2022年7月30-31日 南相馬市&浪江町
https://mirai-work.life/magazine/2433/
2022年8月27-28日 川内村&富岡町
https://mirai-work.life/magazine/2577/
2022年9月17-18日 飯舘村&川俣町
https://mirai-work.life/magazine/2913/
2022年10月8-9日 田村市&大熊町
https://mirai-work.life/magazine/3279/
2022年11月19-20日 葛尾村&浪江町
https://mirai-work.life/magazine/4157/
2022年12月3-4日 広野町&楢葉町
https://mirai-work.life/magazine/4285/

※所属や内容、支援制度は取材当時のものです。最新の支援制度については各自治体のホームページをご確認いただくか移住相談窓口にお問い合わせください。
取材・文:渡辺慎一郎