イベント

【移住体験ツアーレポートin浪江町・南相馬市・飯舘村】充実の子育て支援&教育環境を見学!親子で移住体験ができる1日に密着

2026年11月4日

2026年9月19日(土)~20日(日)の2日間、「充実の子育て支援&教育環境を見学!親子で移住体験ツアー in ふくしま12市町村」が開催されました。

今回のテーマは「子育て」。首都圏在住の8組22名の親子が参加し、大熊町、富岡町、浪江町、南相馬市、飯舘村を巡りながら、教育施設や子どもの遊び場、地域の交流拠点などを見て回りました。

ツアー初日には、認定こども園・義務教育学校(小中学校の9年間)・学童保育が一体となった大熊町の教育施設、大熊町立学び舎 ゆめの森や、富岡わんぱくパークなどを訪問。夜には、実際に地域で子育てをしている先輩移住者との交流イベントも行われました。

この記事では、ツアー2日目に訪れた浪江町、南相馬市、飯舘村の様子をご紹介します。

地域の魅力が集まる「道の駅なみえ」

2日目の朝、一行がまず訪れたのは、浪江町にある道の駅なみえ。

バスを降りた子どもたちの興味は道の駅のすぐ裏にあるラッキー公園へ。「ふくしま応援ポケモン」のラッキーなどをモチーフとした滑り台をはじめとした遊具で身体を動かしたあとは、多くの子どもたちが屋内キッズルームで時間いっぱいまで遊んでいました。天気が良い日も悪い日も楽しく遊べる場所があることが、子育て世帯にとっては大きな魅力に映ったようです。

また、館内売店には漁港のある浪江町ならではの海産物をはじめ、周辺エリアの特産品やお土産品が並び、親子で買い物を楽しむ参加者の姿もありました。

子どもたちが思いっきり遊べる「NIKOパーク」

続いて向かったのは、南相馬市です。南相馬市で最初に訪れたのは、市内小高区にある子どもの遊び場、NIKOパーク。

体を動かして遊ぶA棟は、延床面積約1,000平方メートル。広々とした館内には、ダイナミックなネット遊具やエアバウンス、木のおもちゃなどが配置され、子どもたちが思いきり走ったり、登ったりして遊べる空間が広がっています。また屋外にも、砂場やブランコなど、子どもの興味に合わせてさまざまな遊びを楽しめる環境が整っています。

遊具のエリアが年齢別に分けられており未就学児でも遊びやすいことや、子どもたちを見守りサポートするプレイリーダー(プレイスタッフ)が常駐していることもNIKOパークの特徴です。施設に入ると、子どもたちは目にした遊具へ一目散に駆け寄ったり登ったり。キャーキャーとにぎやかな声が飛び交っていました。

親御さんたちは、子どもたちが何度もボルダリングに挑戦したり、屋内ロープウェイに乗って空を走ったりと元気いっぱいに遊ぶ様子を見守りながら、施設内を見て回ります。

「東京ではこの充実度で無料というのは考えられないです。年の差がある子どもがいてもそれぞれに遊ばせられるところも魅力的ですね」

そう話すのは、東京都から6歳と2歳の子どもを連れて参加したお母さん。施設をただ見学するだけではなく、この地域で子育てをする日常をイメージする時間にもなったようです。

小高交流センターでランチタイム

NIKOパークでたっぷり遊んだあとは、同じ小高区にある小高交流センターを訪ねました。

ここでは、それぞれ自由に昼食を取りながら施設内を見学しました。交流センター内の飲食店に入る家族もいれば、少し歩いた先にある、地元の人がよく利用するお寿司屋さんへ行くメンバーも。せっかく訪ねた『浜通り』。この地ならではの味わいを満喫できたようです。

昼食後には、交流センター内の農産物等直売所、小高マルシェをのぞく大人の姿や、芝生の屋内遊び場(あそびばラシクル)でまだまだ走り回る子どもたちの姿もありました。

こども園から中学校までがつながる、飯舘村の教育環境

南相馬市をあとにした一行は、この日最後の目的地、飯舘村へ向かいました。まず訪ねたのは、飯舘村立いいたて希望の里学園・までいの里のこども園。飯舘村の髙橋澄子教育長と、村教育委員会教育課の三瓶真課長の案内で、ひととおり施設内を見学しました。木のぬくもりを感じる校舎は、林業が盛んな飯舘村ならではです。

同学園は、こども園から中学校までを一つにつなぐ幼保連携の小中一貫校です。小学校段階にあたる前期課程と中学校段階にあたる後期課程の子どもたちが同じ校舎で過ごすことで、日常的な異学年交流が生まれます。教職員も9年間を見通して子どもたちの成長に携わるため、進学時の環境変化による「中1ギャップ」を和らげられることも大きな特徴です。

授業では、読書活動や外国語活動に力を入れているほか、複数の教員によるティーム・ティーチング(TT)や、前期・後期課程の教員が互いの授業に入る乗り入れ授業も実施。生徒ごとの習熟度に合わせ、きめ細かく学べる体制が整えられています。先生と子どもたちとの距離が近く、一人ひとりに目が届きやすい教育環境も、少人数ならではのメリットです。保護者からの要望に応え、前期課程の6年生までは放課後の学童保育も利用できます。

さらに、全学年で取り組む「いいたて学」では、9年間をかけて飯舘村の自然や文化、歴史、暮らしについて学び、ふるさとへの理解を深める機会を大切にしています。そこには、「希望の光である子どもたちに村の将来を託したい」という地域の想いも込められています。地域ボランティアが語る民話を聞くための畳の部屋もあり、地域の人たちが子どもの学びに関わる場となっています。

この学校には、飯舘村に伝わる田植踊りや太鼓を学ぶ授業もあります。この日は、ツアーに参加した子どもたちが、実際に授業で使う太鼓を叩かせてもらいました。さらに、給食室の前では、地元の食材を使い校内で調理された温かい給食が提供されていることも説明されました。

説明を聞きながら施設内を見て回る保護者からは「小学校でタブレットは一人1台用意されるのでしょうか」との質問が。学校側からは、一人1台の端末が用意されているとの回答があり、日々の学習環境を具体的に確かめる機会となりました。

学校説明の会場では、元気いっぱいの子どもたちの声が次第に大きくなる場面も。そこで、髙橋教育長の計らいにより急きょ体育館が開放されました。子どもたちは体育館へ移動し、思いきり体を動かして遊ぶことに。子どもたちの様子に応じた柔軟な対応によって保護者も落ち着いて説明を聞くことができ、「もし自分の子どもがここに通ったら」「この地域で子育てをするなら」という暮らしのイメージが、より具体的になったようです。

見学中には、教育長と手をつないで校舎を回り、バスに乗る直前まで離れなかった子どもの姿もありました。先生や教育関係者と子どもたちとの距離の近さが、施設の仕組みだけでなく、こうした自然なふれあいからも伝わってきました。

親子で巡って見えてきた「福島で子育てする暮らし」

道の駅なみえから始まり、子どもたちが思いきり遊んだNIKOパーク、地域の日常に触れた小高交流センター、そして飯舘村の教育の現場まで巡った今回のツアー。遊び、暮らし、学び。それぞれの場所を実際に親子で体験するツアーとなりました。

最後に参加者の皆さんに、ツアーを通して感じたことを聞きました。

(東京都から親子2名で参加)「福島の復興について見てみたいなという気持ちと、子どもを育てる環境について興味があり参加しました。実際に来てみて、こんなに充実してるんだとビックリしました」

(東京都からご夫婦と子ども2名で参加)「地方での限られた生徒数での学校生活、というイメージでしたが、その環境をうまく活かしながら教育に力を入れているなという印象を受けました。都市部と違い、子ども一人ひとりに合わせた、幅のある自由な教育があると感じました」

ウェブサイトや資料を見るだけでは分からない、地域の雰囲気や人との距離、そして実際にそこで遊ぶ子どもたちの姿。自分たちの目で見て、体験してみることで、「福島で子育てする」という暮らしを、より具体的に思い描く機会となったようです。

引き続き移住支援センターでは、福島12市町村を巡るツアーを予定しています。

今後の予定は「未来ワークふくしま」のウェブサイトでご確認いただけます。
>ふくしま12市町村移住体験ツアー | 未来ワークふくしま

また、自分が興味のある場所をじっくり巡りたいという方は、以下のモデルコースを参考に現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。
>ふくしま12で移住体験!新しい暮らしを見つけよう | 未来ワークふくしま

※内容や所属は取材当時のものです
取材・文:春田修平 写真:塩沼麻衣