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【イベントレポート】福島12市町村×のんやろが!ちゃんねるコラボ動画お披露目会

2023年3月16日
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2023年3月9日(木)、東日本大震災から間もなく12年を迎えるという節目に、福島12市町村の“今”と“未来”を伝える「ふくしま12市町村移住PRイベント」が開催されました。
※福島12市町村:震災・津波・原発事故で大きな被害を受けた、田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村の総称。

イベントは第一部(14:00~15:00)と第二部(19:00~20:30)の二部構成で、プレス発表として行われた第一部では、東北を舞台にした作品や震災特番への出演など、地域と所縁(ゆかり)がある俳優・創作あーちすとの“のん”さんをゲストに迎え、のんさんが福島12市町村で移住者と交流する様子を収めたドキュメンタリー動画を上映。その後のトークセッションでは、のんさんがご自身の言葉で福島12市町村の魅力を語りました。

コラボ動画の紹介

動画は、のんさんが「ふくしま12市町村移住支援センター」のセンター長を務める藤沢烈さんから手紙を受け取るところから始まります。

「のんさんが猪苗代湖に遊びに行った時の動画を楽しく拝見しました。ぜひ、福島12市町村にもぶらり遊びに来てください。県外から移住後に活躍されている2組の移住者をご紹介します。ふくしま12市町村移住支援センター センター長・藤沢より」

“までい”を大切にしたレストラン

藤沢センター長からの手紙に応えて南相馬市を訪れたのんさんは、2022年3月に同市にレストラン「Restaurant MADY(マディ)」を開業した吉川 晃さん・未来さんご夫婦と焚き火を囲みます。

のんさん「朝ご飯にお二人が作ったお料理をいただきました。豚のローストや温野菜、スープ……とってもおいしかったです。お二人はどうして南相馬市に移住しようと思ったんですか?」

未来さん「私は浪江町出身で、大学進学を機に埼玉県川越市へと移り住んだのですが、『いつか福島に帰りたい』と思っていました。南相馬市は景色がいいし、野菜もおいしくてとてもいい場所だったので、移住を決めました。福島12市町村は移住支援金がかなり手厚いこともうれしかったですね。戻ってきて本当によかったです」

晃さん「私は埼玉出身なので南相馬市の地縁はないのですが、移住相談窓口も充実していますし、移住者同士の横のつながりのコミュニティもあるので、あまり不安を感じずに移住できました」

のんさん「将来、どんなお店にしていきたいですか?」

未来さん「小さいけれど何十年も続くような、愛される飲食店にしていきたいです。店名の『MADY』は、このあたりの方言で『丁寧』『手間ひま』などの意味がある『までい』から名付けました。までいにじゃがいもの皮をむいて、までいにテーブルを拭いて……。手間ひまを惜しまずに、お店を続けていきたいです」

この後、ご夫妻の料理を楽しんだのんさんは、「本当に幸せな食事ですね。どれも本当においしかったから、これからもずっとお店を続けてほしいです」と話しました。

■Restaurant MADY
https://restaurant-mady.com/

■吉川未来さんが登壇したイベントのレポート記事
「地域資源をいかして生業をつくる。福島ローカル起業物語 part 1~自分のお店を持つ~」
https://mirai-work.life/magazine/5046/

人と人をつなぐシェアハウス

続いて、のんさんは楢葉町にある「シェアハウスと食堂 kashiwaya」の管理人・古谷かおりさんの下を訪ねました。kashiwayaは元旅館だった建物をリノベーションして、2022年5月にオープンしたシェアハウスです。入居者の年齢は20代〜70代と幅広く、IUターン・多拠点居住者……とさまざまな人が暮らしています。

のんさんは、kashiwayaの食堂で古谷さんにお話を伺います。

のんさん「移住のきっかけは何だったんですか?」

古谷さん「東京で建築士を目指していたんですが、なかなかうまくいかなかったんです。私にも福島の復興のためにできることがあるんじゃないかと、最初は気軽な気持ちで通うようになりました。実際に現地を訪ねてみると、エネルギーのある人ばかり集まっていてすっかり感化されて移住を決めました。私には建築よりもコミュニティの再建に関わる活動の方が向いていたようです」

のんさん「将来の夢を教えてください」

古谷さん「移住して来た人が、町の歴史ある建物に新しい使い道を見つける、といったような取り組みを増やせたらなと思っています。楢葉町には、ここに住むんだという強い意志を持って帰還した地元の人と、その愛着のある土地に新しく入ってきた移住者がいます。今、それぞれに好きなことを実現し始めているので、これからも新しい人にこの町に来てもらって仲間に加わってほしいなと思います」

動画の最後に、のんさんは福島12市町村を訪れた感想として「地元の人とのつながりや移住してできることの豊かさを教えていただけて、とてもいい経験になりました。東北のみなさんとはずっとご縁があって、お互いに影響し合っている気がします。これからも一緒に歩んでいきたいです」と締めくくっています。

■古谷かおりさんのインタビュー記事
https://mirai-work.life/magazine/3180/

■シェアハウスと食堂 kashiwaya
https://www.facebook.com/kashiwaya.naraha/

トークセッション

動画上映後は、のんさんと藤沢センター長によるトークセッションが開催されました。

―東日本大震災発生から間もなく13年目を迎えます。今回、福島12市町村を訪れてどのような印象を持ちましたか?

のんさん「飲食店の開業という、やりたいことを持って福島12市町村へ移住された吉川ご夫妻と、楢葉町でやりたいことを見つけた古谷さんにお会いして、福島12市町村は自分の夢を見つけたり、実現したり、準備をしたりできる地域なのだと感じました」

―福島12市町村の魅力をひとことで表すとどんな言葉になりますか?

のんさん「『好きを包んでくれる』です。福島12市町村には、自分の好きなことをやさしく包んで、受け止めてくれる包容力があります。みなさんとても優しいのですが、その一方でダメなことはダメだときちんと教えてくれます。ともに生活しよう、生きようとする温かさがある地域だと感じました」

藤沢さん「福島12市町村の特徴は、住民全員が他地域に避難した経験があることです。別の土地に移り住んだ経験があるからこそ、これから新たに移住しようとする人を温かく受け入れて応援していこうという風土があります。そうした地域性もあり、新しいことをしたいという移住者が増えているのだと思います」

―これからコラボ動画を観る方へのメッセージをお願いします。

のんさん「福島の“今”を知ることができる動画を撮りました。本当にすてきな移住者の方々をご紹介できたので、動画を観る方一人一人が抱いている夢と重ね合わせてワクワクできるような動画になっていたらうれしいです。東北地方は本当にお世話になった場所で、私の第二の故郷だと思っています。東北を応援したいという気持ちがあるのですが、いつも逆に地域の方々からたくさんの元気をもらっています。これからも地域とともに歩んで行きたいと思っています」

藤沢さん「福島12市町村は『自分の好き』を大切にできる場所です。動画を通して多くの方に地域の魅力を知っていただきたいです」

今回ご紹介したコラボ動画は、のんさんが運営するYoutubeチャンネル「のんやろが!ちゃんねる」で公開中です。

のんさんと一緒に現地を旅するように巡りながら、福島12市町村の魅力を実感できる動画になっていますので、ぜひご視聴ください!

■ふくしま12市町村移住支援センターと「のんやろが!ちゃんねる」のコラボ動画(YouTube)
【福島ぶらり旅】のん、焚き火しながら今年1番だった福島のご馳走!

ふくしま12市町村移住PRイベント第一部の模様を公開しています(YouTube)
のん、ふくしま12市町村の移住の魅力を取材し動画制作【トークノーカット】

■ふくしま12市町村移住PRイベント 第二部のレポート記事
https://mirai-work.life/magazine/5486/

取材・文:藪内 久美子 撮影:内田麻美