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ふくしま12市町村でできる子どもの習い事は?後編

2024年5月10日
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子どもが放課後に通う塾や習い事は、学校や家庭とは違った学びや経験を得るきっかけになるもの。そのため移住先にどんな選択肢があるのか、気になる家庭も多いのではないでしょうか。

今回は、福島12市町村内のうち、田村市、富岡町、大熊町、楢葉町、広野町、川内村にクローズアップして、幼児から中学生まで参加できる主な習い事や教室、活動などをご紹介します。

※南相馬市、浪江町、川俣町、飯舘村、葛尾村の情報は前編でご紹介しています。

目次

田村市:船引町を中心に塾やスポーツの場が充実
富岡町:子どもたちが気軽に体を動かせる環境
大熊町:少人数だからこそできる体験を学校が後押し
楢葉町:スポーツ施設の充実度がピカイチ
広野町:塾やプログラミング教室、運動教室もあり
川内村:学校敷地内に塾やピアノ教室

【田村市】船引町を中心に塾やスポーツの場が充実

田村市では、中心市街地で市役所がある船引町を中心に、豊富な習い事がそろっています。船引町内には、幼児から受講可能な学習塾である公文式や進学塾が複数あるほか、ECCジュニア英会話教室が2ヵ所あります。また、小学生を対象としたプログラミング教室やピアノ音楽教室もあります。

また、船引町ではスポーツ系の習い事のバリエーションも豊富です。
未就学児から参加できる身体能力を鍛える塾のほか、4歳から通えるスイミング教室もあります。JR船引駅に併設されたフィットネスジムでは、中学・高校生は1回300円で利用できます。プロのトレーナーのアドバイスを受けることができるため、部活にプラスアルファで活用することも可能です。

スポーツ少年団の活動もとても盛んです。ソフトボール、軟式野球、サッカー、陸上、バレーボール、バスケットボール、卓球、剣道、空手の9種目・24団体が、爽やかな汗をかいて活動しています。

また、滝根町の「星の村天文台」では、毎週土曜日の夜に星空観望会を行っています。宇宙への興味関心を育むにはもってこいの場といえるでしょう。

【富岡町】子どもたちが気軽に体を動かせる環境

富岡町では、子どもたちが気軽に体を動かせる環境が整っています。
剣道のスポーツ少年団があるほか、一般社団法人さくら文化・スポーツ振興公社では、富岡小学校・中学校が連携して子供放課後スクール活動を運営しています。小中学生が参加できる「ジュニアランクラブ」は陸上競技経験のあるスタッフが指導し、駅伝などの競技会出場を目指して大人と本格的に練習する「ランクラブ」にも参加可能です。また、小学校が対象の「ジュニアサッカークラブ」もあります。レクリエーションを通じてスポーツを楽しむ「子供週末チャレンジクラブ」も不定期で開催されています。

また、屋内遊び場「富岡わんぱくパーク」では、未就学児から小学生を対象とした各種レクリエーション教室が行われています。開催日は主に土曜日で、参加費は無料。鬼ごっこやボール遊びなど、なじみのある遊びを通して、楽しみながら体を動かすことができます。

富岡中学校の部活動は卓球部と総合文化部です。総合文化部では、手芸や美術など、生徒の興味関心を尊重した自由な活動を行っています。また、シーズンになると特設陸上部と特設駅伝部が活動を開始します。

【大熊町】少人数だからこそできる体験を学校が後押し

大熊町には塾や習い事ができる環境はまだありませんが、2023年に開校した、認定こども園と義務教育学校、預かり保育、学童保育が一体になった「学び舎ゆめの森」では、少人数だからこそできるさまざまな体験をサポートしています。例えば学童保育では、大学生と一緒に遊んだり、料理をしたりと、子どもたちがわくわくするような企画を不定期で行っています。

義務教育学校の中学生にあたる学年では、部活動がありません。その代わりに、楽器や工作、バドミントンなど、子どもたちの意欲や希望を学校がサポートする「アフタースクール」という時間があります。

【楢葉町】スポーツ施設の充実度がピカイチ

ナショナルトレーニングセンターJヴィレッジ

楢葉町には、移住者が経営する学習塾「燈-tomoshibi-」があります。小学生から中学生までを対象に個別指導が受けられます。

また、楢葉町はスポーツ施設が非常に充実しています。プールやアリーナがある町営の屋内運動施設「ならはスカイアリーナ」と、7面の天然芝ピッチを備えたサッカーグラウンドの「ナショナルトレーニングセンターJヴィレッジ」では、それぞれで子ども向けのスポーツ教室を開催しています。

ならはスカイアリーナで行っているのは、幼児から小学生までを対象にしたスイミング教室です。水に慣れることから始まり、成長に合わせて楽しく泳ぎ方を身に付けられます。競泳選手向けの本格的なレッスンを受けることも可能です。

Jヴィレッジスポーツクラブには、幼児から小学生を対象にしたサッカースクールがあります。国内最高クラスのコンディションを誇るピッチで、経験豊富なコーチがどんなレベルの子も楽しくサッカーができるようになることを目指し、指導にあたります。クラブチームも運営しており、小学3年生から小学6年生までのジュニアチームと、U-15選手からなるジュニアユースチームがサッカーに打ち込んでいます。

また、スポーツ少年団も、野球、サッカー(フットサル)、バレーボール、バスケットボール、剣道、少林寺拳法の活動があります。

【広野町】塾やプログラミング教室、運動教室もあり

広野町には、小学生から高校生までを対象とした学習・進学塾があります。町が運営している「広野町営学習塾」では月に1回程度、希望する中学生を対象に首都圏の大学生が学習サポートを行っています。リアルな大学生活の話を聞く貴重な機会であり、進路を具体的にイメージするきっかけになるかもしれません。このほか、小学生以上を対象にしたプログラミング教室があります。

NPO法人広野みかんクラブ」は、幼児から大人まで参加できるさまざまなスポーツ教室を運営しています。体操、フットサル、空手は幼児から参加可能で、小学生は体操、かけっこ、カンフー、フットサル、ソフトテニス、バドミントンといったスポーツができます。剣道・空手・陸上はクラブチームがあり、小学生と中学生が参加可能。中学生から大人まで参加できる卓球とフットサルのサークルもあり、親子で楽しめそうです。

そのほかのスポーツをやりたい場合は、隣接する楢葉町のスポーツ少年団や、Jヴィレッジのサッカースクールに通うのもおすすめです。詳しくは楢葉町の項目をご覧ください。

【川内村】学校敷地内に塾やピアノ教室

川内村では、義務教育学校の川内小中学園とかわうち保育園が同じ敷地内にあります。習い事や子どもの居場所づくりにつながる活動も敷地内で完結するので、送迎の負担がありません。

村営塾「興学塾」は、小学3年生から中学3年生にあたる9年生までが週2回、1,000円~2,000円で受講可能です。ピアノ教室は、保育園の年長児から9年生までの幅広い年齢が対象となります。また、敷地内では放課後子ども教室や、地域と学校をつなぐコミュニティハウス「地域文化伝承教室にじいろ」も運営されています。

また、室内型の村営プール「もりたろうプール」には水泳教室があり、4歳から中学生までが年齢別に4つのクラスに分けられています。水慣れから泳ぎのレベルアップまで、子どもの成長に合わせてリーズナブルにレッスンを受講できます。

もりたろうプールの幼児用スペース

スポーツ少年団はバレーボールと野球があり、中学生にあたる川内小中学園7年生からの部活動は、バドミントンと野球が選択可能です。村では70年以上の歴史がある町民野球大会があるほど、伝統的に野球が盛んな土地です。スポ少・部活動のどちらにも野球が含まれていることに、川内村らしさを感じます。

まとめ

福島12市町村は、市町村によって習い事の充実度はさまざまです。しかし、習い事の選択肢が少ない市町村も、子どもたちに豊かな体験が提供できるようにさまざまな工夫を行っています。習い事も買い物や医療と同様に、周辺市町村の情報もキャッチしながらうまく利用するなど柔軟に考えていくことがおすすめです。

移住先での子どもの習い事について悩んだ際には、ぜひ各市町村の移住相談窓口へ相談してみてください。
https://mirai-work.life/concierge/

※内容は公開当時のものです。
文:橋本華加