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南相馬市鹿島区で楽しむ景色もグルメも楽しめる11キロ。真野川親水サイクリングロードの魅力

2026年2月13日

車の利用が欠かせない地方での暮らし。便利さが魅力の反面、短距離の移動も車に頼ってしまうことで運動不足になりがちです。そんなときは、自転車の利用を日々の生活に取り入れてみるのはいかがでしょうか。

南相馬市の北部に位置する鹿島区には、一般の方も気軽に楽しめるサイクリングコース「真野川(まのがわ)親水サイクリングロード」が整備されています。心地よい風を受けながら四季折々の風景が楽しめるそのコースの魅力をご紹介します。
※アイキャッチ画像は南相馬市鹿島区役所提供

コースはほぼ平坦。大人も子どもも安全に楽しめるコース

真野川親水サイクリングロードは2021年に開通しました。その名のとおり、南相馬市鹿島区の中心部を流れ太平洋に注ぐ真野川沿いを中心とした約11キロのコースです。ほぼ平坦なコースのため、ふだん自転車に乗り慣れていない方や脚力に自信がない方、家族連れの方なども気軽に楽しめます。

コースの一部は自転車歩行者専用道路となっているため、安全に走行できるのも魅力です。地元の方々には、自転車だけでなく、日々の散歩や中学校の部活動のランニングコースとしても使われています。

サイクリングロード沿いに咲く彼岸花(南相馬市鹿島区役所提供)

真野川親水サイクリングロードは、常磐自動車道の南相馬鹿島サービスエリアに併設された観光交流施設「セデッテかしま」と、太平洋に面する烏崎(からすざき)海浜公園の間を結んでいます。セデッテかしまは一般道からも出入りが可能なため、自転車でアクセスできるのもうれしいポイント。ここではセデッテかしまをスタート地点としてコースをご紹介します。

観光交流施設「セデッテかしま」からスタート

セデッテかしまは2015年にオープンした施設です。「セデッテ」には地元の方言で「連れていって」の意味があり、「何度でも足を運んでほしい」との想いが込められています。

施設内には休憩スペースやトイレがあり、スタート前の準備や休息に利用できます。また、ここはサイクルオアシス*¹・サイクルレスキュー*²の役割も担っており、空気入れや工具、サイクルラック、ベンチ、飲料水が用意されています。施設内では食事やショッピングも楽しめます。

*1サイクルオアシス…サイクリストが気軽に立ち寄り、休憩や簡単なメンテナンスができる施設
*2サイクルレスキュー…サイクリング中のトラブルに対し、応急処置や修理対応などを行う拠点

セデッテかしまをスタートしてしばらくの間、サイクリングロードはのどかな田園地帯を進みます。視界いっぱいに広がる空と田園風景のなか、風を感じながら走る時間には、日常を離れた心地よさがあります。いくつか曲がり角がありますが、案内表示板があるので迷うことなく楽しめます。

スタートから3キロ半ほど進むと、真野川にかかる茂手橋(もでばし)が見えてきます。この橋を渡って右折をすれば、そこから先は視界の開けた堤防上のルートに入ります。鹿島区の中心部に徐々に近づき、住宅や商業施設も多く目に入ってくるようになります。

名所やグルメが楽しめる鹿島区中心部でひと休み

茂手橋からさらに2キロほど進むと、鹿島区の中心部に差し掛かります。このあたりでコースを少し離れ、中心部を散策するのもおすすめです。

見どころは、サイクリングロードから200mほど東に入ったところにある鹿島御子神社(かしまみこじんじゃ)。境内には樹齢900年とも1200年とも伝えられる大ケヤキが2本あり、別名「夫婦ケヤキ」とも呼ばれ、見る人を圧倒します。

さらに東へ足を伸ばすと、JR鹿島駅に突き当たります。懐かしさが漂うこの駅舎は、開業から127年を迎え、2026年1月現在、福島県内の常磐線でもっとも古い駅舎とされています。レトロな佇まいを活かしながら再活用が検討されており、長年地域を見守ってきた“地域の宝”ともいえる存在です。

周辺にはランチを楽しめるお店がいくつかあります。そのうちのひとつ、亀八(かめはち)は、地元で約40年にわたり愛される飲食店。店主の高野信一郎さんは、サイクリングロードの草刈りやゴミ拾い、花の手入れなどにボランティアで関わっているそうです。

そんな亀八の人気メニューは、唐揚げ定食。からっと揚げられた大きな鶏胸肉の唐揚げが7つも乗った大満足の一品です。

小腹が空いたときにうれしいスイーツのお店もあります。菓子処しおは、現在の店主・塩丈浩さんで3代目となる老舗の和菓子店。名物は、店先で一匹ずつていねいに手焼きする「天然もの」と呼ばれるたい焼きです。黒糖の風味豊かな薄皮の生地のなかにこしあんが入っています。地元の人々に長く愛されるご当地おやつです。

鹿島駅周辺にはこのほかにも、移住者がオープンしたカフェなど、おいしいお店が複数あります。サイクリングの合間の楽しみとして、ぜひ訪ねてみてはいかがでしょうか。

自転車歩行者専用道路を経てゴールの烏崎海浜公園へ

サイクリングロードは、鹿島区の中心部から約1キロの区間、自転車歩行者専用道路となります。車と交錯する心配がなく、のびのびとサイクリングを楽しめる区間です。

この区間では、春は対岸に咲く桜並木が美しく、道行く人の心を癒してくれます。また、春には菜の花、晩夏には彼岸花、秋にはコスモスと、四季折々の花が楽しめる区間でもあります。

写真:南相馬市鹿島区役所提供

専用道路をしばらく進むと、JR常磐線の橋が見えてきます。タイミングがよければ、サイクリングの合間に、走り抜ける電車を眺めるひとときが楽しめます。

JR常磐線と並行する国道6号線の橋を越えると、周囲には再び田園風景が広がり始めます。堤防上の道を東へ進みゴールを目指すと徐々に大きく見えてくるのが、4基の風力発電用の風車(万葉の里風力発電所)。南相馬市の新しいシンボルのひとつとなっています。

ゴール手前には南相馬市唯一の漁港、真野川漁港があります。東日本大震災で甚大な被害を受けましたが、2017年に復活。現在も約20隻の漁船が所属しています。

漁港を過ぎ、最後に防波堤の坂を上ると、視界が一気に開け、目の前に太平洋が広がります。ここがゴール地点の烏崎海浜公園です。ベンチや東屋、トイレなどが整備されています。相馬野馬追の開催が近づくと、早朝にここで乗馬の練習をする風景がよく見られるそうです。

サイクリングでのリフレッシュタイムを日常に

ご紹介したとおり、真野川親水サイクリングロードでは、内陸から海にかけてさまざまな風景が楽しめます。11キロを自転車でノンストップでゆっくり走ると、所要時間は50分ほど。休憩や食事を含め、1~2時間ほどのリフレッシュタイムとして休日に取り入れるのもよさそうです。

健康づくりに、気分転換に、真野川親水サイクリングロードで過ごす時間をぜひ日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。


■真野川親水サイクリングロード(担当:南相馬市鹿島区地域振興課)
所在地:〒979-2392 福島県南相馬市鹿島区西町1-1(鹿島区役所2階)
TEL:0244-46-2110
HP:https://www.city.minamisoma.lg.jp/portal/sections/31/3110/2348.html

※内容は取材当時のものです
文・写真:髙橋晃浩