生活・その他

「地域で子育てを切れ目なくサポート」
田村市の子育て支援

2026年1月7日

移住先で子育てをする方にとって、その地域の子育て支援は気になるテーマです。福島12市町村のひとつ、田村市ではどのような取り組みを行っているのでしょうか。

あたたかな日差しがさんさんと降り注ぐ田村市子育て支援センターにて、田村市こども未来課の渡邉誠さん、鈴木智子さんと、企画調整課の渡辺真喜子さんにお話を伺いました。

近くに頼れる親族がいなくても安心できる制度を用意

田村市子育て支援センター

少子化は現代の日本が抱える大きな課題であり、田村市も例外ではありません。現代社会において子どもを安心して育てられる環境をつくるには、何が必要か。田村市では、子育て世帯を支える支援体制のアップデートに取り組んでいます。2025年3月には、市としての指針をまとめた「田村市こども計画」が策定されました。取り組みのベースとなる基本目標は以下の4つです。

  • こども・若者を支えることができるまちづくり
  • ライフステージに応じた切れ目のない支援ができるまちづくり
  • 子育て当事者が安心して生活できるまちづくり
  • 質の高い教育・保育環境が整ったまちづくり

指針に基づき市が重点的に取り組んでいるのが、保育施設の整備と、子育てを見守る人的ネットワークの強化です。

まず、保育施設や教育機関については、0~2歳児を受け入れる保育所、3~5歳児を受け入れる幼稚園、そして保育所と幼稚園の機能をあわせもつこども園があります。

渡邉誠さん

田村市では保育サービス環境にも力をいれています。

「お子さんを育てる家庭にとって、柔軟に保育サービスを利用できる環境は支えになると考えます。共働き家庭の幼稚園の教育時間外を補う預かり保育や、保護者の私用やリフレッシュ目的などに利用できる一時保育も、ぜひ活用してほしいサービスです」(渡邉さん)

地域内の人的ネットワークも、子育て世帯を支える大切なライフラインです。

「人的ネットワークを制度として活用しているのが、ファミリーサポート制度です。この制度は、地域の子育てを応援したいサポーターと、サポートを必要とする子育て世帯とをつなぐ仕組みで、有償で育児の助け合いを行う子育て支援です。サポーターは市の講習をしっかりと受けた方であるため、頼む側となる親御さんなども安心です。田村市には意欲的なサポーターが多く、地域で子育てをするお父さんお母さんを助けたいというあたたかい心をもつ方や、自身の子育ての知識をアップデートしたいといった勉強熱心な方もいます。近くに頼れる親族がいないご家庭などにとって大きな力になる制度です」(鈴木さん)

子どもの数は減少傾向である一方、田村市への移住ニーズは高まっています。そこで田村市では、住宅取得を補助する田村市転入子育て世帯住宅取得補助金など、子ども連れで移住する世帯向けの支援体制を拡充しています。

「2024年に田村市へ移住された家族に移住の理由を尋ねると、『子どもがのびのびと過ごせる環境を重視した』と答えたご家族が目立ちました。このことからも、田村市の環境は子育て世帯にアピールできる魅力があるのだと思います」(渡辺さん)

渡辺真喜子さん

移住にまつわるトピックを網羅したWebサイト「たむら暮らし」

田村市では、移住にまつわる情報を網羅的に掲載する移住ポータルサイト「たむら暮らし」を開設。移住をサポートする補助制度の紹介に加え、移住者向けイベントの開催情報、地域の暮らしの様子など、さまざまな情報を発信しています。

「移住を検討している段階なら、『ツアー』と『交流会』の情報はぜひチェックしてほしいです。ツアーには、各回テーマが設定されています。過去には農業・林業などの仕事体験ツアーや、地域住民と郷土料理をつくる暮らし体験ツアーなどを開催しました。子育て世帯向けのツアー開催時には、遊び場・保育施設・学校などの見学時間も設けています。交流会には地域住民の方も参加しますので、移住後の人脈も広がりますよ」(渡辺さん)

交流会では、大人だけでなく子どもたちも楽しめるプログラムが用意されています。参加者全員での調理体験をはじめ、農作物の収穫体験、市内滝根町にある星の村天文台での星空観測会など、田村市ならではの楽しみ方を学べる機会が盛りだくさんです。

実際に田村市へ移住した子育て世帯からは、人と人とのつながりを喜ぶ声が届いているそうです。例えば、近所の方から野菜をおすそ分けしてもらったり、学校行事で同級生の保護者から「お子さんがんばっていましたね」と声をかけてもらったり。こうした日々のふれあいが、移住後の子育てをあたたかく支えてくれます。

お試し移住ができるチャレンジハウスを市内に4カ所設置

田村市子育て支援センターの屋内あそび場

渡辺さんが移住を検討されている子育て世帯の方などに一番伝えたいこと。それは、「まずは現地に来てみることの大切さ」だと言います。

「地域のいいところも、気になるところも、現地で初めて気付くことがあるものです。田村市ではお試し移住を推奨しています。市内4カ所に設置されているチャレンジハウスを活用すれば、市内での滞在費を抑えられます。さらに、ご要望に応じて内容をカスタマイズできるオーダーメイド移住ツアーの受付もしています。気になったらぜひ『たむら移住相談室』へご相談ください」(渡辺さん)

また、田村市は季節や地域によって気候や環境が変わるため、一度だけでなく何度か訪れて、いろいろな角度から地域を見るのがおすすめだとも教えてくれました。ゆとりをもって連泊し、あぶくま洞ムシムシランドグリーンパーク都路など、田村市が誇るアクティビティを親子で思いきり楽しむのもいいでしょう。

田村市の取り組みについてはこちらの記事でもご紹介しています。
ちょ~どいい田舎暮らしが見つかる 田村市の移住相談窓口「たむら移住相談室」
4地区で移住体験ができる田村市の「お試しチャレンジハウス」

最後に、日頃から子育て世帯の相談対応にあたっている鈴木さんから、子育て世帯へ伝えたいメッセージをいただきました。

「田村市での子育てを考えたら、まず田村市子育て支援センターを訪れてみてください。センターには屋内外それぞれに遊び場があり、保育士・保健師・栄養士など子育てサポートのプロが常駐していますので、お子さんを遊ばせながら気軽に悩みを相談できる環境です。乳幼児期は長い人生の土台づくりとなる大切な時期。地域全体で子どもたちを守っていきたいと考えています」(鈴木さん)

鈴木智子さん

子育てを地域全体で支える田村市の体制。そのベースにあるのは、住む人同士が互いに関心を寄せ合い気づかい合う、田村市のあたたかな土地柄や人柄だと感じました。

田村市への移住、そして移住後の子育てサポートについて興味をもったら、ぜひ気軽に相談してみてください。小さな関心からでも大丈夫です。あなたと家族にぴったりな生活スタイルが見つかるかもしれません。

■田村市子育て支援センター
所在地:〒963-4312 福島県田村市船引町船引字下川原1-18
TEL:0247-82-1510
自由来館利用:月曜日~土曜日 9:00~17:00
手続き・相談等受付:平日 8:30~17:15
HP:https://www.city.tamura.lg.jp/soshiki/65/jidoukan_2.html

※所属や内容、支援制度は取材当時のものです。最新の支援制度については各市町村のホームページをご確認いただくか、移住相談窓口にお問い合わせください。
文:橋本華加
写真:塩沼麻衣(WAGAYA)