生活・その他

日用品はどこで買う?ふくしま12市町村の買い物事情(後編)

2023年12月11日
  • 生活環境
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必要なものを都度買いに行く派、週末にまとめ買いする派など、人によって買い物のスタイルはさまざまですが、買い物は私たちの暮らしに欠かすことができません。移住を考えるうえで大切なのが、移住先の生活環境が自分の価値観とマッチするか検討すること。この記事では、福島12市町村のうち田村市、葛尾村、富岡町、大熊町、双葉町、楢葉町、広野町の買い物事情をご紹介します。

南相馬市、浪江町、川俣町、飯舘村、川内村の買い物事情については「前編」をご覧ください。

目次

【田村市】中心地・船引町では暮らしに必要なものは広く手に入る

田村市は、船引地区に商業施設が集積していて、さまざまなお店が集まるショッピングセンターが複数あるため、買い物をする場所には困らないでしょう。

中でも最大規模なのが、メガステージ田村です。テナントの一つヨークベニマルメガステージ田村店は、福島県郡山市に本社を置く地域密着型のスーパーマーケットチェーンで、北関東や東北南部にも展開しています。総菜や弁当などを含む食料品全般、日用品など、暮らしに必要なものは広く手に入ります。営業時間も9時から21時までと長く便利です。

メガステージ田村には、ドラッグストアやファミリー向け衣料品販売店などのテナントも入居しています。コインランドリーや美容室などもあるので、買い物ついでにいろいろな用事を済ませることができます。

船引地区にはほかにも、書店やドラッグストアなどと隣接するリオン・ドール船引店、スーパーマーケットのシミズストアや100円ショップなどが入るふねひきパークといったショッピングセンターがあります。リオン・ドール船引店は、市内スーパーでは最も遅い22時までの営業です。また、JA福島さくらの農産物直売所ふぁせるたむらでは地場産の新鮮な野菜を手に入れることができます。スーパーマーケットはそれぞれ生鮮品や惣菜などの品揃えに特色がありますので、お気に入りを見つけるのも楽しみの一つとなるでしょう。

【葛尾村】買い物は周辺市町がメイン

葛尾村内にスーパーマーケットやドラッグストアはありません。村役場などがある中心部にはコンビニエンスストアのふれあいひろばヤマサ(ヤマザキYショップ葛尾落合)があり、食料品や日用品のほか野菜や地酒なども販売されています。また、日用品を購入できるマルイチ商店も営業しています。

村の人々が普段利用する村外の買い物スポットは居住エリアによって異なるのだそうです。北部に住む人は川俣町での買い物がメインになり、大きな買い物をする時は福島市に足を運ぶことが多いそうです。東部に住む人は南相馬市へ、西部に住む人は田村市や郡山市に多く出かけています。
※川俣町、南相馬市の買い物事情は「前編」をご覧ください。田村市については【田村市】の項目でご紹介しています。

【富岡町】双葉郡の中核的な買い物スポットが立地

富岡町には、双葉郡最大のショッピングセンターであるさくらモールとみおかがあり、週末を中心に近隣市町村からも利用者が多く訪れます。スーパーマーケットのほか、日用品や薬品を扱うドラッグストア、小型家電や園芸資材などが購入できるホームセンターがあるため、ある程度の日用品はそろえることができます。ランチを求めて多くの人が集まるフードコートも営業しています。

スーパーマーケットのヨークベニマル富岡店では、生鮮食品をはじめとした食料品全般を取り扱っています。弁当や惣菜なども並び、日々の食事の準備をちょっと楽にしたい時にも頼れる存在です。営業時間は10時30分から19時まで。仕事帰りに気軽に寄ることができるのもポイントです。
※ヨークベニマルは【田村市】の項目で詳しくご紹介しています。

【大熊町】食料品は富岡町のスーパーを利用

2021年4月にオープンした複合商業施設おおくまーとは大熊町役場に隣接しています。雑貨店や電化製品店、コインランドリーなどが営業しています。飲食店も3店舗あります。震災前から町で営業していた店舗がテナントとして入るなど、大熊町らしさが感じられる施設となっています。

食料品を購入できるのは、ニューヤマザキデイリーストア大熊町大川原店です。生鮮食品のほか、店内で焼き上げるパンや手作り弁当の販売などで町民の生活を支えています。また、クリーニングの受付も行っています。ニューヤマザキデイリーストアの営業時間は午前7時~午後8時(日曜・祝日は午後6時まで)。食料品は大熊町役場から車で15分ほどの富岡町のさくらモールとみおかを利用する人も多いです。さくらモールとみおかへは1日8便、無料の生活循環バスが運行しています。

【双葉町】2025年にはイオンがオープン予定

2022年8月、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故による避難指示が一部解除され、居住が可能となった双葉町。現在のところ町内にスーパーマーケットはありませんが、2023年8月には産業交流センター内にファミリーマート双葉町産業交流センター/S店がオープンしました。震災後初のコンビニエンスストアの出店で、通常の商品をはじめ、各種食材や調味料などの品ぞろえを強化しています(営業時間は午前7時~午後8時)。

また、平日は双葉町役場前と双葉駅えきにし住宅、産業交流センターにイオン浪江店の移動販売車が訪れます。隣接する浪江町のイオン浪江店には車で10分ほど、富岡町のさくらモールとみおかには20分ほどで行けるため、住民の方々は近隣町村のスーパーと移動販売などをうまく活用しながら生活しています。

双葉町は居住環境の整備を進めており、2025年度には双葉駅東側に生鮮食品や日用品、医薬品を扱うイオンがオープンする予定です。

【楢葉町】宅配対応も可能な地元スーパーが便利

楢葉町には、国道6号沿いのコンパクトタウン「笑ふるタウンならは」内にある複合商業施設ここなら笑店街があります。スーパーマーケット、パン屋やホームセンター、理容室、クリーニング店などが営業しており、施設中央にあるオープンテラス席は休憩や飲食ができる地域住民の憩いの場となっています。飲食店テナントも複数入居しているので、買い物のついでにランチを楽しむのもおすすめです。

テナントの一つであるブイチェーンネモトは食料品全般を取り扱うスーパーマーケットで、町内への宅配サービスも行っている地元密着型の店舗です。もともと鮮魚店だったこともあり、新鮮な魚介類が自慢。地域の特産品が並ぶコーナーなど、地域住民の嗜好に合わせたラインナップが目を引きます。ただし、水曜日は定休日なので買い物には計画性が必要です。車で15分ほどの距離には富岡町のさくらモールとみおかもあるため、併用している人も多いそうです。

また、ここなら笑店街から車で10分ほどの距離にある道の駅ならはでは、新鮮な地元産野菜が購入できる直売コーナーもあります。施設内には温泉設備もあるので、リラクゼーションのかたわら買い物に訪れてみるのもおすすめです。

【広野町】基本的な買い物は町内で完結

広野町にはイオン広野店があります。食料品や日用品のほか、医薬品も購入できるため安心。個人商店も複数店舗あるため、生活に必要な基本的なものは町内でもまかなうことができますが、隣接するいわき市に車で行く人も多いそうです。

また、町営の二ツ沼総合公園直売所では、木曜~日曜の週4日間、午前中のみの営業で町内産を中心とした新鮮な農産物を購入できます。

生協・ネット通販の活用もおすすめ

希望する住まいの近くに商業施設がない場合、生活必需品はインターネットで注文するのもおすすめです。また、生活協同組合のコープふくしまは南相馬市といわき市に配達センターがあり、福島12市町村のほとんどのエリアで配送可能となっています。

コープふくしまの配送エリアは以下のURLからご確認いただけます。
https://www.coop-takuhai.jp/takuhai/search

まとめ

福島12市町村内では、まだまだ一つの市町村で生活が完結するとは限らないのが現状です。買い物スポットについても、移住候補地だけではなく周辺地域を含めた生活環境をチェックしておくことが大切です。インターネット通販などもうまく活用しつつ、移住後にどんな暮らしができるかイメージしておきましょう。

文:橋本華加、五十嵐秋音 取材:片倉菜々 写真:髙橋晃浩、五十嵐秋音
※内容は取材当時のものです。