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【イベントレポート】第18回ふるさと回帰フェア2022

2022年10月21日
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「ふくしま12市町村移住支援センター」では、首都圏で開催される移住フェアに個別相談ブースを出展し、移住希望者からのご相談に直接お応えしています。

今回は、2022年9月25日(日)に、東京・有楽町にある東京国際フォーラムで開催された「第18回ふるさと回帰フェア2022」の様子をレポートします!

「ふるさと回帰フェア」とは?

全国の自治体・団体の移住担当者に、地方での「仕事・暮らし・住まい」に関する相談ができる、国内最大級の移住マッチングフェアです。全国の350以上の自治体・団体が参加した今回のふるさと回帰フェアは、「全国移住相談ブース」「地方暮らし応援コーナー」「地方移住初心者向けセミナー」「日本全国ふるさとマルシェ」の4つのエリアで構成され、地方に関心をもつ来場者に、地方で暮らし、働く魅力を伝える場となっていました。

“地方暮らし”への関心の高まり

ふるさと回帰フェアには、20〜30代の若者や子ども連れのファミリー層からシニア層まで幅広い世代が来場し、大盛況。会場の入り口付近に設置された各市町村のパンフレットは、次々に来場者の手に取られ、担当者が急いで資料を補充している姿も見られました。

複数の自治体の移住相談ブースを訪ねる参加者も多く、移住に向けた情報収集の場としてフェアを活用している様子がうかがえました。

会場内で開催された、ファイナンシャルプランナーの遠山有美子さんによる移住後の生活費についてのセミナーでは「すでに移住に向けた準備を始めている」という聴衆者が半数以上を占めていました。

「地方暮らし応援コーナー」には、「全国新規就農相談センター」や「全国森林組合連合会」など、フェア協賛の団体や企業が個別相談ブースを出展し、地方での再就職支援や就農支援、各種イベントの情報を提供。移住先での仕事や働き方について個別相談できるコーナーも設けられており、担当者に熱心に質問する相談者の姿が見られました。

東京と福島をつなぐ移住相談窓口

ふくしま12市町村移住支援センター(以下、「センター」)は「全国移住相談ブース」エリアに個別相談ブースを出展。この日ブースを出展した田村市、南相馬市、川俣町、広野町、富岡町、浪江町とともに、福島12市町村で暮らし、働く魅力をPRしながら、移住希望者からの相談に直接応えました。

相談対応にあたったセンターの移住支援部市町村支援課、金子昭弘さんと米澤政美さんにお話を伺いました。

―ブースを訪れた方からの相談傾向について教えてください。

左から、金子さん、米澤さん

センターのブースには、フェア全体で12組からの相談があり、相談者の半数以上を20〜30代が占めていました。

相談者を対象に行ったアンケートでは、地方移住に関心を抱いた理由として「都会暮らしへのストレス」にチェックを入れている方が多く「環境を変えて、福島で一からチャレンジしたい」という若い世代が増えていることを実感しましたね。

その一方で「福島に興味はあるものの、現地に行ったことがない」という相談者も多く見られ、福島への興味・関心を、移住に向けた具体的な行動に導くステップが求められていると感じました。

―相談者に対して、どのような情報提供を行いましたか?

最大200万円の移住支援金が交付される「福島県12市町村移住支援金制度」をご紹介し、「現地に行ったことがない」という方に対しては、年度内5回まで福島12市町村までの交通費や現地での宿泊費を補助する「ふくしま12市町村移住支援交通費等補助金」や、毎月開催している移住・交流イベント移住体験ツアーのご案内もさせていただきました。

また、今回のフェアには参加していない、楢葉町、川内村、大熊町、双葉町、葛尾村、飯舘村の移住支援制度や仕事や住まいに関する情報も、ブース内で提供できるようにしました。

―相談者が抱く地域のイメージと実情との間に、ギャップを感じることはありましたか?

福島12市町村には求人募集中の企業が多く、働き口はたくさんありますが、特に山間部では今すぐ入居できる住宅が不足していて、地方暮らしならではの「住居費の安さ」を実感しにくい実情があります。その点は、相談者さんの期待とは異なるところだと思います。

市町村によっては、家賃補助や、空き家改修費補助を行っているところもあるので、積極的に活用していただきたいです。

―福島12市町村で暮らし、働く魅力は、どのようなところにありますか?

金子さん「福島12市町村内には山や海などの雄大な自然があり、おいしい食べものや温泉が身近にあることも魅力です。初めて訪れた方からは『地域の人の温かい人情に惹かれる』と感想をいただくことも多いです。子育て世代であれば、のびのびと子育てができる環境があることも魅力に感じていただけると思います。自家用車は必要ですが、日用品は地域内でも隣接する市町村でも調達できますし、近隣の福島市、郡山市、いわき市には大型のショッピングセンターもあり、家具家電などの購入にも困りません。東京や仙台へのアクセスも良好です。

仕事面では、どの市町村も担い手不足という課題を抱えていて、多くの求人があります。就農関連の相談もよくいただきますが、農業に関する支援制度も豊富にありますので、新たに農業を始めたい方にも挑戦しやすい地域だと思います。福島12市町村は地域再生への挑戦が続くまちだからこそ、起業をお考えの方も新しいチャレンジがしやすい土地です。

また、都会の通勤ストレスから解放され、心身ともに健康的な生活を送れることは大きなメリットです。私自身も仕事終わりに毎日5~10kmは走っています(笑)。給与は都市部と比べてやや低い傾向があるかもしれませんが、生活コストを少し抑えることができるので、本当に暮らしやすいところだと思います。

移住を検討している方は、福島12市町村で理想のライフスタイルを実現していただきたいです」

米澤さん「私は東京からのUターン組なのですが、例えば現在担当する南相馬市では、移住された方が新しいスタイルのお店を開いたり、小高区を中心に起業を志す若い方が全国から集まって交流が生まれたりと活気が戻ってきていて、地元出身の自分自身も驚きました。

この地域は海、山、川といった自然に恵まれ、食べものは新鮮でおいしいですし、震災や原発事故などで大変な思いをされた方も多い分、他者に対して優しい人が多い。私にとっては理想郷に近いです。

現在各市町村の支援制度も充実していますので、起業など新しいビジネスを始めたい方にとっては、いまがチャンス。これからの自分の生き方や新たなライフスタイルの実現に向けて、『ふくしま12市町村移住支援センター』をぜひ活用してほしいです」

コロナ禍でリモートワークが浸透し、住む場所を問わずに働けるようになった今「地方移住」が現実的な選択肢になりつつあります。今回のフェアに参加して、世代を問わず地方移住への関心が高まっていることが肌で感じられました。

今後も、ふくしま12市町村移住支援センターでは、首都圏で開催される移住フェアへ個別相談ブースを出展し、直接ご相談にお応えしていきますので、移住・定住に向けた最初のステップとしてご活用ください。

福島12市町村の移住支援制度

福島12市町村では、移住検討段階から使える交通費補助や、移住後に受け取れる移住支援金など、生活や移住スタイルに合わせた多様な支援制度で新しいチャレンジを応援しています。

■福島県12市町村移住支援金制度
福島12市町村において、新しい地域を作り出すなどチャレンジを行う意欲のある県外からの移住者に対して、最大200万円の移住支援金を交付しています。
https://mirai-work.life/support/relocation/

■ふくしま12市町村移住支援交通費等補助金
福島12市町村内を訪れ、移住する際に必要な現地調査・現地活動を行った場合に、その交通費および現地での宿泊費の一部を補助します。1年度につき交通費利用は5回まで、宿泊費利用は5泊まで可能!移住準備の現地調査や物件・仕事探しにぜひご活用ください!
https://mirai-work.life/support/transportation/

取材・文・撮影 熊野 優美子