【移住セミナーレポート】vol.21「ふくしま12で自分らしい働き方 Before After紹介」(東京開催)

セミナー概要
ふくしま12市町村移住支援センターが主催する「未来ワークふくしま移住セミナー」は、福島12市町村での魅力や、チャレンジの場としての可能性をお伝えするセミナーです。令和7年度3回目のセミナーは、2025年11月22日(土)、東京にてvol.21「ふくしま12で自分らしい働き方 Before After紹介」を開催しました。
当日の動画
ゲストによる活動紹介
森田 千裕さん
(大熊町/鍼灸師、子育て中)
「ちょっと緊張していますが…」と語り始めた森田千裕さん。昨年7月、4歳の娘とともに福島県大熊町へ移住しました。「どんな教育環境で子どもを育てたいか」を考え、ネットで見つけたのが、0~15歳が共に学ぶ大熊町の「学び舎 ゆめの森」。仕事も家も決まっていない状態で見学を申し込み、現地を訪れた森田さんは「『再生途中の現実』と 『前向きなエネルギー』が同時に存在する町」に驚いたと言います。若い人たちの笑顔に触れ、「この人たちと暮らしたい」と直感し、その日のうちに移住を決意しました。
福島県12市町村起業支援金を活用し、出張型鍼灸・整体サロン「ユルメル研究所」を開業。「心・体・暮らしをゆるめる」をテーマに、地域の人々の生活を支えています。移住後に感じた魅力は、まず自然。朝は鳥の声、道路には野生のキジ。さらに、人の温かさ。「助けて」と言えば「いいよ」と手を差し伸べてくれる。都会では隣人の顔も知らなかった森田さんが、今では「やっほー」と声を掛けられる日常を楽しんでいます。
そんな森田さんにも移住後に不便さを感じたこともあったと言います。飲食店が少なく、食べることが好きな森田さんには寂しさも。しかし自炊を始め、結果9kgのダイエットに成功。「不便さが良い方向に働いた」と笑い飛ばします。娯楽が少ない分、夜は静かで、自分と向き合う時間が増えました。「私はこれからどう生きたいか」を考える余白が生まれ、人生が整ったと語ります。
「移住は陽の行動。でもその先には陰の時間があり、自分や家族と向き合える豊かさがある」。森田さんの言葉は、自分らしく暮らしたいと願う人に響きます。大熊町での暮らしは、娘にとっても楽しい毎日。「ここに来てよかった」と笑う娘さんとともに、森田さんは新しい未来を歩み始めていました。
渡部 昌治さん
(浪江町/Fimstudio、STUDIO B-6代表)
浪江町出身の渡部昌治さんは、震災後「生まれた町・浪江の復興に何か携わりたい」という思いを胸に独立し、浪江町へ戻りました。現在は設計事務所「Fimstudio」を主宰し、仮設住宅を再利用した建築プロジェクトを展開しています。事務所は「STUDIO B-6」と名づけられ、小規模文化複合施設としても運営。ここから、浪江町に新しい文化の風が吹き始めています。
Fimstudioの代表的な活動は、震災時に建てられた木造仮設住宅を解体し、仲間や町民とワークショップ形式で再建した拠点づくりです。さらに、クラフト酒を醸す「haccoba浪江醸造所」も仮設住宅を再利用して建設しました。地域の人や酒蔵ファンが集まり、ログ材を積み上げる作業を楽しむ。それが渡部さんのスタイルです。子ども向け木工ワークショップも開催し、「ものづくりの楽しさ」を次世代に伝えています。
STUDIO B-6は小規模文化複合施設として運営されています。そこには古書店やシェアキッチンなどが入っていて、DJサークルやZINEサークルなど、多彩なコミュニティも誕生しています。移住者同士が自然につながり、月2回のDJバーは“行きつけの場”として定着しています。
ZINE交流会やブックマーケット、紙すきやシルクスクリーンのワークショップなど、イベントも盛りだくさん。
「ものづくりを通じて人がつながる場をつくりたい」――渡部さんの願いは、浪江町に新しい文化と交流の拠点を生み出しました。芸能保存会で神楽や盆踊りにも参加し、自分らしく楽しく地域文化の継承にも力を注ぐ渡部さん。仮設住宅から始まった挑戦は、今、移住者と地元を結ぶ温かなコミュニティへと広がっています。
勝田 強司さん
(飯舘村/CRSスポーツ工業株式会社 製造部製造課課長)
埼玉県久喜市出身の勝田強司さんは、バドミントンガットの製造・開発を手がけるCRSスポーツ工業株式会社に勤務。事業拡大に伴い、福島県飯舘村へ移住しました。工場は旧草野小学校の校舎と体育館を再利用したもの。社宅も役場の迅速な対応で整い、スムーズに新生活が始まりました。
「仲間意識が強く、交流が多い村だと感じます」と勝田さん。飯舘村では毎年「飯舘ナイター駅伝」が開催され、下位の人にも飯舘ならではの賞が用意されていて、速くなくても楽しめるイベントになっているのが素敵なポイントです。勝田さんも参加し、地域とのつながりを深めているとのこと。さらに、道の駅「までい館」では飯舘産の野菜や工芸品に出会い、特にアスパラガスの美味しさに感動したと強く語り、「実家へのお土産にも買って帰ります」と笑顔を見せます。
暮らしの面では、夕方になると車もほとんど通らなくなる静けさが魅力。「自分の時間や考える時間がしっかり取れる環境です」。コンビニやドラッグストアもあり、生活面で大きく不便を感じることはありません。一方で、雪の多さは初体験。「車の雪下ろしもしたことがなかったけど、まわりの方が親身に教えてくれました」と話し、若い世代はまだ少ないものの、会社で採用を進めており、少しずつ賑わいが増えているといいます。
「一人で移住しても不安にならなくて大丈夫。地域の人が必ず助けてくれます」という言葉で締めくくりました。飯舘村での暮らしは、静けさと人の温かさに包まれた新しい日常を楽しむ勝田さんに、背中を押される時間になりました。
ゲスト✕ぺんぎんナッツ トークセッション

セミナータイトルである「ふくしま12で自分らしい働き方 Before After紹介」をテーマにゲスト3名のトークセッションが繰り広げられました。MCのぺんぎんナッツさんが楽しく話を聞き出し、とても盛り上がる時間となりました。ゲストからは移住後の変化や暮らしで経験したハプニングなどを赤裸々にお話いただきました。
「移住で変わった、“働き方” のビフォーアフター!」
ゲスト3人が語ったのは、静けさが生む“考える時間”、地域ならではの“人とのつながり”、そして“新しい挑戦”でした。
勝田さんは「夕方になると車がほとんど通らなくなるんです。静けさの中で『次はこんな仕事をやってみたい』『プライベートでこんなことに挑戦したい』って考える時間が増えました」とポジティブに語ります。埼玉から移住し、旧校舎を工場に再利用する仕事に携わる勝田さんは、方言に戸惑うこともありましたが、地元の人が優しく教えてくれるので安心と話し、「不安はすぐに解消されますよ!」と笑顔で語ります。
森田さんは、静けさがめちゃくちゃ楽しい!と言い「ノイズがなくなって、自分や家族と向き合う時間が増えました」と語ります。離婚をきっかけに娘と移住し、出張型鍼灸サロンを起業した森田さん。子育て環境も抜群で、「学び舎ゆめの森」で子どもがのびのび学べることに感動。移住者同士で子育てや暮らしの情報交換ができるコミュニティも魅力。「都会では味わえない、心がゆるむ暮らしです」と今の生活に満足されている様子が伝わります。

渡部さんも「静けさが創造の余白をくれるんです」と話し、ゲスト3名がふくしま12市町村ならではの雰囲気を思い思いに楽しみ、プラスに変えていることが伝わります。震災後、故郷の復興に関わりたいとUターンした渡部さん。仮設住宅を再利用した設計事務所を拠点に、建築だけでなくDJやZINE制作など多彩な活動に挑戦。「本業以外にもやりたいことがどんどん出てくる」と話します。浪江町は震災前の人口の10分の1ですが、渡部さんが住む町は、移住者が増え、前向きなエネルギーが広がっているようです。
「働き方が変わったら、暮らしも心も整ってきた」

続いては、3名に移住後の時間の使い方について聞いてみました。最初は衝撃を感じたあれこれがどうやらプラスの影響をもたらしているようです。
勝田さんが最初に戸惑ったのは雪と夜の暗さでした。「コンビニが閉まるのが早くて、夜は真っ暗。でもその分、家で料理するようになり、食生活が整いました」と自分らしいライフスタイルの構築ができているようです。福島県での「スローペース」は勝田さんも感じるそうですが、ぺんぎんナッツの中村さんは、仕事で遅刻しても怒られない文化を実感したそうです。
静かな環境は、考える時間を増やし、仕事やプライベートの挑戦をじっくり計画できるようになったと言い、「都会では常に急いでいたけど、今は余裕を持って動ける」と話します。大変だと感じていた雪にも慣れ、飯舘村の暮らしを楽しまれている様子が伝わります。
森田さんが驚いたのは、ズバリ「虫の多さ」と「夜の不便さ」。コンビニに行けない代わりに、農家さんから野菜をいただくことが増え、自然な食事になったと言い、12市町村では自然と食生活が改善されるようです。また、虫の大量発生には驚いたそうですが、「自然と共に暮らす感覚が芽生えた」と笑います。さらに、地域の人との交流が急増。「夜はバーベキューのお誘い、昼は事業者同士の情報交換」。都会では味わえなかった“人とのつながり”が、森田さんの暮らしを豊かにしています。
渡部さんが、最初に感じた不便は「コンビニが24時間じゃないこと」。それが今では「閉まっていても『散歩しに来たんだ』と思えるようになった」そうです。仕事以外に時間を使うことが増えたことで、地域の歴史や伝統など、新しい挑戦を生むきっかけに。「便利さに頼らない暮らしは、時間を自分のために使える」。浪江町での生活は、渡部さんに“地域と深く関わる喜び”をもたらしました。
「これから移住される方へメッセージ」

森田さんは「迷っているなら、まず福島に来てみてください」と笑顔で話します。実際に空気を感じると、考え方が変わることを実際に体験したと言い、「私は来て本当に楽しい毎日を過ごしています。」という言葉に説得力がありました。
渡部さんは「住めば自然に慣れるし、仲間もできる。場所も自分で作れるんです。本当に気軽に行くことが大事かなって思います」という強い言葉をかけてくださいました。
勝田さんは「人がとても温かいので、一人で移住しても心配いりません。」と語り会場を優しい雰囲気で包み込みました。「困ったことがあっても、みんなが支えてくれます。」という言葉を信じてみたくなりました。
ふくしま12を応援する学生団体の紹介
今回は、ゲストの3名だけではなく、福島12市町村で活動をする3つの学生団体から、活動内容や、活動から感じた地域の魅力を語っていただきました。
■東京大学飯舘村ホッププロジェクト

東京大学大学院修士1年生でプロジェクトの代表を務める小髙 慎太朗さんが、活動を紹介くださいました。小髙さんは指導教授を通して飯舘村を知り、初めて村を訪れたとき、美しい風景や人の温かさに触れて、すっかり惹かれてしまい、そこからのめり込むように関わるようになったそうです。
活動は2022年から開始し、東大農学部の学生およそ60名で構成されています。活動内容としては、飯舘村でビールの原料となるホップを栽培し、そのホップでビールを醸造・販売しているとのこと。村民がビールをきっかけに集まる場をつくり、交流を促進することを目指しています。また東京では、まずは「飯舘村という場所がある」ということを知ってもらうことを目的に活動しているとのことで、学生団体とは思えない幅広い活動ぶりに驚きます。
■東大むら塾

東大むら塾飯舘部の部長を務める木野凱平さんにご登壇いただきました。飯舘村で活動を始めたのは2019年で、内容は「地域との交流活動」と「学びと発信」の2本を軸としています。具体的には「いいたて行政区ずかん」という冊子を制作し、道の駅「までい館」や役場などで無料配布しているとのこと。飯舘村の大きな特徴は、「自然が非常に美しいこと。そして一言でまとめると、『人が良い』です」と力強く語ってくださいました。
■学生団体 防災me

団体の代表を務める、デジタルハリウッド大学の隂山弘暉さんにお話いただきました。福島県で自身が被災した経験から活動をはじめられ、「防災me」は「防災メディア」としての発信もしていて、現在、GoogleやYahoo!でも「防災メディア」のなかで2番目まできているというお話に客席も驚きに包まれました。福島12市町村にもよく来られるとのことで富岡町の「とみおかアーカイブ・ミュージアム」を見学したり、大熊町に新しくできたスタートアップ施設にもよく足を運んでいるといい、現地で活動されている方々やスタートアップの方々、そして学生のアクティブな動きに良い刺激をもらい、交流を楽しんでいると話しました。
会場限定コンテンツ
①移住のホンネ ゆるっと先輩座談会

毎回、大人気のゲストと参加者との座談会。福島12市町村へ移住したゲストが、参加者の疑問に本音で答えていました。どのゲストの座談会ブースも白熱する会話が繰り広げられていました。少人数だからこそ聞ける小さな悩みを解消できる良い機会になったようでした。
②移住相談ブース・起業相談ブース・移住サポーターガイドツアー相談ブース・被災市町村職員採用相談ブース

本セミナーには、毎回様々な相談ブースが設置されます。今回も4種類のブースがならび、参加者のあらゆる質問に専門家が答えました。専門家に相談する質問はどんなものでも構いません。「自分に合う移住先って…」そんな質問が交わされることもありますが、移住相談員が一人ひとり丁寧に対応し、相談者に合った移住先や活用できる支援制度についてご案内します。
③福島12市町村 あみだくじマッチ

「12市町村もあったら選べない!」「なにが違うの…?」と感じるあなたに体験いただきたいあみだくじです。「あみだくじマッチ」で12市町村の中から、自分にぴったりのまちがきっと見つかります!今年度登場したかわいらしいキャラクターのステッカーも会場参加者にプレゼントしました。
④動物でわかる!あなたの移住本気度診断

このコンテンツは、今回初登場です。質問に答えていくとあなたの移住本気度がわ分かります。さてあなたは、準備万端の”チーター”タイプ?それともゆっくりと理想をみつける”亀”タイプ?会場参加者にはチラシとしてお配りしましたので、家族やお友達とゆっくりお楽しみいただけます。
お帰りの際には、参加者には浪江町で愛される「えごまる」をプレゼントしました。つぶつぶとしたエゴマが香ばしいチュイールと、サクッとした触感のチーズクッキーの相性がなんともたまらない美味しさでみなさんに喜んでいただけました。
原宿という賑やかな街の中、福島12市町村の魅力が多くの参加者に伝わる素敵な時間となり、vol.21未来ワークふくしま移住セミナーは幕を閉じました。
令和7年度も残すところはあと2回!2大都市である、1/17大阪、2/21東京で開催します!
すべて会場とオンライン配信のハイブリッド開催です。
どうぞお気軽にお申込みください!
最新のイベント情報は下記の特設サイトよりご確認ください。
https://mirai-work.life/lp/seminar2025/
素敵なゲストの方々とともに、皆さまのご参加をお待ちしております。
