働き方も福利厚生も充実!ライフステージの変化にも寄り添う「南双サービス株式会社」

(左)坂本三和子さん
業務課 主任
1972年生まれ。広野町出身。高校卒業後、1991年入社して勤続35年目。労務課の中でも、健康経営やワークライフバランスの業務を担当。二児の母。
(中)齊藤智美さん
業務課
1992年生まれ。広野町出身。高校卒業後、2009年入社。経理部を経て、現在は労務を担当。三児の母。三度の産休・育休を取得し、フルタイム勤務から時短勤務への切り替えをし働き続けている。
(右)小野道貴さん
燃料センター
1982年生まれ。いわき市出身。2013年入社して以来、重機作業をメインに担当。一児の父。2024年に育休を取得。
1979年に広野町で創業した「南双サービス株式会社」。私たちの暮らしに欠かせない、電力の安定供給を軸に事業展開をしています。東日本大震災を経て、多くの社員が会社を離れざるを得なくなった状況から、働きたくなる職場を考え、実践を重ねてきました。現在では、子育てサポート企業の証である「くるみん」取得や健康経営を実践する優良法人としての認定も受けています。これまでの歩みと、現場で働く社員のみなさんの話を聞きました。
Q1.健康経営やくるみん認定の取得などからは、働きやすい職場づくりに取り組まれていることが伺えます。こうした取り組みには、きっかけがあったのでしょうか?
坂本さん:
東日本大震災があり、多くの人が仕事を辞めざるを得ない状況で、社員が減ってしまった状況がありました。そんな中、新規事業を始めることになったものの社員数が足りず、採用を強化していくため、2019年から働きやすい職場づくりの取り組みを始めました。
常務の意向でいち早く取り組んだのが、健康経営やくるみんの取得、イクボス宣言(※)などでした。国や県の認証取得に向けていろいろなことをやり始めたのですが、当時は健康経営の考え方などが世の中に浸透する前だったので、社員の理解も得にくかったです。

齊藤さん:
認定取得に向けた取り組みが一斉に始まったタイミングは、3人目の産休に入る頃でした。健康経営などの言葉は聞いたことあるけど、具体的にどんなものなのか分からない状態でお休みに入った感じです。でも、育休から復職したときにはさまざまな制度が浸透していて、その変化に驚きました。
※イクボス宣言・・・管理職が「部下の育児や仕事と生活の両立を応援する上司」であることを宣言する取り組み
Q2.職場づくりにおいて、特に力をいれて取り組んでいることを教えてください。
坂本さん:
多様な考えがあることを社内全体で共有することを大事にしています。もともとはほとんどの社員が地元採用だったのですが、震災後は県外から来て働いてくださる方も増えました。外から来てくださった方が感じることに、地元の人は気づけない場合もあります。このままではまずいと思い、コミュニケーションを積極的に取るようにしたり、社内イベントを開催したりするようになりました。
管理者研修を通して、これまでの当たり前を見直すことにも尽力しています。例えば、男性社員の育休についてです。今は世の中が変わってきていますが、かつては男性が育休を取得することは一般的ではありませんでした。そこで、アンコンシャス・バイアス(=無意識の偏見)を学ぶために外部講師を招いた社員研修を実施しています。講師の方は『子育てには男性も必要、生まれたばかりの一番大事な時に一緒にいることが大事』といった話をしてくれるんです。管理職社員も頷きながら話を聞いており、少しずつ意識が変化しています。今では男性育休の取得率が100%になり、成果の一つだと感じています。
また、社員の声を聞きながら福利厚生の充実もはかりました。遠方の方でも就職できるよう社宅を整備したり、家賃制度を導入しました。

Q3.社員のみなさんは具体的にどのような福利厚生を利用されていますか?
坂本さん:
一番人気の福利厚生は「カフェテリアプラン制度」です。一年間で7万5000円相当のポイントが付与される制度で、教育や食事、医療、行楽などに使うことができます。うちの場合は、学費の支払いの補助に充てています。
齋藤さん:
わが家は、ディズニーランドに行くときの宿泊費に利用させていただいています。ほぼ毎年遊びに行くので、嬉しいです。
小野さん:
僕も旅行で使わせてもらうことが多いです。育児の買い物にも使えるので、最近はオムツ代にすることもあります。
坂本さん:
健康経営の一環としては、フィットネスクラブの法人割引や生野菜弁当の提供、健康診断二次検診の費用全額負担と特別休暇の付与も実施しています。二次検診の利用率は100%です。

Q4.子育てをしながら働くうえで、南双サービスで働いていて良かった!と感じたエピソードを教えてください。
齋藤さん:
一番は正社員でも時短勤務ができるところです。2人目の子どもを出産し、復職するタイミングで時短勤務制度を勧めてもらい、3人目が5歳になった現在もその働き方を継続しています。幼稚園が通勤経路にないこともあり、一番早い時間に預けたとしてもフルタイムの始業時間には間に合わないんです。お迎えに合わせて、退勤の時間も早くしていただいています。平日でも、帰ってから食事の準備をするまでの1時間ほど、子どもたちと遊ぶ時間があります。
初めて育休を取った時は経理を担当していたのですが、2人チームで仕事をしていたので、引継ぎをする大変さはありませんでした。私が休む分は、別の方にもサポートしてもらえたので罪悪感なく育休を取ることができました。一緒に働くみなさんは、子どもの体調不良などによる急なお休みや早退にも「早く行きな!」って言ってくれる優しい方ばかりで、いつも助けられています。

小野さん:
僕は妻の出産から1ヶ月間、育休を取得しました。妻からの要望もありましたが、育休取得されている男性社員もいたことにも影響されました。出産後の妻の様子を見て、体調面などは想像以上に大変そうで。家事や育児を自分が担うことで、少しでも負担を軽減できていればと思います。
実は、子どもが生まれて間もなく入院することとなったんです。その時にも、毎日妻と病院へ通い、一緒にお世話をすることができました。子どもの成長を間近で感じることができ、育休取得をして本当に良かったと思います。
燃料センターは働き方がシフト制なので、平日にお休みがあるんです。妻も働いているので、保育園の送り迎えは僕が担当することもあります。有給の看護休暇もありがたいです。
Q5.お休みの日は、どのように過ごされていますか?

小野さん:
最近は子どもが歩くようになったので、晴れた日は一緒に公園で遊んだり、海を見ながら散歩をしたりしています。ゴルフとお酒も好きなので子育てに支障がない程度に、趣味も楽しんでいる感じ。お酒は妻も好きで、週末は交代で子どもをみて、それぞれに友達と飲みにいっていますね。
齋藤さん:
今は子どもたちの習い事が中心の休日です。長男・次男が少年野球に夢中で、練習や試合で毎週大忙し。長男が小学校に入学する以前は広野町の「二ツ沼公園」によく遊びに行きました。大きなふわふわドームが大好きだったんです。家族でパークゴルフも楽しみました。楢葉町の「天神岬公園」や富岡町の「わんぱくパーク」など、子どもが遊べる施設が多いのは福島12市町村の魅力だと思います。
坂本さん:
私は週末のホットヨガを楽しみにしています。たくさん汗を流して、おいしいものを食べる時間が好きです。
Q6.今後、目指していきたい職場の姿を教えてください。
坂本さん:
健康経営やワークライフバランスなど、これまで培ってきた取り組みを丁寧に継続していくことが今後の目標です。地道に続けることで、どんな成果が現れるのかを見届けたいです。
また、現在1割程度の女性社員の採用をさらに強化していきます。事務職だけでなく、重機オペレーターなど現場職でも女性が活躍し始めているんです。休憩室の整備など、ハード面の環境づくりも進めていきます。
今後も社員の声を大切にしながら、より働きやすい職場へと進化させていきたいです。
▼「南双サービス株式会社」の求人情報はこちらから
https://arwrk.net/recruit/snanso
【会社情報】
企業名:南双サービス株式会社
代表者:代表取締役社長 中村 直
事業内容:火力発電所関連事業、消防設備点検、建物清掃等のビルメンテナンス等
所在地:〒979-0603 福島県双葉郡広野町大字下北迫字浜田55番地
URL:https://www.snanso.co.jp/
(2025年11月取材)
取材・文:蒔田志保 / 撮影:古関マナミ