里山の自然が体感できるコース「あぶロマ」で、ドライブやツーリングの目的地にしたいスポットを紹介!
飯舘村、浪江町津島、葛尾村、田村市都路地区、川内村を通る国道399号線は、「あぶくまロマンチック街道(以下、あぶロマ)」と呼ばれています。今回は、あぶロマ沿道の自然豊かな環境を体感できるツアーを企画する「あぶくまロマンチック街道推進協議会」のみなさんに、ドライブやツーリングの途中で休憩がてら立ち寄ったり、目的地になるあぶロマ沿道近くのおすすめスポットを聞いてきました。
目次
・紅葉の時期におすすめ!飯舘村はやま湖
・浪江町津島で「復興のピアノ」に触れてみる
・おしゃれなカフェやデカ盛りランチは葛尾村へ
・田村市都路の「巨石群」でパワーチャージ!
・見て・触れて・感じる川内村の豊かな水資源
紅葉の時期におすすめ!飯舘村はやま湖
まずは北側の飯舘村から。あぶロマから県道12号に入り、約25分車を走らせると飯舘村北部に位置する真野川をせき止めた多目的ダム「真野ダム・はやま湖」があります。きらめく水と豊かな自然を感じることができるスポットで、展望台にはテーブルやお手洗いもあるので休憩がてら眺めに行くのも良いでしょう。夏には花火が打ちあがる「はやま湖夏祭り」が行われます。
あぶロマ沿道はほとんどが山林で、秋には車やバイクで走っているだけでも美しい紅葉が楽しめます。なかでも、はやま湖上流にある真野川渓谷は、紅葉の時期には村内外から多くの人が訪れます。夏には河原に涼みに行くのもおすすめで、四季折々それぞれの美しさがあるそうです。
このほか、飯舘村では日帰りでも入浴や岩盤浴を楽しめる宿泊体験館きこりや、いいたて村の道の駅までい館などもおすすめです。
■真野ダム・はやま湖
駐車場所在地:〒960-1814 福島県相馬郡飯舘村大倉松ケ平648
展望台所在地:〒960-1814 福島県相馬郡飯舘村大倉
真野川渓谷の詳しい場所は以下をご覧ください。
https://www.vill.iitate.fukushima.jp/uploaded/attachment/9986.pdf
浪江町津島で「復興のピアノ」に触れてみる
飯舘村からあぶロマを南下すると、浪江町津島地区に入ります。ここでぜひ立ち寄ってほしいのが、浪江町役場の支所機能も入っている「つしま活性化センター」です。雑誌や漫画が置かれた浪江町図書室津島支所はちょっとした休憩にぴったり。閉校となった町立津島小学校で震災後12年間そのままにされ、2023年3月によみがえったグランドピアノも必見です。調律をし直し、地元の子どもたちによって鮮やかにペイントされた姿は、津島地区の復興の歩みを感じさせます。受付に声を掛ければ自由に演奏できるので、ぜひ触れてみてください。
■つしま活性化センター
所在地:〒979-1756 福島県双葉郡浪江町下津島松木山22-1
TEL:0240-36-2111(平日8時30分~17時15分)
※土・日曜、祝日はトイレ利用のみ可能
おしゃれなカフェやデカ盛りランチは葛尾村へ
葛尾村を訪れたら、ぜひ葛尾村復興交流館あぜりあ(以下、あぜりあ)にも立ち寄ってみてください。あぶロマ沿道の特産品コーナーなど、おみやげの購入にもおすすめです。また、毎週木曜には新鮮で立派で安い野菜が手に入る「とも市」も開催しているのでお見逃しなく!
あぜりあの交差点から県道50号に沿って車で5分ほどの距離にあるのが、葛尾村に移住したアーティストの大山里奈さんが2024年にオープンさせたおしゃれなカフェ「いること caféしずく」です。季節の野菜を中心に、見た目も楽しく、体も元気になるランチが味わえます。また、村の日常にある文化をつないでいきたいという思いで、ワークショップなども開かれています。
このほか、同じく移住者の堀江さん夫婦が営業するCafe 嵐が丘も、こだわりのメニューと内装で癒されます。葛尾村役場そばにある石井食堂は、おいしく大盛りのランチで営業日のお昼時は駐車場がいっぱいになることも多いのだそう。
■いること cafeしずく
所在地:〒979-1603 福島県双葉郡葛尾村大字野川字中島256-1
営業日:日・月曜
営業時間:11:30~16:00(L.O15:00)
Instagram:https://www.instagram.com/ilu_coto/
田村市都路の「巨石群」でパワーチャージ!
田村市都路地区は、巨石が多く発見されている地域。巨石は昔から信仰の対象として大切にされてきたパワースポットです。笠石山周辺には代表的な石が多くあり、標高634mの駐車場から標高763mの山頂までは20~30分ほど。山頂には「夫婦岩」があり、「女岩」には山水が流れていて、石に耳をつけると水の流れる音が聞こえてくるのだそう。
山頂まで行かずとも駐車場のすぐそばにある「古代亀石」や、しばらく山道を進んだ先にある「笠石山の刃」も迫力十分。笠石山の刃以降は、ロープを使っての登山になるため登山靴を履いて臨みましょう。
また、あぶロマ沿いには都路町の特産品「都路たまご」を使った「みやこじスイーツゆい」があります。「ゆいプリン(リッチ)」は、生クリームを贅沢に使用したコクがあって濃厚な味わい。別添えのほろにがカラメルソースとも相性抜群で、おやつ休憩におすすめです。
見て・触れて・感じる川内村の豊かな水資源
川内村では、山林が育んだ地下水が生活用水としても活用されています。あぶロマから県道112号に入り、15分ほど車を走らせた先には川内村の清らかな水資源に触れられるスポットがあります。一つ目は、高田島地域の湧き水「坊主清水」です。かつて、この地を巡教していたお坊さんが峠で病を発症し、この湧水を見つけ飲んだら元気を取り戻したという伝説があるのだそう。近年、地元有志の手により湧水の場所が特定され、休憩場として整備されました。
二つ目は、楢葉町に続く木戸川の最上流にある「高田島続ヶ滝」。一枚岩のゆるやかな高低差を静かに流れる心安らぐ清流で、高田島在住のあぶくまロマンチック街道推進協議会員さんいわく、「夏は岩盤に寝転ぶのも気持ちいい」。冬の水はあたたかみを帯びるのだそう。四季を通して美しい水の流れを楽しめるスポットです。
■坊主清水
所在地:〒979-1201 福島県双葉郡川内村上川内(Googleマップで検索を)
■高田島続ヶ滝
所在地:〒979-1201 福島県双葉郡川内村上川内後谷地26
※写真はいずれもあぶくまロマンチック街道推進協議会提供
まとめ
あぶロマ沿道は、自然豊かな環境ならではの景色や食の楽しみがあるエリアです。ご紹介した場所のほかにも、四季による変化を感じられるスポットも数多くあります。ぜひ休日の過ごし方の選択肢の一つとして、あぶロマでのドライブやツーリングを楽しんでみてください。
※内容は記事公開当時のものです
文:五十嵐秋音