移住者インタビュー

子どもの成長を第一に考え川内村へ。「学校も保育園も全部おすすめです」

2024年1月5日
川内村
  • 移住
  • 子育て
  • 家族構成:父、母、子ども3人の5人暮らし
  • 移住後の住まい:川内村の村営住宅
  • 移住年月:2022年3月

ご主人、3人のお子さんとともに川内村で暮らす小林あゆみさん。2022年3月、子どもがのびのび成長できる環境を求め、首都圏から移住してきました。その後あゆみさんのご両親も村内に引っ越し、親子3代で川内暮らしを送っています。移住の経緯、お子さんが通う保育園や学校のこと、田舎暮らしで見えてきたお子さんの変化など、村での生活について話を聞きました。

のびのび成長できる環境を子どもたちに

――移住のきっかけを教えてください。

川内村に来る前、夫の仕事の都合で出身地の茨城県から首都圏に引っ越して1年住んだんですが、もともと田舎生まれなので都会の環境が合わなくて。ちょうど一番上の子が小学校に上がるタイミングだったので、それを機にどこか違う場所で暮らしたいって思ったんです。そこで候補に挙がったのが、祖母が生まれ育った川内村でした。祖母は今はいわき市に住んでいるので、最初は川内か、いわきで迷ったんですけど、いろんな支援制度があったし、新築一戸建ての村営住宅が安く借りられることもあって川内を選びました。

でも、川内に決めた一番の理由は、自然豊かでのびのび成長できる環境が子どもたちにとって必要だと思っていたからです。最終的にはみんな家を出ていくんでしょうけど、それまでは親の責任として育て上げなきゃいけない。そのために必要なのはこういう環境だろうと思って。

――移住にあたって支援制度は利用しましたか?
福島県12市町村移住支援金をいただきました。引っ越しの初期費用が予想以上にかかったり、車はもともと1台持っていたものの田舎で暮らすにはもう1台ないと不便だということで買い足したりしたので、とても助かりました。また、移住支援金の申請でもらえるアイリスオーヤマさんのポイントも活用しました。

学校や保育園に子どもたちも満足

――下のお子さんお2人はかわうち保育園に通園中ですが、園の雰囲気や保育の環境など、どう感じていますか?

先生たちがみんな若くて明るくて、よく面倒を見てくれます。建物は新しくてきれいだし、園庭は広いし、おもちゃもたくさんあって、子どもたちも満足しているみたいです。子どもの数が少ないぶん目が行き届くのも安心ですよね。絵本代が月に少しかかるだけで保育料は無料で、給食費もおやつ代もかからないのも安心です。

保育園や学校では野菜を育てているんですけど、子どもの数に対して収穫量が多いから、「ご自由にお持ち帰りください」みたいな感じで園や学校の玄関にどさっと置いてあります。子どもたちも次にどんな野菜ができるか楽しみにしてるみたいですし、土いじりの時間がたくさんあるのはいいことだと思っています。

――上のお子さんは川内小学校でどんなふうに生活している様子ですか?

学校の子どもたちはいい意味で上下関係がなくて、6年生のお兄ちゃんやお姉ちゃんが放課後の学童クラブで面倒を見てくれています。妹感覚で遊んでくれているんでしょうね。学童クラブでも畑に連れて行ってくれたり、いろんな経験をさせてくれるので、家にいるよりも飽きずにいられるんじゃないかなって思います。

行き先を選ぶ楽しさもある1週間分のまとめ買い

――普段のお買い物はどうしていますか?

村内のお店は少し値段が高かったり、子ども向けの品揃えがあまり豊富でなかったりしますけど、車で30分ぐらい走れば大きなスーパーもありますし、私自身が田舎生まれのせいか不便に思ったことはありません。1週間分まとめ買いすれば特に困ることはないですね。行き先は、田村市だったり富岡町だったり小野町だったり。いわきまで行くこともあります。今日は100円ショップにも行きたいからあっちにしようとか、今日はあのお店でお昼を食べたいからいわきに行こうとか、選ぶのが楽しいです。

――心配なことがあるとすればどんなことでしょうか。

今はそれほど困っているわけではないですが、病院ですね。見立てがいい小児科があったらいいなって思います。村にも診療所があって、緊急の場合は子どもも診てもらえますけど、何かあった場合は車で30~40分かけて田村市や小野町の医療機関に連れて行くことになると思います。

――お休みの日はお子さんを連れてどこかへ行ったりしますか?

富岡町の夜の森公園は最近きれいに整備されましたし大きな遊具もあるのでよく行きます。村のなかの場合は子どもたちだけで遊びに行っちゃいますね。千葉ではそうはいきませんでしたが、ここは都会と違って顔見知りばかりなので、子どもを外で遊ばせておくにも安心です。

川内に来て、長女が明るくなった気がするんです

――ご主人は村内でお勤めですか?

いいえ。双葉町で除染関連の仕事をしています。私も以前は夫と一緒に除染関連の仕事をしていました。女性にもできる仕事だと言われて始めたのですが、外の仕事はしたことがないうえにのんびり主婦をしていたので、最初は大変でした。でも、みなさんゼロから手取り足取り教えてくれて、楽しかったです。川内村のことをよく知っている方もたくさんいて、村内のお店をいろいろ教えてもらったり、いい人間関係のなかで働けました。

でも、子どもが小さいと体調を崩すことも多いじゃないですか。それで1週間ぐらい休まなくちゃいけないことも多くて。村内で働いていれば、子どもが熱を出したとしてもすぐ迎えに行ってあげられるので安心かと思い、川内村移住・定住支援センターの相談員の方に相談したところ、今の職場で求人が出ていることを教えていただきました。

――移住・定住支援センターのサポートやフォローで印象に残っていることはありますか?

ここに引っ越してきたばかりの頃は何もわかりませんでしたから、ごみの捨て方を教えてもらったり、ひなまつりのケーキを買い忘れて困っていたら子どもたちにイチゴを持ってきてくれたり。もう何から何までお世話になっていて、相談員さんはもうやさしさでしかないですね。

――思い描いていた「自然の中でのびのび子どもを育てたい」という生活は実現できていると感じますか?

そうですね。川内に来てから、子どもたち、特に長女は明るくなったかなって思うんです。茨城から首都圏に引っ越したときは、大好きなおばあちゃんと離れてしまって不安もあったんだと思います。私の両親も川内に移住してきたので、おばあちゃんが近くにいるようになったのもあるのか、すごく明るくなったと思うし、引っ込み思案なところがあったんですけど、自分の意思表示をちゃんとしてくれるようになったと思います。周りの子がみんな明るくて元気だから、それにも影響されてるのかな。

千葉のときは夫の仕事の時間帯がバラバラだったんですけど、今は帰ってくる時間が決まっているので、全員の食事の時間が揃うようになったのも大きいですね。家族での時間が増えたことも、子どもたちにとってはプラスだと思います。

川内には高校がないので、高校進学とか、成長していくとまたいろいろ考えることはあると思いますけど、お子さんがいらっしゃる方にとっては、学校や保育園も含めて、全部がおすすめです。

小林あゆみ さん

1992年生まれ、茨城県出身。結婚後、首都圏での生活を経て2022年3月に家族で川内村へ移住。夫と3人の娘との5人暮らし。2023年9月より川内村商工会勤務。

※所属や内容は取材当時のものです。
取材・写真:五十嵐秋音 文:髙橋晃浩