生活・その他

太平洋の絶景スポットで思い切り遊ぼう!楢葉町「天神岬スポーツ公園」

2023年12月12日

子どもたちが目いっぱい遊べる公園が近くにあることは、子育て環境としてとても大切なポイントの一つです。今回は、福島12市町村の子育て応援施設として楢葉町の「天神岬スポーツ公園」をご紹介します。広々とした芝生には数々の遊具があり、キャンプ場や温泉などの施設も揃った家族連れに大人気の公園です。岬の高台からパノラマのように見渡す太平洋は壮大で、初日の出の絶景ポイントとしても知られています。

多彩な遊びから食事、温泉まで1日中楽しめる

天神岬スポーツ公園は東京ドーム約2個分の広さを誇る、福島12市町村で最大規模の公園です。子ども用の遊具が豊富で、広場やレンタルサイクルで遊ぶこともできます。一休みできるジェラートショップや食事処、温泉もある、家族みんなで1日中楽しめるスポットです。サイクリングターミナル内には授乳できる場所やおむつ替えのベッドがありますので、赤ちゃん連れでも安心。けがや困りごとがあった場合にフロントに相談できるのも心強いところです。

太平洋に面した楢葉町は温暖で、降雪もほとんどありません。季節を問わず遊ぶことができる天神岬スポーツ公園には、県内外からたくさんの家族連れが訪れています。

ご案内いただいたのは、サイクリングターミナルのフロントを担当している根本久子さん。楢葉町の避難指示が解除された直後から、天神岬スポーツ公園の復興を支え続けてきた方です。

世代を問わず多くの子どもたちが遊べる

最初にご紹介するアドベンチャー広場には、お子さんの年齢に合わせて遊べる、大小さまざまな遊具があります。滑り台やネット遊具、ジャングルジム、ワイヤーから吊るされたロープにぶら下がって滑り降りるターザンロープなどが並びます。遊具は2015年に原発事故による避難指示が解除された後に入れ替えたため、比較的新しい遊具も多いです。

小学生以上のお子さんには、船の形をした大型遊具がおすすめです。中をくぐり抜けられるパイプや幅の広い滑り台、ネット遊具などが組み合わされていて、鬼ごっこやかくれんぼをするのも楽しそうです。

まだ小さなお子さんなら背の低い遊具が遊びやすいですし、大きな子と接触してけがをすることも防げて安心です。輪やトンネルをくぐったり、湾曲した鏡に写る姿を見たりして楽しめます。

「飛び降りない」「上から物を投げない」などのルールが決められている遊具もあります。子どもたちが遊んでいるときは、大人が近くで見守ってあげてください。

アドベンチャー公園の隣には、びっくりするほど広々とした芝生公園があります。子どもたちなら、どこまでも走っていけそうですね。きれいに整えられた芝生が、小さな足をやさしく受け止めます。

芝生公園は火気厳禁ですが、それ以外の制約はありません。「子どもたちは、キャッチボールやバドミントンなど、思い思いに遊んでいますよ。他のグループとは距離を取る、硬球で遊ばない、火気を使うキャンプ場に近寄らないなどのマナーも自然と守られています」(根本さん)。

公園のあちこちにあるベンチや東屋は、パパとママに嬉しいポイント。遊んでいる子供たちの近くに座って、のんびり見守ることができます。場所によっては海を眺めながら休めるのも天神岬スポーツ公園ならでは。海が見えるベンチを選んでお弁当を食べるのも気持ちが良いですね。

レンタルサイクルは、1時間330円、2時間550円。種類もサイズも豊富ですので、家族みんなでサイクリングを楽しめます。もっとも小さい補助輪付きの自転車には4~5歳から乗ることができます。ヘルメットも無料でレンタルできるので、必ず着用しましょう。

自転車は公園の内外問わずどこを走ってもOKです(オートキャンプ場エリアを除く)。園内の舗装路で太平洋の潮風を浴びながらサイクリングを楽しめますし、2km先の「ここなら笑店街」までランチをしに行ったり、お弁当を買いに行って公園内のベンチで食べるなど、いろいろな楽しみ方ができます。

あとは帰って寝るだけ、食事もお風呂もここで完結

ちょっと疲れたら出来立てジェラートで一休み。公園内には、地元でも大人気のジェラートショップがあります。赤い屋根が目印の「ウィンディーランド」です。

フレーバーの種類は、定番から期間限定まで14種類。すべてお店で手作りしているので、どれを選んでも出来立ての味が楽しめます。子どもたちには定番のイチゴやバニラ、チョコレートが人気なのだそうです。

値段はシングル350円、ダブル400円。楢葉町特産の柚子やサツマイモを使った「焼きいも」、楢葉町オリジナルの日本酒「楢葉の風」の酒粕を使ったご当地ジェラートは特におすすめのフレーバーです。常連さんが毎年心待ちにしているという秋限定の「カボチャ」も良いですね。

公園には「天神岬温泉しおかぜ荘」が併設されています。「子ども連れの方は、公園でたくさん遊ばせてからお風呂に入って、麺コーナー『ラーメンOda』でご飯を食べて帰ることが多いです。あとは帰って寝るだけ」と話す根本さん。こんな1日を過ごしたら、子どもたちは大満足で眠りにつけますね。源泉100%の温泉は、地元の方はもちろん、県外からもお客さんが集まってくるそうです。
日帰り入浴の料金は、大人700円・小人300円。有料でタオルを借りられるので、手ぶらで行ってもOKです。

露天風呂から楽しめるのは、視界いっぱいに広がる太平洋の風景です。穏やかな海を眺めながら、のんびり温泉に浸かっていると、体と心がじんわりほぐれていきます。例年元旦は、初日の出を拝むお客さんのために朝6時からオープンしているそうです。

雨の日や海風が強い日でも、内風呂ならゆったり。お子さんと並んで温泉に浸かれば、普段よりたくさん話ができますね。

キャンプ場は、常磐自動車道からのアクセスが良いことから、県内や近県だけでなく首都圏からもキャンパーが訪れるほど人気があるのだそう。松林の中にテントを張るフリーキャンプ場、個別の炊事場とAC電源がついたオートキャンプ場の2種類があります。岬という場所柄、強い海風には充分にご注意ください。

キャンプ場の予約は、3ヵ月前の午前8時から可能です。時期によってはすぐに埋まってしまうので、できるだけ早いご予約をおすすめします。特に大晦日は年越しキャンプを狙う人も多く、予約開始と同時に電話が殺到するそうです。料金は、フリーキャンプ場2,200円・オートキャンプ場5,500円。日帰りのデイキャンプはそれぞれ半額になります。

楢葉町は雪が少なく、子育てもしやすい環境

学校帰りや休日に訪れる子どもたちも多いという天神岬スポーツ公園が生活圏にあることは、楢葉町の子どもたちの特権です。2015年の避難指示解除直後から公園が元気を取り戻す姿を見守ってきた根本さんは「以前に比べて、子どもたちや若いお客さんの姿が増えましたね」と目を細めます。「福島と聞くと、雪深いというイメージを持つ人が多いと思いますが、楢葉町は雪が少なくて過ごしやすいです。子育てもしやすいところだと思いますよ」と話してくださいました。

広大な敷地と太平洋の絶景に恵まれた天神岬スポーツ公園は、あちこち行かずとも一ヵ所で遊びが完結できるため、移動なく近場でゆったり休日を過ごすことができます。親子ともに楽しめるスポットとして、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。


■天神岬スポーツ公園
住所:楢葉町大字北田字上ノ原27番地の29
TEL:0240-25-3113
HP:http://naraha-tenjin.net
レンタルサイクル・デイキャンプ営業時間:(4月~9月)9:00~17:00・(10月~翌3月)9:00~15:00
駐車場:100台以上

・天神岬温泉しおかぜ荘
営業時間:10:00~21:00(最終受付20:30)※木曜は15:30から
・ラーメンOda
営業時間:11:00~19:00(ラストオーダー18:40)※木曜定休

※所属や内容は取材当時のものです。
文:さわきゆり 写真:五十嵐秋音(温泉の写真は天神岬スポーツ公園提供)