支援制度

移住前の知りたい!をかなえる「ならは体験プログラム」&仕事をしながらの生活がイメージできる「お試し就労体験」

2025年3月18日

移住先として気になる地域を見つけたら、現地を訪れることが知りたい情報を得るための一番の近道です。楢葉町では、地域を熟知した移住相談員が利用者のニーズに合わせてまちを案内してくれる「ならは体験プログラム」を用意しています。より移住の意思が固まってきたら、仕事をしながらの生活のサイクルを体感できる「お試し就労体験」もおすすめ。それぞれどんな内容の支援制度なのか、担当者に聞いてきました。

オーダーメイドツアーでまちを知る

ならは体験プログラム(以下、体験プログラム)は、楢葉町の暮らしを見学できるオーダーメイド型のプログラムです。地域を熟知した楢葉町移住相談窓口のメンバーが、利用者のニーズに合わせて、買い物ができる場所や職場、住まい、学校の見学など、移住を検討するうえで知っておきたい生活環境を案内します。お試し住宅を活用して何日かにわたってプログラムを組んでもらうこともできます。

担当しているのは、楢葉町移住相談窓口の菊地陽子さんと松本祐子さんです。菊地さんは楢葉町で移住相談に携わって3年、松本さんは楢葉町で子育てをしながら暮らす移住者です。同年代のお二人は、息の合った掛け合いで移住検討者をサポートしています。

楢葉町移住相談窓口の(左から)松本さん、菊地さん

菊地さん「まず町のことを知りたいという人は、日帰りでもいいと思います。お子さんを連れて移住するのであれば学校や町役場の担当部署を紹介しますし、起業・開業をしたいのであれば福島県12市町村起業支援金の窓口になっているふくしま12市町村移住支援センターの担当者を紹介します。人とのつながりをつくりたいという人は「kashiwayaシェアハウスと食堂」や地域の人におつなぎします。体験者さんに合ったプログラムをつくりますので、気兼ねなく相談していただきたいです」

生活のルーティンを体感できるお試し就労体験

より実際の生活サイクルに近い形で移住体験をするのなら、体験ツアーにお試し就労体験(以下、就労体験)を組み込んで、1週間過ごしてみるのがおすすめです。

松本さん「就労体験では、実際に日中仕事をしてお試し住宅に戻ってくる、という生活の流れを体験することで、楢葉町での暮らしをよりリアルに感じられると考えています。スーパーは夜7時までしかやってないし、水曜日はお休み。日曜日は町内のガソリンスタンドは営業していません。その中でどう生活するか。仕事を通して、いわゆる町のふつうの人と接するいい機会にもなります」

町内唯一のスーパー「ブイチェーンネモト」

現在のところ、体験を受け入れているのは楢葉町で道の駅や公園などを運営する楢葉町振興公社と、町の特産品であるサツマイモを生産する株式会社福島しろはとファーム、植木生産を手掛ける株式会社ヤマダグリーンの3社です。楢葉町振興公社ではレストランのホールや宿泊施設のフロントといった接客を、しろはとファームは収穫が中心で、ヤマダグリーンは山林で庭木となる木の堀り出しを体験できます。

しろはとファームで収穫されたサツマイモ

日程調整は移住相談窓口で対応してもらえますが、時期によって対応ができない企業もありますので、早めの申し込みがおすすめです。希望する事業者や職種があれば、楢葉町移住相談窓口で調整してもらうことも可能。就労体験は基本的にアルバイトですが、賃金などの条件は企業と利用者との相談になります。通勤手段の用意はありません。自家用車やレンタサイクルを利用いただくほか、過去にはネット通販で自転車を購入した人もいたそうです。

段階的に移住を検討するのに活用できる

日帰りで体験プログラムを活用したことをきっかけに、移住を決めた山崎さんの例をご紹介します。山崎さんは初めての訪問で体験プログラムを活用しました。菊地さんと松本さんは「まずは楢葉のいいところを見てもらいたい」と、天神岬スポーツ公園やレストラン「Wood Stove」などを案内。その後、株式会社サイドストーリーで、応募できそうな求人を相談したのだそう。

中央が山崎さん。交流会に参加するなどして楢葉町での暮らしを楽しんでいる(楢葉町移住相談窓口提供)

「移住相談窓口は女性2人が担当で正直びっくりしましたが、元気のいい菊地さんと、おっとりした松本さんが二人とも親身になって相談に乗ってくれたのが心強くて。楢葉はどんどん足し算になっていった町。もっとこれからどんどん好きになっていけそう」と感じたという山崎さん。初訪問での体験プログラムをきっかけに、移住先としての志望度が上がったといいます。

その後、ふくしま12市町村移住支援交通費等補助金を利用して再び楢葉町を訪ね、応募していた企業の面接を受けるなど、1週間にわたりお試し住宅で過ごしました。山崎さんは「1週間じっくり移住のことを考えられた」と振り返ります。

お試し住宅は、2週間の範囲内であれば年度内に何回でも活用することができます。体験プログラムも同様です。「何度か利用するのなら、次に来るときはちょっとレベルアップしてもらいたいです。たとえば、前回とは違う人とつながったり、住まいの見学に行ったり、興味のある求人が出ている職場を見学しに行くとか。その中で、就労体験はうってつけですよね。少しずつレベルアップしていった先に、移住があればいいと思っています」と菊地さんは語ります。

「移住検討者にとって、ゴールは移住ではなく定住」と話す菊地さんと松本さん。移住後も、二人を頼って移住相談窓口に顔を出す移住者の方もいるのだそう。ご自身も移住者である松本さんは、「悩んでるんだったら1回来てみたらいいんじゃないかな。来ないと何も始まらないし、ちょっとでも気になったら気軽に来てみて、合っている・気に入ったと感じてもらえば、話は進んでいくものなのかなって」と話します。

山崎さんのように、一度目は移住相談員との顔合わせがてら見学からスタートし、2度目は就労体験をしながらお試し住宅で過ごして生活をイメージ、3度目は移住後にも顔を合わせる人たちとのコミュニティづくり…なんて活用の仕方もいいかもしれません。移住は人生の中でも大きな決断になります。だからこそ、活用できる支援制度は積極的に活用することが、理想に近い暮らしを手にする一歩になります。

楢葉町への移住を検討している人は、ぜひ楢葉町移住相談窓口の扉を叩いてみてください。

ならは体験プログラムを詳しく知りたい人はこちらをご覧ください。
https://kurasu-naraha.jp/support#tour

お試し就労体験の詳細はこちらをご覧ください。
https://kurasu-naraha.jp/support#program

楢葉町お試し住宅はこちらの記事でもご紹介しています。
1年に14日間利用できる楢葉町「お試し住宅」

■楢葉町移住相談窓口
所在地:〒979-0514 福島県双葉郡楢葉町大字下小塙字久保田63-3(旧:南保育所)
楢葉町地域活動拠点施設まざらっせ内
TEL:0240-23-6271
FAX:0240-23-6272
MAIL:info-codou@narahamirai.com
https://mazarasse.com/

※所属や内容は公開当時のものです
文・写真:五十嵐秋音