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【特別対談】ドラマ「姪のメイ」の舞台、ふくしま12市町村で夢に向かって「チャレンジ」できる魅力

2023年9月6日
  • ドラマ
田中美奈子さん✖️藤沢烈センター長 スペシャル対談01

ドラマ「姪のメイ」は、主人公の小津(おづ)・メイがあるきっかけで福島12市町村に仮移住をするひと夏の出来事を描いたヒューマンコメディーです。 

彼らは、復興に向けて様々な困難を乗り越えて前へ前へと進んでいるあたたかい地域の人々と出会い、人生を見つめ直して行きます。 

今回は、ドラマ「姪のメイ」が伝える福島12市町村の「新しいことにチャレンジできる魅力」を、ドラマの中でワイン農園を家族で経営している平田幸枝を演じる田中美奈子さんとふくしま12市町村移住支援センタの藤沢烈センター長に語ってもらいました

田中美奈子さん✖️藤沢烈センター長 スペシャル対談動画

お二人の対談の様子を動画でもお楽しみいただけます!

田中美奈子さん 女優、テレビ、ドラマ、バラエティー番組、映画、CM、雑誌等にて活躍。 パラオ共和国親善大使、日本RV協会公式キャンピングカー親善大使、動物愛護団体NPO法人Ever Lasting Friends(ELF)代表理事。

藤沢烈 ふくしま12市町村移住支援センター長。一橋大学卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て独立し、NPO・社会事業等に特化したコンサルティング会社を経営。2021年7月のふくしま12市町村移住支援センター設立以降、センター長を務める。移住に関する発信・ツアーやイベントの実施・求人の発掘事業などを指揮する。一般社団法人RCF代表理事、新公益連盟事務局長、PwC財団理事。

震災のあった場所で、命の問題に取り組むこと

藤沢:田中さんと福島12市町村との関わりについて教えていただいてよろしいでしょうか。

田中:通信教育の大学に通っていた際の友人がもともと楢葉町に住んでいまして、その友人と一緒に動物愛護の活動を始めたのがきっかけです。

藤沢:それは、東日本大震災の前からでしょうか?

田中:震災後になります。友人とは、家族ぐるみのお付き合いをしていて、素敵な女性なんです。

藤沢:大人になってから、そのような友人に出会うことはなかなかないですよね。

ちなみに、動物愛護というのはどのような取り組みなのでしょうか?

田中:1999年に立ち上げたのですが、捨て犬・捨て猫の殺処分をしたくないので、命を救う活動をスタートしたんですね。あるテレビ番組で、イギリスの保護しているシェルターに取材に行ったことがきっかけでした。そこで、すごくショックを受けたんですね、日本にはこういった施設がないのではないかしらと。

同じ島国なのに、イギリスでは150年前から、動物保護施設がしっかりあって、トリマーの方達がボランティアでトリミングを施してあげて、1日も早く里親さんを探してあげる。

衝撃を受けた私は、日本に帰ってきて、色々なボランティア団体にお勉強に行かせていただきまして、自分で動物保護団体を立ち上げ、2007年にNPO法人になりました。

藤沢:それは、福島でも活動をされているのですか?

田中:震災のあった年の5月・7月、それから秋にも、石巻の方から下りてきて、福島も回らせていただきました。

動物の支援活動だけではなく、おむつやミルク、女性のお化粧品なども現地に足りないとお聞きしましたので、あらゆるものを車に詰め込んで支援に入らせていただいていました。

藤沢:私も記憶に残っていますけど、女性の皆さんのお化粧品って行政の支援に入らないので、そういう支援があると、すごく喜ばれていましたね。

田中:たまたま私がお化粧品に携わる仕事をしていたので、それをお持ちしたら本当に喜んでいただけたので、よかったなあと思っています。

藤沢:震災以降も福島で活動はされていますか?

田中:保護センターを建てる土地を探していたのですが、なかなか見つからなかったのですが、3.11の震災のあった場所で、命の問題に取り組むことが本当の意味の復興になるのではないかと、どうしても福島で保護センターを作りたいと思い、福島中を回らせていただきました。

南相馬にある鳩原小学校や猪苗代の東中学校など廃校になった学校を有効活用できないか。廃校以外でも楢葉町など役場の方々ともミーティングをさせていただいて土地を見せていただいたりしました。

藤沢:福島の色々な場所に通われながら、保護センターを作るために動かれていたんですね。

そうすると、福島の皆さんとお会いする機会も多かったと思いますが、東京と違って福島の皆さんはどんな印象ですか?

自分のことだけを考えている人が少ない

田中:ご自身も被災されているにも関わらず、とてもあたたかく迎えていただいて、一生懸命に「自分のやれることをやりたい」って思ってくださる方が多くて、なんてあたたかい人たちなんだろう・・って。

藤沢:皆さん、すごく助けてくださいますよね。

田中:震災の物資の支給があった際は、われ先に行く人もいなくて、みんな一列に並んで順番を待っているような映像をニュースでも見ていましたし、「福島の人たちはすごい」っていうことが海外などにも伝わったと思います。

本当に、自分のことだけを考えている人が少ないというか、みんなで手に手を取って「頑張ろう!」っていう人たちがとても多くて、うちの子供たちも福島が大好きになっています。

田中美奈子さん✖️藤沢烈センター長 スペシャル対談02

藤沢:そうなんですね、お子さまも福島にはときどき来られているのですか?

田中:しょっちゅうです!時間があるとすぐに「ママ、そろそろ福島行かない?」っていうぐらい、福島の風土と人柄に魅了されている私たち家族です。

藤沢:嬉しいですね。じゃあ、半分移住というか、少しだけ移住に近づいているような関わりを持っていただいているんですね。

田中:はい、半移住ぐらいの勢いで福島に行ってるかしらって思います(笑)楢葉町の友人は、いわきに避難して、そこでお家も建てられたんです。楢葉のお家もありますから、年末年始はそこのお宅をお借りして、天神岬に行って初日の出を拝ませていただいたりしています。

藤沢:楢葉の天神岬で初日の出を見られたりされているんですね。あそこは本当に太平洋からの日の出が最高ですからね。

田中:最高のロケーションですよね、温泉もあるし。また、キャンプ場もあるじゃないですか。

見どころがたくさんあるのが福島

藤沢:天神岬のキャンプ場は有名ですが、田中さんはキャンピングカーのお仕事との関わりもあるんですよね。

田中:そうですね、親善大使を務めています。日本一周回っていまして、あと5県くらいでほぼ制覇します。福島では、3回も4回もキャンピングカーで回っていると思います。

藤沢:キャンプ場という意味では福島は、他の地域と比べてどんな魅力がありますか?

田中:自然が豊富ですし、キャンプ場の施設も整っていますよね。天神岬のキャンプ場も休日になると、満員ですよね。テントだらけで本当に賑わっています。併設する施設が充実していて、最高の温泉が福島には揃っていますよね。

藤沢:私も温泉が好きで、福島市の高湯温泉・・

田中:入りました!

藤沢:白濁で、全部が源泉掛け流しですし、ちょっとエネルギーが違うなって感じがします。福島12市町村に移住した方も週末になると、会津の方に行ったり福島市の方に行ったり、皆さん自然を満喫してアクティブに活動されていますね。福島は広いですけど、車を使って皆さん色々なところへ行って楽しく過ごされていますね。

田中:秋になったら紅葉もありますし、見どころがたくさんあるのが福島だなぁと改めて思いました。

田中美奈子さん:x_黒太字:藤沢烈センター長 スペシャル対談03

動物保護センターと障がい者支援、新たな雇用の創造

藤沢:東日本大震災から12年経ちまして、福島12市町村というのは、とりわけ原発事故の影響を受けた地域なのですが、復興に向けて頑張っていまして、新しくチャレンジする方が増え始めている地域なんです。

田中さんは今まで色々なチャレンジをされているかと思いますが、福島で新たに何かするとすれば「これやってみたい」という事はありますか?

福島12市町村
「福島12市町村」とは、福島第一原子力発電所の事故により避難指示等の対象となった、南相馬市、田村市、川俣町、浪江町、富岡町、楢葉町、広野町、飯舘村、葛尾村、川内村、双葉町、大熊町

田中:動物保護センターを福島で作るんですが、保護センターだけではなく、障がい者支援もできたらと考えています。

うちの主人の妹が重度の脳性小児麻痺でずっと家で寝たきりだったんですね。2年ほど前に他界してしまったのですが、そういった経験もありまして、動物保護センターで障がい者の方々に一緒に働いていただけないかと考えています。

藤沢:障がいをもった方にも生きがいになればと

田中:そうですね、障がい者の方達の就職先が本当にないとお聞きしまして、何かできないかと思っていて、障がい者の就労支援も含めて、例えば車椅子の方でも動物のトリミングですとか、ネイリストやフットマッサージなど、そういった資格が取れたら、安心して自立できるのではないかと考えています。

障がい者支援と動物保護センターを運用していくチャレンジを進めていきたいと思っています。本当は楢葉町で進めたかったのですが、土地の面積の関係でいわきで土地を見つけることができたので、今、月に何回か通っています。

藤沢:いわきも避難先としては一番大きい街ですし、福島12市町村にいらっしゃった方もお住まいの場所ですから、とても繋がりのある場所ですね。

移住の仕事をしていて、つくづく感じますのは、お仕事が一番大事だなと。

こういう仕事があるんだ、こういう仕事をやってみたいっていうことで移住される方が多いんですね。

田中:田舎暮らしをしたいと思う方や、地元に戻りたいと思う方がたくさんいると思うんです。

コロナ禍で田舎暮らしに注目も集まっていますが、東京と同じとはいかないにしても、お金のことを考えなくて済むようにきちんと雇用を生み出すことが、人を呼ぶためにも一番かなと思います。

藤沢:仰る通りですね、とりわけ私が感じますのは、女性の方向けの仕事がまだまだ必要とされているなって思います。女性にとっても魅力的でやりがいのある仕事があれば、地元に戻りたいと感じる方も多いと思います。

【特別対談】03

ふくしま12市町村移住支援センターが制作協力!TVドラマ「姪のメイ」

藤沢:ところで田中さんは、福島12市町村の移住をテーマにしたドラマにご出演されているということで、どんなドラマなのか教えていただいてもよろしいでしょうか。

田中:はい。テレビ東京系「木ドラ24」にて9月7日より順次放送される「姪のメイ」というドラマになります。

このドラマは、姉夫婦を事故で亡くした主人公・小津(おづ)が姪っ子のメイを1ヶ月だけ引き取ることになり、福島へ仮移住をするヒューマンコメディーになっています。

ドラマ_姪のメイ
©︎「姪のメイ」製作委員会

原発事故を乗り越えて、移住者をサポートする「平田幸枝」を演じて

藤沢:田中さんは、このドラマでどんな役を演じられているのですか?

田中:震災を経験し、家族で富岡町でワイン農園をやっている「平田幸枝」という、移住者をつなぐコミュニティを運営している、主人公たちを一生懸命応援する役になっています。

藤沢:ご自身も被災されていながら、1ヶ月だけ移住する主人公を支える役なんですね。

もともと、田中さんは楢葉町など福島に強いご縁があったかと思いますが、ドラマの話が来た時は、どんなお気持ちでしたか?

田中:私がよく福島に来ているから「田中さんにしたら」とかそんなお話があったのかなと思ったんですが、、違うんですって。本当に偶然で、すごくびっくりして「福島に呼ばれたんだな」って思いました。

藤沢:私もドラマの話を聞いたあとで、田中美奈子さんが福島で支援活動などされていると聞いてすごく驚きまして、ありがたかったです。

田中:私の方こそすごく思い入れのある土地で、自分がよく行っている場所でドラマ撮影ができるなんてこんな幸せな事はないじゃないですか。

本当にありがたいお話でした。

【特別対談】04

福島の方のあたたかさをきちんと伝えられるように

藤沢:原発事故で苦労されている地域ですし、これまでのドラマや映画のとりあげられ方は、原発事故のことを描くものが多かったので、ポジティブなヒューマンコメディという形で取り上げるのは初めてだったと思います。

原発事故から12年経ちましたから、今、お住まいの方は前向きに過ごされていますので、今の状況をぜひ伝えたいなと思ったので、移住支援センターでもドラマ制作に関わらせていただきました。

福島の状況をよくご存知な中で平田幸枝さんを演じる上で、どんな風に感じながら演じられていましたか?

田中:福島の方のあたたかさがきちんと伝えられるように、前代未聞の災害を乗り越えられた強さを表現し、また強さがあったからこそ人を包み込む優しさに変えられている、そこを描けたら、という思いで取り組ませていただきました。

藤沢:移住された方が地域の方と馴染めないということが全国で起きがちです。

ただ、12市町村の皆さんは、一度、街に住めない状況になっていますので、自分たちも移住を経験されています。ですから、「初めての地域に来る大変さとか寂しさはよくわかっています」と仰られます。

田中:私の楢葉の友人も、最終的にはいわきに行きましたが、それ以外にも茨城に行ったり何回か転々とされていたそうです。皆さん、移住をする中でご不幸があったりご病気になられたり、そういったことを全部乗り越えられているお話を伺っていましたので、皆さんの思いをどうやったら出せるかを真剣に考えて演じました。

藤沢:ありがとうございます。

そうした背景を肌でわかっている方は、それほど多くはないかと思いますので、気持ちのこもったドラマになっているのではないかと、期待しています。

田中:ちょっとだけ方言も入れさせていただきましたので、旦那さん役のガレッジセールの川田さんとの会話シーンも楽しみにしていてください!

【特別対談】05

ふくしま12市町村の充実した支援制度

あたたかく、強い志を持ってチャレンジを続ける田中美奈子さん。

福島12市町村には、地元の皆さま・新しく移住される方、いつでも誰でも夢に向かってチャレンジできる場所が整い始めており、福島12市町村の支援制度は、全国トップクラス。

単身120万円・一世帯200万円の「移住支援金」や、最大400万円までの「起業支援金」など、移住者の新しいチャレンジを応援する制度が充実しています。

■福島12市町村の支援制度

■生活を安定させる住まいに関する支援制度

都会とは違う、福島で自身の夢を叶えたい、そんな方のサポート体制が福島12市町村にはあります。

移住者を受け入れるコミュニティを運営する平田幸枝のような方が、この街にはたくさん存在していますので、ご興味のある方は、ぜひ、一度お問い合わせください。


田中さんの福島への熱い思いのこもった演技が見られるドラマ「姪のメイ」もぜひお楽しみください!

■9月7日スタート!木ドラ24「姪のメイ」毎週木曜日深夜24時30分より放送

https://www.tv-tokyo.co.jp/meinomei/

「姪のメイ」の舞台 ふくしま12を知ろう! 

https://mirai-work.life/lp/meinomei/

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