キャンドル、草木染め、絹織り…ふくしま12市町村でしかできない「ものづくり教室」
作る過程も楽しめて、できあがった後は見たり使ったりして満足できるハンドメイド。福島12市町村には、自然の恵みや伝統文化・産業に触れられる、この地ならではのものづくりができる教室があります。手を動かして物を作ることが好き・自然の恵みを使ったものづくりがしてみたいという人は、ぜひ読み進めてみてください。
目次
【飯舘村】草花の美しさを楽しめるボタニカルキャンドル
飯舘村の「工房マートル」は、福島市から移住した大槻美友さんが運営するキャンドル工房です。キャンドルに美しく閉じ込められた草花は、飯舘村や福島県で育てられ新鮮なうちにドライ加工したもの。華やかな花々をあしらった「ボタニカルキャンドル」のワークショップは、ろうそくが溶けていくのと、花の色があせていく過程を両方楽しめる一番人気のメニューです。火を付けずに、季節の草花と香りとを楽しむ「アロマワックスサシェ」は、見た目と香りで部屋やクローゼットを彩ることができます。
「ボタニカルジェルランタン」は、ジェルワックスに花を浮かばせたデザイン。内側の空洞にティーライトを入れて半永久的に使える、おしゃれなランタンが仕上がります。
空き家をリノベーションした工房は、ドライフラワー特有の香りがふわりと漂う心地よい空間。「ここに来るのが癒し」と足しげく通う方もいるのだそう。キャンドル作りを通して季節を感じる体験は、工房マートルでしかできないもの。シーズンごとの楽しみにしてみてはいかがでしょうか。
■工房マートル
所在地:〒960-1721 福島県相馬郡飯舘村飯樋字原361
ワークショップ開催日:不定期。詳しくはInstagramをご確認ください。
予約方法:ボタニカルキャンドルは予約サイトから。他はInstagramのDMから。
体験料:ボタニカルキャンドル 3,080円~
アロマワックスサシェ 1,980円
ボタニカルジェルランタン 3,080円~
https://myrtlee.com/
※写真1~3枚目は工房マートル提供
大槻さんの移住ストーリーはこちらで読むことができます。https://mirai-work.life/magazine/3629/
【川俣町】伝統の絹織りや草木染めで布小物づくり
「川俣シルク」をはじめ、絹織物の名産地として発展してきた川俣町。道の駅かわまたに隣接する「川俣町おりもの展示館 からりこ館」では、絹糸を使って織機でマフラーやひざ掛けを織ったり、キンモクセイや町特産のアンスリウムで草木染めをしたりと、川俣町の文化や自然を感じられるものづくりが体験できます。
体験教室と個人体験の2種類があり、体験教室のメニューは季節によって変わります。個人体験は、織物は1人から、染物は3人から申し込みができます。試しに絹織り機を使ってみたいという人におすすめなのがコースター織り。30分ほどで世界に一つだけの作品が完成します。
機織りで作る小物は1日~数日でできるものがほとんどですが、半年ほどかけて着物を一枚仕立てられる「着尺」を作る本格的なコースも。草木染は植物の採取から始まるメニューもあり、次は何に挑戦してみよう?と意欲がかき立てられます。
絹織物や染物は、同じ絹糸や染料を使用しても色合いや形などで個性が出ます。この魅力に惹かれ、何度も参加する人もいるのだそう。家族や友人同士での参加も良いですが、ほとんどの方が一人参加なので一人での参加も安心です。個人体験と体験教室は、いずれも予約制。詳しくは下記のWebサイトをご覧ください。
■川俣町おりもの展示館 からりこ館
所在地:〒960-1406 福島県伊達郡川俣町大字鶴沢字東13-1
TEL:024-565-4889
開館時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
休館日:月曜(祝祭日の場合は翌日)12/29~1/3
体験料:体験教室は4,500円~、個人体験は500円~
https://www.town.kawamata.lg.jp/site/kanko-event/silkpia-karariko.html
※写真は川俣町提供
【葛尾村】村の日常を再編集するものづくり
葛尾村では、アーティストが短期移住して制作などを行う「アーティスト・イン・レジデンス」に力を入れています。その運営を担うKatsurao Collective(カツラオコレクティブ)は、拠点とする葛尾中学校でアーティストやクリエイターが見つけた「葛尾村の日常の中にある魅力」を形にするワークショップ「かつらお企画室」を開催しています。
これまでは、葛尾村の特産羊「メルティシープ」の毛をつむいで糸にしたり、山の恵みでスパイスミックスを作ったりと、葛尾村の自然や産業を活用したワークショップが開催されてきました。内容はアーティストによって変わります。年末に毎年開催される、村産の稲を使った正月飾りづくりも人気です。開催は不定期。ぜひInstagramなどのSNSをフォローしてワークショップの内容をチェックしてみてください。
■Katsurao Collective
所在地:〒979-1602 福島県双葉郡葛尾村落合菅ノ又14−2 (葛尾村立葛尾中学校校舎内)
https://katsurao-collective.com/katsurao-workshop
※写真はKatsurao Collective提供
【楢葉町・川内村】お部屋を華やかにするフラワーアレンジメント
川内村に移住して花屋「fuku farming flowers」を開業した福塚裕美子さんは、川内村の店舗と楢葉町「みんなの交流館 ならはCANvas(以下、CANvas)」でフラワーアレンジメント教室を開いています。CANvasでの教室は初心者向け。アレンジの見本をもとに、福塚さんの説明を聞きながら一緒に完成を目指します。
店舗での教室は、フラワーアレンジメントの経験者や、よりステップアップしていきたい人におすすめの内容。CANvasの内容とは花のグレードやボリュームで違いがあります。店舗は自然に囲まれたコンテナハウス。華やかな花が映えるグレーを基調とした店内はおしゃれで落ち着いた雰囲気で、贈り物や自宅に飾る花を求めて周辺地域からも多くの人が訪れます。
・みんなの交流館 ならはCANvas
開催日:第2,4木曜18:30~20:00(店舗の繁忙期と重なる場合は第1,3木曜になる場合もあり)
料金:1回3,850円
詳しくは毎月の交流館だより「CANvas LIFE」をご確認ください。
・店舗でのワークショップ
開催日時:第3木曜13:30~15:00
料金:1回6,000円
※申し込みはそれぞれ電話かメール、InstagramのDMから
■fuku farming flowers
所在地:〒979-1202 福島県双葉郡川内村下川内宮坂501-32
TEL:0240-25-8709
E-mail:fuku.farming.flowers@gmail.com
営業時間:10:00~16:00
定休日:日曜
https://fuku-farming-flowers.shopinfo.jp/
※写真は福塚さん提供
まとめ
このほかにも、楢葉町では2023年からクラフトマルシェが開かれており、2024年にはシェアハウスと食堂kashiwaya(楢葉町)で会員制の「クラフトクラブ」が企画されるなど、福島12市町村でもものづくりの輪が生まれつつあります。一人で参加すれば仲間ができて、仲間で参加すればもっと仲が深まるクラフト体験。ぜひ新しい趣味を見つけに足を運んでみてはいかがでしょうか。
取材:國井舞 文:五十嵐秋音