ドライブにぴったり!ふくしま12市町村の道の駅をチェック
名物グルメにお土産、アクティビティに、温泉!?
現地でしか楽しめない、市町村の個性が感じられる文化や遊びが集結した道の駅。福島12市町村には、浪江町、南相馬市、楢葉町、川俣町、飯舘村の5ヵ所にあります。ドライブの途中にちょっと立ち寄るも良し、旅の目的地にするも良し。旅行者だけでなく、まちの人々の生活を支える場にもなっていて、暮らしをちょっとのぞき見する気分で足を運んでみるのもおすすめです。
そんな福島12市町村の「道の駅」をご紹介します。
酒蔵、陶芸、遊び場、グルメ…丸一日楽しめる「道の駅なみえ」
「道の駅なみえ」は、2021年3月にオープンした12市町村内で最も新しい道の駅です。ここは言わば浪江町のテーマパーク。「なみえの技・なりわい館」には、地元の蔵元「鈴木酒造店」の醸造所「浪江蔵」や300年以上の歴史を誇る「大堀相馬焼」の展示販売コーナーがあって、酒造りの工程をガラス越しに見学したり陶芸体験をしたりと、浪江町の文化をじっくり知ることができます。
鈴木酒造店は津波で酒蔵の全てが流され、酒蔵があった場所はその後、避難指示区域に(2017年3月に解除)。避難先の山形県長井市で酒造りを続け、そして道の駅オープンとともに浪江町での酒造りを再開しました。併設するショップ&バー「SakeKuraゆい」では、代表銘柄「磐城壽(いわきことぶき)」などが味わえるほか、おつまみの販売も。甘酒を使ったスイーツもあり、子どもやドライバーも楽しめます。
フードコートは、道の駅では珍しい座敷の談話コーナーがあるため、家族連れにとっても快適です。B級ご当地グルメの祭典、B-1グランプリで大賞になったこともある「なみえ焼きそば」は、極太麺とシャキシャキもやしにこってりとしたオリジナルソースが絡む、くせになる逸品。町内の請戸漁港で水揚げされたシラスをたっぷりとご飯に乗せたしらす丼は、釜揚げしらすのふっくらとした食感を思う存分味わえます。
館内には、福島12市町村内唯一の「無印良品」も。道の駅初出店とあって、オープン時には大きな話題となりました。
福島県応援ポケモン、ラッキーをメインモチーフにした「ラッキー公園」のすべり台や、屋内キッズルームも子どもの遊び場として必見です。
■道の駅なみえ
住所:〒979-1513 浪江町大字幾世橋字知命寺60
営業時間:10:00〜18:00
定休日:毎月最終水曜
※「なみえの技・なりわい館」大堀相馬焼コーナーのみ 10:00~17:00営業、毎週火・水曜定休
https://michinoeki-namie.jp/
ソウルフードが勢ぞろい♪「道の駅南相馬」
福島県沿岸部を南北に走る国道6号沿いにある「道の駅南相馬」。新鮮な野菜や地元産品がそろう物産館は市民の買い物スポットにもなっており、南相馬を代表する2つのソウルフードが大人気!
まずご紹介するのは、地元で60年以上愛され続けている原町製パンの「よつわりパン」。ふわっとしたパンの中にこしあん、ホイップクリーム、砂糖漬けチェリーが詰まった、懐かしさを感じる一品です。
もう一つのソウルフードは、こちらも地元で知らない人はいないという松永牛乳の「アイスまんじゅう」。生乳を50%以上使用し県産牛乳の甘さがたっぷり感じられるミルクアイスで、しっとりとした練りあんを包んでいます。素朴な味わいが魅力です。
道の駅の奥には、広大な敷地に子どもの遊び場が広がります。全面人工芝の屋内遊び場「わんぱくキッズ広場」、水遊びできる「じゃぶじゃぶ池」(夏季限定)、大型遊具のある高見公園が隣接しており、天候を問わず足を運べる子ども連れの心強い味方です。
■道の駅南相馬
住所:〒975-0033 南相馬市原町区高見町2丁目30-1
営業時間:物産館9:00~18:00/レストラン11:00~15:30(Lo.15:00)
http://www.nomaoinosato.co.jp/
温泉でゆっくりリラックス。「道の駅ならは」
国道6号越しに遠く太平洋を望む高台に位置する「道の駅ならは」。近くで湧き出た温泉を引いた日帰り入浴施設が併設されていて、ドライブで疲れた体を気軽にリフレッシュできる充実の休憩スポットです。
フードコートは、楢葉町に伝わる家庭料理「マミーすいとん」が味わえる数少ないお店。その名付け親は、なんと元サッカー日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏。楢葉町と広野町にまたがる「Jヴィレッジ」に合宿で訪れた際、「故郷のおばあちゃんの味だ!」と感激して名付けたものなのだとか。もちっとしたすいとんと、しょうゆベースのだし汁が優しい人気メニューです。
楢葉町はその温暖な気候から”ゆず”が名産で、マミーすいとん定食にも「ゆずコロッケ」が付いてきます。口に入れる前からゆずの爽やかな香りが漂い、ホクホクとしたジャガイモとゆずの優しい苦みが合わさった絶妙な味わい。記憶に残る味になりそうです。ソースではなくお醤油で食べるのがおすすめです。物産館ではゆずにちなんだお土産品も数多く取り扱っています。
■道の駅ならは
住所:〒979-0513 楢葉町大字山田岡字大堤入22-1
営業時間:フードコート11:00~20:00(Lo.19:30)/温泉10:00~21:00(最終受付20:30)/物産館9:00~18:00
https://www.michinoeki-naraha.jp/
数ある名産品を知れる「道の駅かわまた」
古くから福井、群馬と並ぶ絹織物の産地として栄えてきた「絹の里」川俣町。「道の駅かわまた」は、その川俣シルクのほか、川俣シャモ、アンスリウムなど、町で生まれた多くの名産品が一堂に集まり、その歴史を知ることができる施設です。中心となる「かわまた銘品館シルクピア」では、それらの特産品を販売しています。蚕の生産や織物の歴史、伝統技術などを紹介する「おりもの展示館」、草木染や機織りの体験ができる「からりこ館」、農産物直売所も併設しています。
レストラン「Shamoll(シャモール)」では、川俣シャモを思う存分味わえる親子丼が人気。ふわふわとした胸肉とハリのあるモモ肉をたっぷりの有精卵でとじた満足感のあるメニューです。
■道の駅かわまた
住所:〒960-1406 川俣町鶴沢東13-1
営業時間:シルクピア9:00~17:00/おりもの展示館・からりこ館9:00~17:00(最終入館16:30)/レストラン10:00~15:00(ランチ14:00まで)
休館日:年末年始。おりもの展示館・からりこ館は毎週月曜(祝祭日の場合は翌日)、レストランは毎週火曜(月曜が祝日の場合は火曜営業・水曜休業となる場合もあります)
https://www.town.kawamata.lg.jp/site/kanko-event/silkpia-shisetsuannai.html
花であふれた癒しスポット「いいたて村の道の駅までい館」
「いいたて村の道の駅までい館」の「までい」とは、「大切に」「丁寧に」「じっくりと」「心をこめて」「手間暇を惜しまず」という意味で使われてきた方言です。正面入り口をくぐり見上げると、天井から吊るされたたくさんの花々が。飯舘村の基幹産業は花の生産で、これらはすべて生花。直売所では、村で育てられた切り花が年間を通して30種類以上販売されています。
レストランで使用される食材の多くも地産品です。券売機の脇には、生産者の名前が書かれたホワイトボードが立てられています。黒毛和牛「飯舘牛」の復活を願い畜産農家を応援するメニューからも、産業の担い手一人ひとりをまでい(大切)にしていることがうかがえます。紹介されている農産物のほとんどが直売所で売られているので、気に入った食材をお土産に購入するのも楽しみの一つですね。
■いいたて村の道の駅までい館
住所:〒960-1802 飯舘村深谷字深谷前12-1
営業時間:3月~10月 9:30〜18:00(11月〜2月は17:00まで)
定休日:毎週水曜、年末年始(12月31日〜1月2日)
https://madeikan.com/
まとめ
まちの名産品や文化が集まった道の駅では、福島12市町村を知ることも、また地域の人々の暮らしやなりわいに触れることもできるおすすめのスポットです。ぜひ、ドライブがてら足を運んでみて下さい。
※内容は取材当時のものです。
文・写真:五十嵐秋音