自然体で働き、地元の素材でクラフトビールをつくる「株式会社ホップジャパン」

(左)本間 誠 さん
代表取締役
1965年生まれ、山形県出身。前職で休職制度を利用し、アメリカ・シアトルで2年間生活を送る。2015年に株式会社ホップジャパンを創業、2020年にホップの栽培から手がけるクラフトビール醸造所「ホップガーデンブルワリー」を田村市に開設。
(右)村主 渉さん
醸造士
1996年生まれ、宮城県出身。静岡県の食品メーカー勤務を経て、2023年にホップジャパンへ入社。大学時代に微生物の研究をしていた経験を活かし、未経験から醸造士に。2025年には自身で企画したクラフトビールを発売。
阿武隈高地にぐるりと囲まれた田村市にある、クラフトビール醸造所「ホップガーデンブルワリー」。運営する株式会社ホップジャパンは、自家栽培する生ホップを使用したクラフトビールを軸に地域や産業との循環を生み出しています。働いているのは「ここでビールをつくりたい」と集まった人々。クオリティを追求しながらもリラックスした様子で働く社員の方に、職場の様子や大切にしていることを聞きました。
Q1.フレックスタイム制、服装の自由など、ライフスタイルに合わせて働ける環境づくりに取り組む想いを教えてください。
本間さん:
アメリカのシアトルへ留学したときに出会った人々の、働く姿やライフスタイルが影響しています。
当時、日本文化が好きなアメリカ人の集まりに参加していて、週に1度ぐらいブルワリーパブ(※)に通っていました。シアトルでは、ブルワリーパブがコンビニのように身近なんです。そこで、誰かが思い立ったように「明後日、ハイキングに行こう」と声をかけると、平日にもかかわらず20〜30人が参加することもありました。
こんなにも人が集まるのかと驚き、仕事がある日にどうして参加できるのかと尋ねると、「朝5時から働いて、10時には終わらせてきたよ」と明るく返答されたんです。定時いっぱい働くのではなく、やるべきことを終えたら自由に時間を使う。そんな姿がいいなと思いました。時間に縛られずに働くイメージの原体験です。
※ブルワリーパブ・・・店内に小規模なビール醸造施設(ブルワリー)を併設したパブやレストラン

Q2.働きやすい環境づくりのために、意識していることを教えてください。
本間さん:
フラットな関係性で働けることを大切にしています。創業したのは自分ですが、トップダウンで指示を出すのではなく、みんなが意見を言いやすい雰囲気づくりを心がけています。職場の悩みは約8割が人間関係ともいわれるので、そういったストレスをつくらないようにするのも意識していますね。自分より若い社員ばかりなので、やわらかい言葉遣いをすることも念頭に置いています。
商品開発に関することは、現場にいるみんなで話し合って進めてくれるので信頼して任せています。創業間もない頃は、ビールの味わいはもちろん、業務の進捗やラベルのデザインと細かく口を出していたんです。でも、時間が経つにつれ、クラフトビールを軸に地域の資源を循環させていくという会社の想いが、社員にも少しずつ浸透していきました。地元の素材を使っておいしいビールをつくってくれるという信頼も育ち、社員の感覚を信じて任せた方が、個々の能力も発揮されて良いものができると考え方も変化しました。
村主さん:
現場の課題やプロジェクトの進め方について、主体的に相談する人が多いと感じています。困ったことがあったり改善点を見つけたら、みんなで話し合いをするのが当たり前の雰囲気です。

Q3. 1日の働き方について教えてください。
村主さん:
10時から15時ごろまでの工場作業が多く発生する時間帯は多くの社員が働いていますが、働く時間は人それぞれです。私は朝が苦手で少し遅めに出社、私の上司は朝型で早く出社、その分帰る時間で調整しています。その日に、やるべきことをやっていれば周りから何も言われることはなく、のびのびと働けています。
ブルワリーがディスクゴルフ場内にあるので、休憩中、気分転換に投げに行くこともあります。一人が投げ始めると連れだって一緒に遊び始めることも多く、息抜きがしやすいですね。

Q4.ホップジャパンへ入社してから嬉しかったことや印象に残っているできごとを教えてください。
村主さん:
商品の企画・開発から製造、販売まで、全部に関われるのがとても面白く楽しいです。私たちの商品づくりは、会社からターゲットや味の方向性を示されるのではなく、「あなたがつくりたいビールをつくってください」と任されるところから始まります。商品開発に挑戦するタイミングも自分で決めることができます。
私の場合は入社して1年半経った頃、上司から「いつ自分のビールをつくるんだ?」と声をかけてもらったことがきっかけで挑戦しました。ビールの味やラベルなど自由に決められる難しさはあった一方で、自分が本当に納得できる商品がつくれたので、任せてもらえて良かったし、やりがいを感じました。
夏はビアフェスなどのイベントに出店する機会もあり、スタッフ全員でビールの販売にも行きます。自分が作ったビールを注いで、魅力を伝えながらお客様に手渡す。そこでお客さまから直接「おいしい」と言葉をいただいた時は、最高に嬉しいですよ。

引っ越しの際に手厚いサポートをいただけたのも助かりました。借り上げの社宅があるため家探しの手間はかからず、引っ越し費用も補助してもらいました。知り合いが誰もいない中で、引っ越し当日は社長や社員さんが手伝いにきてくれたのは心強かったです。

Q5.田村市の魅力や、移住を検討する方へメッセージをお願いします。
本間さん:
田村市には、30分ほどで頂上まで登れる1000メートル前後の山が連なっています。ハイキングをするように気軽に登れるうえに、眺望が素晴らしい。見渡すだけで気分が変わる、そんな環境はなかなかありません。
村主さん:
移住する場合は、現地へ一度足を運ぶことをおすすめします。私は東北出身なので、自然豊かないわゆる田舎町の生活にも不自由はありませんが、首都圏など都会の生活に慣れていると大きなギャップを感じるかもしれません。
採用いただく前に、職場訪問もできるとより安心して移住できると思います。私はWeb面接で内定をいただいたのですが、一緒に働くことになる上司や同僚、職場の雰囲気も知りたいなと思って、ブルワリーを訪ねました。その時にフレンドリーに迎えていただき、直接話もできたことで、ここなら楽しく働けそうだと肌で感じられてホッとしましたね。

Q6.最後に、これから目指したい職場の姿を教えてください。
本間さん:
組織として拡大しながら、制度面はもう少し整理したいです。社員にできるだけストレスがかからないように、今ある自由さを維持しながら進んでいくのが理想的。経営的な視点も必要なので試行錯誤を続けています。社員の皆さんに自然体でのびのびと働いてもらうことが、結果として会社の成長につながる。そんな組織であり続けたいですね。
【基本情報】
企業名:株式会社ホップジャパン
代表者: 代表取締役 本間 誠
事業内容:自社クラフトビールの醸造・販売、国産ホップの栽培・成分分析・流通・販売、およびコンサル業務
所在地:〒963-4702 福島県田村市都路町岩井沢北向185-6 グリーンパーク都路内
URL:https://hopjapan.com/
【未来ワークふくしま内会社紹介・求人ページ】
https://arwrk.net/recruit/hopjapan
(2026年2月取材)
(インタビュアー:蒔田志保 撮影:古関マナミ)