病棟看護師でもワークライフバランスがとれた働き方がかなえられる済生会川俣病院

川俣町にある済生会川俣病院(以下、川俣病院)は、50年を越える長きにわたり近隣エリアを含めた地域医療を支える中核病院です。現在、医療職の中でも特に看護師の人材を募集しています。東日本大震災後、職員が働きやすい環境の整備に取り組んできたことで、近年はワークライフバランスを求めて転職してくる人が多いといいます。川俣町中心部にある病院にお邪魔して、現場の看護師と採用担当者にお話を聞いてきました。
仕事とプライベートが両立できる職場
8つの診療科で入院90床、人工透析15床を有する川俣病院。「うちは地方の小さな病院ですが、医療の質は決して低くはありません」と話すのは、総務人事課長補佐の鈴木さんです。「福島県立医科大学付属病院から医師の派遣を受けており、情報交換することにより時代のニーズに則した医療を提供しているほか、超急性期病院への転送などの判断は適切に対応しています。臨床研修医も年間6~7人ほど受け入れているので、一緒に働く職員は刺激にも、学びにもなります」

川俣病院では、東日本大震災後に県看護協会のワークライフバランス推進事業に手を挙げたことをきっかけに、10年以上院内全体で業務改善に取り組んできました。時間外労働が削減され、有休消化率も年々上昇しているようです。看護職はほとんどが他の医療機関からの転職で、他院での豊富な経験を活かし日々業務にあたっています。
川俣病院の職場環境に惹かれて入職した職員の一人、髙橋さんは地域包括ケア病棟で勤務する看護師です。以前は県内の別の病院の急性期病棟で経験を積んできましたが、時間に追われ、タイムリーに患者さんの思いに応えられないことへのモヤモヤを抱えていたといいます。
「仕事は楽しく充実していましたが、結婚をして自分以外に大切なものができて、仕事中心の生活は難しいと思ったんです。患者さん一人ひとりと向き合えて、仕事とプライベートが両立できる職場を探した時、勧められたのが川俣病院でした」

以前の職場は定時が17時半でも、19時に帰れたらいいほう。23時に帰宅する日もあったといいます。現在はそこまで遅くなることはめったにないといいます。また、通常は深夜に交代がある三交代勤務ですが、以前の職場で二交代で働いてきたことや、車で片道40分の距離を通勤していることから、自ら希望して準夜帯と深夜帯をあわせた二交代の勤務にしているのだそう。休暇の希望が通らなかったことはなく、有休も取れているとのこと。休憩時間も、しっかり1時間とれるようになったといいます。
ポイントは「7対3の法則」
病棟看護師というと、髙橋さんの前職のようにハードに仕事をこなしている印象を受けます。川俣病院では、誰かが休んでも他の人がフォローできる体制をつくることを徹底しているため、仕事とプライベートのメリハリができるのだそう。鈴木さんいわく、ポイントは「7対3の法則」です。
「一つの業務につき、メインで担当する人は7割、ほかの3割は別の人がサポートに入ることにしているんです。そうすると、誰に何があっても必ずカバーできる。現場の医療職も事務職も、基本的にその人がいないとわからない仕事はつくらないようにしています。5年おきぐらいで配置転換もして、ジェネラリストを育成することで何かがあった時にカバーし合える体制ができており、有休も取りやすい環境になっています」
現場の髙橋さんも「一人で仕事をしていない、というのはすごく大きいと思います」と話します。「チーム内で仕事が偏ってしまうことはどうしてもありますが、それを理解しているからこそフォローしあって、チームみんなで仕事をしています。だから、誰かだけ仕事が終わらないとかはないですし、効率よく仕事が進んでいると思います。
お子さんがいる方が急遽休みになっても、周りは『家族も大事だから』って笑顔で送り出せるんです。それって理想的なんですけど、実際は難しい現場も多いと思います。今後自分が子育てをするようになっても、不安なく仕事に復帰できるだろうなと思っています」
まめに声をかけてくれるから気軽に相談できる
川俣病院の大きな特長は、「川俣地域ケアセンター」として、訪問看護ステーションと地域包括支援センターを併設、その他診療所、老健・特養、養護施設など11事業所で医療、介護、福祉を担っていること。鈴木さんは、「自分が関わった患者さんがどうなったのか、長く経過を見ることができます。
このことは患者さんにとっても安心ですし、働く職員にとっては働きがいにつながっていると思います」と話します。
こうした体制は、髙橋さんが求めていた患者さん一人ひとりに寄り沿える環境につながります。
髙橋さんの勤務する地域包括ケア病棟は急性期の患者さんを受け入れるだけでなく、病状が安定した患者さんに対して自宅や介護施設などへの復帰を支援する病棟です。髙橋さんいわく、「患者さんらしさを引き出していく場所」。退院調整や自宅に帰るまでの準備期間としてリハビリを進めながら、自宅で不安なく生活できるようなサービスを組んだり、終末期の患者さんと人生の最期をどう過ごしたいか一緒に考えているのだそうです。

前職でも退院調整の業務はあったといいますが、急性期病棟だったこともあり、回転率を上げるためにある程度治ったら医療ソーシャルワーカーに任せてとりあえず帰ってもらう、といったことが多かったそうです。「退院調整に関しては、前職で7できていたと思っていたことが、実は1もできていなかったと感じました」と髙橋さん。「ここではまず、退院にあたり不安なことを本人や家族と相談して、それを補うためには何が必要かをいろんな職種の方と話し合います。退院後も生活は続きます。困りごとに寄り沿わないといけないという意識はすごく高まりました」
転職前とは業務内容がガラッと変わった髙橋さんですが、先輩のきめ細やかなフォローでストレスなく新しい職場になじめたと振り返ります。
「すごくこまめに声をかけていただけるんですよ。なんかモヤモヤするけど、はっきりしてないから相談できないときってどうしてもあるじゃないですか。それを察知して声をかけてくれる。考えがまとまっていなくても、聞いてもらっているうちにどうすべきか見えてきたりもするんです。

中途採用の先輩が多いので、相談したらいろんな答えが返ってくるのは私にとってすごくありがたいことでした。転職したての頃、不安はもちろんありましたが、いろんな方がサポートしてくださったのですぐに解消されていったように思います」
エリア制限のない家賃補助制度も
川俣病院では、福利厚生として移住者にもうれしい家賃補助を用意しています。家賃や世帯状況によって変わりますが2万7,000円を上限に補助がつきます。居住範囲は決まっていないので、郡山市や三春町から通っている人もいますし、福島12市町村内であれば、飯舘村や田村市、葛尾村が通勤範囲になりそうです。このほか、准看護師が看護師資格取得を目指すための奨学金制度や、認定看護師などの資格取得費用の支援もあるとのこと。
最後に、鈴木さんと採用を担当する星野さんに求める人物像についてうかがいました。
鈴木さん「まず病気っていうだけで心がしゅんとなっちゃうし、入院して嬉しいって人はいないと思うんです。身体的な医療ケアもそうですがメンタル的なケアも大事です。いくら仕事ができてもうまくコミュニケーションが取れないと難しい。だから、相手を思いやる気持ちがあって礼儀のある人、自分ができることにベストを尽くす人にぜひ来ていただきたいと思います」
星野さん「職員と協調性を持って、お互いに尊重し合いながら仕事ができる方に来ていただきたいです。患者さんに対しては、優しく心から言葉を掛けられるような方がいいと思います。同じことを話しても、話し方ひとつで伝わり方は全然違うと思います。仲間や患者さんへの優しい気持ちを伝えられるような接し方ができる方こそ、この病院で活躍できるのではないでしょうか」

川俣町では、県外から移住して医療職に就く人が、単身なら最大120万円、2人以上なら最大200万円の移住支援金を受けることができます。福島12市町村移住支援金とも併用することもできるので、あわせて最大400万円の移住支援金が受け取れます。
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福島12市町村に移住を考えていて、看護師としてワークライフバランスがとれた暮らしをしたいと考えている人は、ぜひ川俣病院の職場見学に足を運んでみてください。
済生会川俣病院の求人情報はこちら。
>https://arwrk.net/recruit/fukushima-saiseikai
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■済生会川俣病院(社会福祉法人恩賜財団 済生会支部 福島県済生会)
1970年に開院。全国40都道府県に施設がある社会福祉法人恩賜財団済生会グループに属す。8つの診療科で入院90床、人工透析15床を有する地域の中核病院。職員数は165名、看護師数は62人。
所在地:〒960-1406 福島県伊達郡川俣町鶴沢川端2番地4
TEL:024-566-2323
休診日:第1・第3土曜、日曜祝祭日、12月30日~1月3日
HP:https://kawamata.saiseikai.or.jp/
※所属や内容は取材当時のものです。最新の求人情報は公式ホームページの採用情報をご確認いただくか、直接お問い合わせください。
写真・文:五十嵐秋音