「ふくしま12市町村移住支援交通費等補助金」は移住を考え始めた人におすすめ!
ふくしま12市町村移住支援交通費等補助金(以下、交通費等補助金)は、福島12市町村に移住を検討する人のために、現地までの交通費や宿泊費を補助する制度です。1年度につき交通費補助は5回、宿泊費補助は5泊分まで利用できるので、「移住を考えているけど、どこに行くかはまだ考え中…」「福島に移住するかわからないけど、見ておきたいかも」といった移住を考え始めたばかりの人にこそおすすめです。
ふくしま12市町村移住支援交通費等補助金について詳しくはこちらをご覧ください。
>https://mirai-work.life/support/transportation/
目次
・複数回使えるので気軽に現地へ足を運べる!
・訪問場所はセンターに相談してOK
・計画前に覚えておきたいこと
・おすすめは「家族みんなで」「季節を変えて」
複数回使えるので気軽に現地へ足を運べる!
移住を検討するために現地を訪問する際の交通費や宿泊費を補助している自治体は数多くあります。しかし、その多くは支給回数が1回のみ。一方で、福島12市町村への交通費等補助金は、1年度につき交通費5回分、宿泊費5泊分の補助を受けられるため、最初の数回は気軽に訪れてみて、本格的に移住を検討し始めたら住まい探しや仕事の面接に、といった活用ができます。
補助額は、出発地の都道府県からの「基準額」と実際にかかった往復の交通費の低いほうの金額になります。例えば、東京駅から特急ひたちで浪江駅に向かう場合、交通費は往復1万5,000円ほど。東京都発着の基準額は8,000円ですので、おおよそ半額の補助を受けることができます。宿泊費は1泊につき半額、最大2,500円まで補助が出ます。
支給を受けるためにはまず、どこに訪問するか事前に計画を立てる必要があります。注目すべき点は、一度の訪問につき必ず訪問しなければならない場所が2つあること。一つ目は移住を検討している市町村等の「役場(役所)や公的な移住相談窓口」、二つ目は就職先や住宅を相談する不動産会社などの「民間事業者等」です。訪問場所が決まったら、土・日曜、祝日を除く出発の10営業日前までに申請を行い、ふくしま12市町村移住支援センターの職員とオンラインで面談を行ったうえで現地に向かいます。
訪問場所はセンターに相談してOK
「まだ福島12市町村のどのエリアに行けばいいのか悩んでいる」「どんな移住をしたいのかイメージがついていない」という人にとっては、事前に訪問場所を決めて計画を立てることにハードルを感じるかもしれません。そうした場合は、ぜひふくしま12市町村移住支援センター(以下、センター)に相談してみましょう。
今回は、普段から移住相談や交通費等補助金の面談を担当している市町村支援課の金子昭弘(かねこあきひろ)さんと小口喜久(おぐちよしひさ)さんに話を聞きました。「試しに訪問してみたいけど、どこに行けばいいのかわからないという問い合わせは多いんです」と二人は口をそろえます。
福島12市町村は東京都のおよそ1.5倍の面積があり、一口に福島12市町村といっても生活環境は市町村ごとにさまざま。「自然が豊かなところが良い、海の近くに住みたい、子供にのびのびと生活させたいなど、移住先の希望やイメージを聞かせてください」と小口さんは話します。交通費等補助金の支給要件の一つに「移住を検討している市町村等」への訪問がありますが、市町村が絞れていない場合は福島12市町村全体の移住支援を行っている当センターへの訪問も歓迎しています。
もう一つ訪問しなければならない「民間事業者等」も悩みどころ。支給要件には、訪問場所で会った人の名刺の提出があります。移住を決意した人は、就職先での面接や不動産会社で賃貸契約を行うことが多いですが、まだ移住の意思がはっきりしていない段階では悩むはず。そうした場合は、訪問当日に移住相談窓口で紹介された不動産会社や空き家などに訪問しても構いません。学校への訪問も対象になりますので、お子さんがいる方は、ご自身でアポイントを取ったうえで見学するのもおすすめです。
いつ、どこに訪問するか計画ができたら、センターに申請して10~20分程度のオンライン面談を行います。金子さんは「面談では、申請時に困ることがないように、センターの各職員が申請者に寄り添った対応を心掛けています。面談の内容は、主に申請内容の確認や申請の注意点、今後の手続きについての案内です。移住の意思が高くないから支給しないということもないので、安心してください」と話します。
計画前に覚えておきたいこと
支給を受けるにはいくつか注意点があります。つまずきがちな、特に気を付けてもらいたいポイントを教えてもらいました。
1 訪問先の休業日に注意
市町村の移住相談窓口は、土曜日は営業している場合が多いものの、日曜日はほとんどが休業しています。平日が休業日の窓口もあるので、営業日を確認したうえで計画を立て予約しておくようにしましょう。
2 寄り道はNG
補助金の対象になるのは、あくまで移住検討を目的とした自宅から目的地までの合理的な経路を利用した交通費のみです。帰省や観光など、移住に関する活動以外の目的で寄り道をした場合は補助金の対象外になりますし、交通費の一部を申請することもできません。例えば、東京駅から盛岡駅に寄って南相馬市へ、といったルートを選択した場合はすべて対象外になってしまいます。
3 福島12市町村に住むのであれば、12市町村外の不動産業者や企業の訪問も対象
不動産業者については、田村市の物件を郡山市の会社が、広野町や楢葉町などの物件をいわき市の会社が管理していることが多くあります。そのため、福島12市町村にある住宅の契約のために12市町村外の市町村を訪問した場合も支給を受けられるようになっています。例えば、広野町に住む予定で、隣のいわき市の会社の就職面接を受けに行く場合、交通費の支給対象になります。
4 パックツアー・移住体験ツアーは対象外
バスや鉄道、航空券と宿泊施設がセットになったパックツアーを利用して福島12市町村を訪れた場合、補助金の対象外になります。また、福島12市町村移住支援センターや福島12市町村の各自治体が主催する移住体験ツアーへの参加が含まれる場合も対象外。福島12市町村の中には独自に交通費や宿泊費の補助制度を設けている自治体もありますが、交通費等補助金の補助と併用はできません。
5 滞在中は毎日移住に向けた活動を行うこと
一回の訪問につき、必須の2ヵ所に足を運べば何泊滞在しても良いですが、滞在中は移住に向けた活動を毎日行い、帰宅後に活動内容の報告が必要です。スーパーマーケットに立ち寄って買い物環境を確認したり、子どもの遊び場を見に行ったり、移住者交流会に参加してみるのも良いでしょう。
おすすめは「家族みんなで」「季節を変えて」
交通費等補助金は複数回利用できるため、うまく活用することで経済的な負担を抑えながら移住を検討することができます。「移住って、やっぱり不安も多いじゃないですか。生活インフラや住まいのことなど、事前に訪問して良いところも悪いところを見ていただくことが、満足のいく移住につながります。せっかく5回も使えるので、ぜひいろいろな場所に行ってみてほしいです」と小口さんは話します。
「訪問の際は、一緒に移住する家族みんなで足を運ぶのがおすすめです。18歳以下の子どもは支給対象になりませんが、家族にとっても良い移住をかなえるためにはぜひ同じ目線で現地を見ておいてほしいですね」
また、金子さんは季節を変えて訪問することもすすめます。「福島12市町村の中でも、内陸は冬の寒さが厳しい地域もあります。夏と冬の環境の違いを感じていただけると、新しい気づきや発見があるかもしれません」
二人とも、移住相談を対応した方が実際に移住し、再会できた時が「相談員冥利に尽きる瞬間」といいます。「福島12市町村は復興に取り組んでいる最中ですが、人々がいきいき生活している地域です。その姿をぜひ見てもらいたいです」と小口さん。交通費等補助金も含め移住に関してわからないことがある人は、ぜひふくしま12市町村移住支援センターにご相談ください。
ふくしま12市町村移住支援センターでは、オンライン相談として「移住相談フォームからの相談」、「オンライン面談」、「メール相談」および「電話相談」を行っています。詳しくはこちらをご覧ください。
>https://mirai-work.life/concierge/
※所属や内容は公開当時のものです
文・写真:五十嵐秋音