移住に興味がわいたら、お気軽にどうぞ。【福が満開、福しま暮らし情報センター】ってどんなところ？
「田舎暮らしって憧れる」「Uターンするのもいいな」「福島県っていいところだな」…そんなささいな思いつきが、移住のきっかけになるかもしれません。
ただ、いきなり「移住」となると、何から手をつけていいのかわからなくなってしまいます。そんな方のために、福島県は東京に移住相談窓口を設置しています。
どんなふうに相談に乗ってもらえるのか、どんな人が来ているのか、相談員のみなさんに伺ってきました。
窓口、メール、オンライン…好きな方法で気軽に相談を
東京・有楽町にある移住相談窓口「福が満開、福しま暮らし情報センター」。現在、福島県出身の3名の方が移住相談員を務めています。
「ここ、『ふるさと回帰支援センター』には全国各地の移住相談窓口がありますが、福島県は全国に先駆けて窓口を設置したんですよ。ここ数年は移住促進にますます力を入れていて、セミナーも何度も開催しています」と郡山市出身の越路さん。
移住を考えるにあたって欠かせないのが、住むところと仕事です。ここには移住相談員のほか、キャリアコンサルタントの資格を持った就職相談員も2名在籍していて、移住後の暮らしについてあらゆる面から相談することができます。
「気軽に相談してほしいですね」と話すのは、南相馬市出身の佐藤さんです。「窓口までわざわざ足を運んだり、面と向かって相談をしたりすることに抵抗のある方もいらっしゃるでしょう。今は、いろいろなツールがありますから。電話でも、メールでも、オンライン面談でも、お好きな形でご相談いただけます。」
富岡町出身の新妻さんは、「本当にいろいろな方がいらっしゃるんですよ」と教えてくださいました。「Uターンや、何度も通っているうちに好きになったという福島に縁のある方もいれば、『なんとなく田舎に興味がある』という福島に行ったことのない方が相談にいらっしゃることも珍しくありません。『こんな相談をしてもいいのかな…』とおっしゃる方もいるんですが、一からお話を聞いていくのが相談員の役目です。気兼ねなく、なんでも話してくださいね」
「前に進みたい」という気持ちが強いエリア
ここからは、浜通りを中心とした福島12市町村についてお話を伺っていきます。佐藤さんと新妻さんは、このエリアのご出身です。お2人が声を揃えて言うのは、「スピード感」でした。
「田舎暮らしというと、ゆっくり、スローなイメージがあると思いますが、12市町村はすごいスピードで変化していると思います。どんどん次のステージへ向かいたい、前に進みたい、という前向きさを感じます。新しいことにチャレンジしたいという人にはぴったりだと思います」と新妻さん。
12市町村は、地震・津波・原発事故によって大きな被害を受けた地域です。しかし、「『昔に戻ろう』としているわけではないんです」と佐藤さん。「今から、新しい地域をつくろうとしている。情熱を持っている人が多いから、周りからたくさんの刺激を受けられると思います。そんなふうに、何かに情熱を注ぎたいという人なら生き生きと過ごせるんじゃないでしょうか」
12市町村への移住を決めた人たちは、「よく訪れていた福島の役に立ちたい」「いつか農家民宿を開くのが夢」など、さまざまな動機があったそうです。最近では移住までのスピードが早く、相談に来てから半年で移り住む人も珍しくないとか。
まずは足を運んで、地域の空気を感じて
越路さんは、12市町村が開催するセミナーをいくつも見てきました。「情報発信に力を入れている地域なので、県外でも地域を知る方法はたくさんあります。ただ、まずは足を運んでみてください。自分の目で見て、耳で聞いて、地元のみなさんと話してみて、そうでなければ、どんな場所なのかはわかりません。下見に行く交通・宿泊費補助の申請などは私たちがお手伝いできますから、ぜひ現地に行ってみてくださいね」
「いわゆる“田舎暮らし”というイメージとは少し違う場所だと感じています。これからどんどん変わっていく地域なので、その変化を一緒に楽しむことのできる方が増えたらいいですね」と新妻さん。
窓口には、「この町がいい！」という方も、「どの町がいいでしょうか？」という方も、本当にさまざまな人が相談に訪れるそうです。今すぐ移住！というわけでなくても、福島のことが少し気になっているのなら、一度相談員のみなさんに会いに行ってみてはいかがでしょうか。
■ふくしまぐらし相談センター
〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館8階 ふるさと回帰支援センター内
TEL：03-6551-2989／FAX：03-6273-4404
E-mail：fukushima@furusatokaiki.net
受付時間：火曜日～日曜日 10:00～18:00
休館日：月曜日・祝日・お盆期間・年末年始
予約優先制（対面相談は事前予約制）
https://www.furusatokaiki.net/consultation_counter/hokkaido-tohoku/fukushima/
※所属や内容、支援制度は取材当時のものです。最新の支援制度については各自治体のホームページをご確認いただくか移住相談窓口にお問い合わせください。
取材・文：藪内 久美子 撮影：三浦 えり