【企業紹介】mRNA医薬品のゴールドラッシュにパワーツールを

2022年12月16日
  • 事業紹介
株式会社ARCALIS(アルカリス) 取締役COO
河野悠介 氏
東京農工大学大学院修士修了。化学メーカーを経て、JITSUBO(株)を共同で創業、その後、ヘルスケア企業のLuidaBio合同会社、ファイメクス(株)を立ち上げる。2020年10月より株式会社ARCALIS創業準備に加わり、現在同社取締役COO。

近年の感染症拡大で一気に実用化が進んだメッセンジャーRNA(mRNA)医薬品開発は業界のゴールドラッシュ。
しかし、ベンチャーにとって大量生産までの設備を整えるのは負担が大きい。
アルカリスはmRNA医薬品の創薬支援と製造サービスの提供で、世のmRNA医薬品の研究開発と社会実装に貢献しようと立ち上がった。そんな同社は今、さらなる飛躍のために仲間を求めている。

新しい医薬品のインフラを立ち上げる

河野さんはコスト効率の高い製造技術を武器にペプチド医薬品の創薬と製造受託を目指し、JITSUBO(株)の創業を経験した後、大手製薬メーカーからのカーブアウトなどヘルスケア分野の新事業の立ち上げに多数取り組んできた。
パンデミックでmRNAワクチンに注目が集まる中、今後mRNAワクチン・医薬品の迅速な開発と原薬、製剤供給に強いニーズが発生すると予感。

そんな時、同社の代表取締役社長となる藤澤さんと代表取締役となる飯野さんと再会した。
「過去に投資家とベンチャー企業経営者として既に互いを認識していたが、彼らと話すうち、ベンチャー・製薬企業が安心してmRNAという新規分野に挑戦できる環境を整えれば、結果的に今まで治療法のなかった病気に立ち向かえると思った」と、河野さんは同社の設立に加わった。

mRNA医薬品への信用をつくりたい

mRNA医薬品はまだ上市された製品が少なく、一定品質で医薬品を商業生産するにはモノサシとなる品質評価方法を設定した上で、製造方法の作り込みも必要だ。
「実績を一つずつ積み上げることで、mRNA医薬品自体への信用をつくる現場にいられて面白い」という河野さんは今、その仲間を集めている。

福島県南相馬市に建設中の原薬製造工場は2023年7月に完成予定。
大規模施設を自由に設計できる広大な敷地や企業誘致の支援も充実したこの地はこれから広い分野での応用が期待されるmRNAワクチン・医薬品領域の開拓にぴったりだ。
2026年に製剤製造工場が完成すれば、mRNA医薬品をこの場所だけで最終製品の製造まで可能になる。

▲建設中の原薬製造工場の完成パース図。

地道に研究を続けるチカラ

同社はmRNAワクチンに加え、希少疾患、がん、再生医療やゲノム編集医療における医薬品製造も目指す。
「ここに新分野を切り拓くチャンスがあります。医薬品製造の規制に準じた製造と品質評価を実現できているかに自信がなければお客様や患者様に出荷できません。製造方法も評価方法も開発段階から実際の運用段階に至るまで属人化するのでなく、いかに仕組み化するかを意識して取り組むことが大切です」。

それには、地道に検証を積み重ねられる人が必要だ。
新しい医薬品を世に届ける強力な「縁の下の力持ち」の実現にあなたも挑戦してみないか。
(文・伊達山 泉)

▲株式会社ARCALISの社員。最前列左が河野さん。