事業紹介

【企業紹介】ドローンの困り事を一手に引き受ける「ドローン整備工場」

2024年3月20日
双葉町
  • 先端産業

株式会社WorldLink & Company

ドローン事業を展開するブランド「SkyLink Japan」を立ち上げ、ドローン機体の販売や導入コンサルティング、修理・カスタマイズなどを手がける株式会社WorldLink & Company。2024年1月、双葉町に新たな拠点となるSkyLink Hangar 福島を立ち上げた。この拠点が担う役割は、いわば「ドローン整備工場」。その狙いについて、サポートソリューション事業部カスタマーサポート課の生江謙央(なまえよしひろ氏と菅原将士(すがわらまさのり氏に話を聞いた。

10年にわたるドローン事業の新たなサービス拠点

近年、農業分野や建設分野ではドローンの需要が高まり続けている。農業分野では農薬の散布や種まきに、建設分野では工事の進捗確認や測量、人の目が届きにくい高所や山間部にある施工物の保守・メンテナンスなどにおいて、ドローンはもはや欠かせないツールとなっている。SkyLink Japanではおよそ10年にわたり、そうした事業者に向けて多くのドローンを販売してきた。

一方、精密機器である以上、ドローンには定期的なメンテナンスが欠かせない。しかし、点検作業を行うためにはメーカーの講習を受け作業者として認定を受けなければならないため、多くの機体を導入する企業では専任の担当者の配置が必要なケースもある。しかし、そうした工数や人員の確保は、企業にとっては大きな負担となる場合もある。

SkyLink Hangar 福島は、ドローンにおけるこれらの顧客の負担を包括的に引き受けるサービス拠点として誕生した。保守・メンテナンス、修理、システムのアップデート、メーカーとの情報共有など、ドローンにまつわる業務を一つの窓口で担うことで、顧客の工数削減に貢献する。

ドローンが次のフライトの力を養う場所

Hangarという英単語には「飛行機の格納庫」といった意味もある。まさに、ドローンがしばしその翼を休め、次のフライトに向けた力を養う場所。それがSkyLink Hangar 福島だ。

「例えば農業の場合、4月頃から種まきが、夏に近づくと農薬の散布が始まり、その後も作物の成長に合わせて秋までドローンの利用が続きます。その後、農閑期となりドローンが使われない11月頃になると、この施設にドローンが集まってきて、次の春までの間、ここでさまざまな点検を行うイメージです。また、突然の故障などのトラブルの際には、機体の搬入と同時に代替機の貸し出しなどのサービスも提供しています」(生江氏)

SkyLink Hangar 福島で提供されるのは、業界内で網羅的に事業を展開してきたSkyLink Japanならではのワンストップサービスであり、「我々が知る限り、こうしたサービスを提供する事業者はまだ他にないのではないか」と2人は言う。

生江謙央氏(左)と菅原将士氏(右)

ドローンの技術は日進月歩であり、新しく開発される機体も次々に登場する。SkyLink Hangar 福島には2024年3月現在4人の整備士が在籍しているが、新しい機体が登場するたびにメーカーの勉強会に趣くなど、最新の情報には常にアンテナを張っている。

「サポート体制を強固なものにするためにも、扱えない機体はないといえるような体制を整え、かゆいところに手が届くサービスを提供したいと思っています。また、現在扱うドローンのほとんどはSkyLink Japanで直接販売した機体ですが、今後は他の代理店が販売したものも含め、メンテナンスの機体数を増やしていければと考えています」(菅原氏)

ドローン運用のすべてがここで完結する施設へ

双葉町に進出したばかりのSkyLink Hangar 福島。今後は地域に根差した活動にも積極的に取り組みたいと言う。

「まずは双葉町のみなさんに、私たちの存在をぜひ知っていただきたいです。敷地内にはドローン専用の広い飛行場があります。その飛行場を使ってドローンにまつわるイベントを開くなど、事業を通じて地域に何かを還元できる流れが作れれば。そして、 “ドローンといえばやっぱりSkyLink Hangarだよね”と地域の方々に思っていただけるような存在になれればうれしいです」(生江氏)

事業所の南側には芝生が敷かれた広大な飛行場があり、メンテナンス時には飛行状態のチェックも行われる

2022年12月よりドローンの操縦には国家資格が必要となり、取得に向けたカリキュラムを設けた認定校も開校している。SkyLink Japanでも今後、資格取得のための認定機関となるべく、国への申請を進めている。

「当社でドローンをご購入いただいたお客様に講習をご提供し、国家試験を取得していただき、この飛行場でパイロットとしての訓練をしたうえで実務に励んでいただく。その流れがつくれれば、ドローンの運用にまつわるすべての工程がここで完結するような施設になるはずです。そのための準備や周知を続けていきたいと思っています」(生江氏)

そう遠くない将来、ドローンは私たちの生活により深く根差した存在となるはず。SkyLink Hangar 福島では、その将来に向けたビジネススキームの構築がいち早くスタートしている。

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■株式会社WorldLink & Company
2014年創業。2015年、「ドローンと社会を正しくつなぐ」ことをミッションにドローン事業としてSkyLink Japanをスタートし、2018年には京都市に日本初の実店舗型ドローンショップをオープンした。2020年に南相馬市に進出し、福島をベースに保守・メンテナンス・修理をメインとした事業を展開。本社は京都市。

所在地(SkyLink Hangar 福島):〒979-1401 福島県双葉郡双葉町大字中野字塚ノ前38番地1
HP:https://skylinkjapan.com/

※所属や内容は取材当時のものです。
取材・文:髙橋晃浩