チャレンジするまち

チャレンジするまちの移住支援最前線⑬豊岡つかささん(葛尾むらづくり公社)

2022年3月24日
葛尾村

      一般社団法人葛尾むらづくり公社
      イベント企画リーダー 豊岡つかささん

      • どんなお仕事を担当しているの?
        イベントの企画運営
      • 今後の企画の予定は?
        移住促進に向け、交流人口を拡大できるようなイベントやツアーを予定
      • 移住を希望する方へのメッセージ
        助けてくれる人がたくさんいるから心配しなくて大丈夫。そして困ったときはぜひ公社を訪れて欲しい

      思いやりと助け合いの気持ちで働く、村づくりの最前線

      ――現在はどんなお仕事をされていますか。

      葛尾村地域おこし協力隊として、一般社団法人「葛尾むらづくり公社」に配属され、イベント企画リーダーとして活動しています。その名の通り、イベントの企画や運営を担当しています。毎年開催されるイベントのほか、新しいイベントを企画し開催することもあります。昨年から始まった葛尾村復興交流館「あぜりあ」で開かれる「あぜりあ市」はその一つです。公社職員としてゼロから作り上げた企画で、村内の企業の商品を一堂に集めて販売しています。凍み餅や村内産の羊肉を使ったジンギスカンなど、葛尾村のいちおし商品が目白押しですよ。

      ――地域との連携も必要だと思いますが、地元の方との関係性はいかがですか。

      共存共助の関係ですね。公社から協力をお願いすることも、地域から提案をいただくこともあります。公社から協力のお願いをした時も、受け身ではなく、「こうしたらどう?」と追加の提案をくれることもあるので、とても良い関係を築けていると感じます。

      コロナの影響もあって人と会う機会が減少している昨今では、公社で行ったイベントが「久々に人と会う場」になっている方も多いようです。来てくれる方が「久しぶりに誰誰さんに会ったよ」と笑顔になってくれるのを見ると、本当にやって良かったと思えます。地域の見守り活動をすると、野菜などをたくさん頂くこともあります。人のやさしさを感じる仕事ですね。コロナが落ち着いたら、村のみなさんの家でお茶飲みをするのが私の夢です。

      ――これから予定している企画などはありますか。

      2022年3月24日に村の移住・定住支援センターが立ち上がるのに合わせ、公社でも交流人口を広げて移住定住を促進するイベントを行っていきます。紅葉を楽しみながらの「新そば祭」や、春うららかな頃の自転車レース「ツール・ド・かつらお」などを通して四季折々の葛尾の自然の魅力をぜひ実感して頂きたいです。

      また、ツアーや観光にも力を入れていきたいと考えていて、現在、村内入浴施設「みどりの里せせらぎ荘」の敷地を活用したBBQコンテンツを作ることを計画しています。葛尾村特産の凍み餅や羊肉などは、現在お土産としては買うことは出来ても、その場で味わう施設がありません。なので、葛尾村内で地元の味を食べられる場所づくりがしたいです。さらに、葛尾村の今を発信する取組として、震災後の歩みを学べる村歩きツアーも企画しています。

      「地域に関わりたい」思いを叶える仕事があった

      ――この仕事に就く前はどのような活動をされていたのですか。

      福島大学の行政政策学類で福祉を学んでいました。その傍ら、課外活動として大学の災害ボランティアサークルに入り、葛尾村に隣接する田村市都路町に何度も通って地元の方と交流スペースの運営やイベントのサポートなどを行っていました。

      その経験から、ゆくゆくは被災地支援に関わる仕事に関わりたいと考え漠然と仕事を探していたところ、葛尾村地域おこし協力隊の求人を見つけました。地域づくりの最前線に立てる仕事であることや、行き慣れた田村市の隣だということに魅力を感じ、自分の力を試せる新天地だと思いすぐに求人に応募しました。「住みたい」よりも、「関わりたい」「働きたい」が先にありました。

      ――小さな村への移住ですが、周りの反応はどうでしたか。

      家族の反対はなく、むしろ「頑張って」と背中を押してくれました。もともと都路町での災害ボランティアサークルの活動をしていたことを知っていましたし、まるっきり知らない土地ではないと安心したのでしょうね。場所の心配よりも、一人暮らしがきちんとできるかを心配されました。

      ――葛尾村の生活環境について教えて下さい。

      住まい探しは公社と村がバックアップをしてくれて、建てられたばかりの真新しい村営住宅に住むことができました。初めての一人暮らしには手頃な広さで、とても快適に過ごせています。葛尾村には買い物施設がいくつかあり、買い揃えられないものは片道30分ほどの田村市船引町まで買いに行きます。実は葛尾村に来てから1年半ほどの間は、車を持っていなかったんです。そんな私を公社の職員の方々が気遣ってくれて、買い物の用事がある時は声をかけて相乗りさせてくれました。とてもありがたかったですね。車必須の地域でも、助け合えば何とか車なしでも生活が出来てしまうんだなと思いました。

      移住者を迎えてくれる温かさがある村

      凍みもち(左)など葛尾村の特産品

      ――豊岡さんから見て葛尾村はどんな村ですか。

      とにかくやさしい方が多いですね。皆さん、助けようとしてくれる気持ちが強いです。村民同士の顔見知りの幅が広く、一人ひとりの付き合いの深さも感じます。葛尾村に来たばかりのころは、誰と会っても「どこどこの誰誰さん」という話ができることに驚きました。誰もが村の人全員を知っているんじゃないかと思うくらいです。交通インフラなど高齢化への課題はたくさんある地域ですが、移住者を迎えてくれる温かさがあります。

      ――移住して良かったと感じる瞬間はどんな時ですか。

      精神的に元気になったと感じています。人と物が多い地域では、望んでいなくても情報過多と言っていいくらいに自然と情報が入ってくる。私は特に過敏に反応してしまうタイプだったと思います。でも、葛尾村に来てからは情報を取捨選択できるので、気持ちが楽になりました。自分自身のペースで生活ができると実感しています。

      ――葛尾村は、若者の移住者も増えてきていると聞きます。若者目線での村の魅力を教えて下さい。

      新しいことにチャレンジしやすい土壌があると思います。何もない村から魅力を見つけ出し、新しいものを作ってみたいという意識を持った方に是非来ていただきたいです。これから葛尾村に若い独身の方が増えて、村内でご縁ができて、家族が増えていったら素敵ですね。地元のお爺ちゃんお婆ちゃんは、子どもを見ると元気になります。普段怖い顔をしている人ほど、やさしい顔になるんですよ。

      ――移住を考えている方にどんなことを伝えたいですか。

      葛尾村は、外から来る人にやさしい村です。たとえ初対面の方でも、心配して気にかけてくれます。人付き合いを億劫に感じず楽しめる人なら、とても居心地の良い環境だと思います。相談にのってくれる人もたくさんいますから、不安がらずに来てほしいと伝えたいです。

      もちろん、困ったときには葛尾むらづくり公社も力になります。ぜひ気軽に公社を頼って訪れてください。


      葛尾むらづくり公社
      〒979-1602
      福島県双葉郡葛尾村落合字落合20番地1 葛尾村復興交流館あぜりあ内
      TEL: 0240-23-7767
        0240-23-7765
      https://katsurao-kosya.or.jp/

      文:橋本華加 写真:中村幸稚