第4回 福島移住促進のための情報発信に向けた調査結果について

2023年6月7日
  • 事業紹介

~既婚者の44%が移住の意思決定を家族と行う~

 「ふくしま12市町村(※)移住支援センター」(以下、「センター」)は、本年3月に関東1都6県、宮城県、大阪府、愛知県在住20代〜60代の一般男女50,000人を対象に、第4回インターネットパネル調査を行いました。
 これは、福島県への移住促進のための情報発信に向けて、センター発足直後の2021年7月実施の第1回調査、2022年1~2月の第2回調査、2022年11月の第3回調査に続き実施することで実情の測定を試みるものです。(概要は下記に記載)
 本日、調査結果をウェブページにて公開しましたのでお知らせします。報道機関の皆さまにおかれましては、結果の周知にご協力いただけますようお願い申し上げます。
※12市町村は、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う避難指示等の対象となった市町村(田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村)を指します。

福島移住促進のための情報発信に向けたインターネットパネル調査概要

◼ 調査目的
 センターにて実施している移住者獲得に向けた情報発信施策の構築において、本調査の結果を効果的なターゲット・媒体・コンテンツ等の設定に役立てることを目的としている。

◼ スクリーニング調査(※本調査前に、対象者50,000人の中から指定された条件に該当する対象者を絞り込むための事前調査)
・調査方法:インターネットパネル調査
・調査対象:関東1都6県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、群馬県、栃木県)、宮城県、大阪府、愛知県在住の20−60代、50,000人
・抽出方法:40,000人を関東1都6県、宮城県を人口構成比で割り付け、大阪府と愛知県を5,000人ずつ割付
・調査期間:令和5年3月
・有効標本数:50,000サンプル

◼ 本調査(※スクリーニング調査で絞り込まれた対象者900人への調査)
・調査方法:インターネットパネル調査
・調査対象:関東1都6県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、群馬県、栃木県)、宮城県在住の20−60代、900人
・抽出方法:スクリーニング調査回答者より、「福島県浜通りエリアにできれば仕事・ボランティアとして関わりたい」回答者かつ福島県に、「とても住んでみたい」「住んでみたい」「二拠点居住なら住んでみたい」と回答した者。前回調査の出現率に基づいた性別・年代別の割付を実施。
・調査期間:スクリーニング調査と同様
・有効標本数:863サンプル
【資料】第4回福島移住促進のための情報発信に向けたインターネットパネル調査分析
https://prtimes.jp/a/?f=d90229-29-79363641bfddf6f5c616a0e5fad4f464.pdf

調査結果のサマリー(50,000人を対象にしたスクリーニング調査)

■ 家族での移住を進めるためには、女性の認知と理解が重要
 福島移住関心層に対し、「福島への移住を決めるに際し、あなたは誰と意思決定しますか」と聞いたところ、既婚者は「家族と決める」が43.7%で最も多く、単身者の24.4%の2倍近いことが分かりました。移住促進には、家族の視点が重要と考えられます。
 一方で、「原発事故で避難地域となった12市町村への移住も可能なこと」について、「あなたは、どの程度御存知ですか」と聞いたところ、「大体の内容を知っている」または「見たり聞いたりしたことがある」と回答した方の割合は、男性83.1%に対し、女性77.2%であり、相対的に女性の方が認知・関心が低いことが分かりました。
 センターでは、家族での移住促進に向けて、女性からの視点でも福島12市町村への移住を決定するために必要な情報が得られるよう、今後さらに発信を強化していきます。

■ 仕事面では、女性は「仕事内容」や「求人情報の掲載数」を重視しており、どんな仕事があるかの選択肢を求めている
 「移住先で仕事を探す時に重視する情報」について聞いたところ、女性は情報全般への感度が高い中、「仕事内容」への重視が男性より5.8ポイント、「求人情報の掲載数」が11.6ポイント高く、給与や福利厚生などの待遇よりも重視されていることが分かりました。
 センターでは、12市町村で得られる仕事について、仕事内容の発信や掲載数の充実等により、女性の求める仕事の選択肢を広げていきます。

■ 住まい探しでは、女性は「物件掲載数」「生活環境や間取り」など、多様な住まいの選択肢を求めている
 「移住先で住まいを探す時に重視する情報」について聞いたところ、女性は男性と比べ「住宅の掲載数」が8.6ポイント、「生活環境や間取りなどの質的情報」は7.0ポイント高く、住宅情報を重視していることが分かりました。
 センターでは、12市町村における住宅の発信にあたって、住宅物件の掲載数や、生活環境などの質的情報の充実等により、多様な住まいの選択肢があることを提示していきます。

■ 移住前に欲しい情報では、女性は「イベント情報」「地域の特色や生活情報がわかる情報」など、地域のリアルな情報を求めている
 「移住前に欲しい情報」について聞いたところ、「移住に関するイベント等の情報」が最も高く第1位であり、女性は男性より3.2ポイント高く、2位が「地域ごとの特色や生活情報がわかる情報」と続くことが分かりました。
 センターでは、12市町村への移住に向けて、よりリアルな暮らしの情報が得られるよう、ツアー・イベントを通じた体験の提供や、地域の特色・生活情報の理解を深めるための情報発信を強化していきます。

【参考】
ふくしま12市町村移住支援センター

ふくしま12市町村(※)における復興に向けた最大の課題の1つである「地域の担い手不足」解消を目指し、福島県が設置し、(公財)福島イノベーション・コースト構想推進機構が業務を受託。事務所を福島県富岡町に置き、センター長は藤沢烈。
※12市町村は、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う避難指示等の対象となった市町村(田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村)を指します。
※調査:(株)アスマーク   分析(一部):(一社)RCF