【企業紹介】あなたの描く未来の身体機能、「不可能」から「可能」な世界へ

    株式会社メルティンMMI HRBP
    白幡和也 氏
    福島高専を卒業後、豊橋技術科学大学にて情報工学を専攻。これまで主にソフトウェア開発や組織マネジメントに従事。2021年3月からはメルティンMMIにHRBPとして参画し、採用や組織開発などに携わる。

    例えば背中に3本目の手をつくり、身体をよじらなくてもモノが取れる。
    サイボーグ技術で身体的制約を取り払い、人間が思い描く運動パフォーマンスを無限に発揮できるようにする、というビジョンを掲げているのが株式会社メルティンMMIだ。
    2018年に約20億円の資金調達に成功し、社会からの期待とともにアバターロボットや医療機器の開発、サイボーグ技術の実用化が加速している。

    目指すはサイボーグ技術で拡張した人間機能

    同社のコア技術である生体信号処理技術は、筋電信号をキャッチした後、信号を解析、運動意図を解釈し、AIを組み合わせ身体の動きを理解するという技術だ。また、ロボット技術は人の身体の構造に着想を得た技術で、繊細で緻密な「手」と同等のサイズ・重量でパワフルかつ器用なロボットハンドを開発している。

    2022年、このコア技術を活用し脳神経経路の再構築によって身体の運動機能を再学習するという、「ニューロリハビリテーション」の手法を用いた製品で医療機器認証を取得した。
    同社の魅力は、病気の方に限らず、あらゆる人がこの技術を使い、多様な課題解決を目指している点だ。

    ▲実証実験用モデルのアバターロボット「MELTANT-β」を遠隔操作し、建設現場で指示している様子。

    創業者のビジョンに衝撃を受け、入社

    「創業者が持つ、想像もしていなかった世界観に衝撃を受けました」。

    白幡さんは、ソフトウェアエンジニアとして製品開発や組織マネジメントに長年携わってきた社員だ。
    ロボット開発は専門ではなかったが、ビジョンの達成に深く関わりたい、スタートアップで密度の濃い時間を過ごしたいという期待が入社の決め手だったという。
    ここでは一社員でも、何でも自分で考え決定し、自ら仕事を推進していくことが求められる。
    仲間とディスカッションし、組織を一から創っていけることがおもしろいと白幡さんは話す。

    バリューは「Try now」、現場で今すぐ試してみよう

    同社が福島県南相馬市を拠点に選んだ理由は、自社の技術が福島の復興に親和性があると考えたからだ。
    例えば発電所など危険環境で繊細な作業をする遠隔操作型のアバターロボットは人が容易に立ち入る事の出来ない地域でも活躍できる。

    「南相馬市の福島ロボットテストフィールドや産業創造センターは、入居ベンチャーがビジョンに向かってチャレンジしている面白い場所ですね」と白幡さん。

    同社のバリュー「Try now」も相まって、現地で行った試験のデータをもとに、近くの工場拠点ですぐに解析や修正をかけることで、開発のスピードも上がった。可能性に秘めたロボットの世界を創造していくチャレンジに一緒にこの地で取り組める仲間の参加を待っている。
    (文・富田 京子)

    ▲福島ロボットテストフィールドにてクローラーの実証実験をしている様子。