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移住後の最初の住まいは賃貸住宅がおすすめ!戸建て購入と比べたメリットは?

2024年1月25日

移住には、仕事探しと並行して住まい探しが必須。住まい選びは、わくわくするものですよね。中には移住と同時に戸建ての購入を検討している人もいるかもしれませんが、購入か賃貸で迷っている方には移住後の最初の住まいは賃貸がおすすめです。なぜはじめは「賃貸移住」が良いのか、その理由について解説します。ぜひ移住後の住まい選びの参考にしてください。

はじめに

田舎への移住というと、どんな住まいを思い描きますか?空き家のリノベーション、マイホームの新築などは夢が膨らみ、とても魅力的に思えますよね。一方で、移住は生活環境を一変させる大きなチャレンジであり、リスク対策も重要です。移住先での暮らしが合わない、「家を買う前に知りたかった」と思う情報が後から出てきてしまう、予想外の出費で家計が立ち行かなくなる、ライフスタイルの変化で暮らしにくくなるなどの、万が一の事態が移住では起こり得ます。そのため、移住先でいずれ家を新築・購入するつもりの人も、はじめは賃貸物件で生活をスタートすることをおすすめします。

①イメージと違っていた時に後戻りできる

移住をするうえで一番心配されるのが、地域とのミスマッチです。長く住み続けるつもりで移住をしても、予想外のことは起こり得ます。思った以上に生活が不便、通勤が大変、土地の慣習や人間関係が合わないなどといったことがあると、その土地を離れたくなる日が意外と早くに来てしまうかもしれません。その結果、張り切って購入した我が家を手放すことになってしまうのはつらいこと。

一方で賃貸は、契約内容に沿った手続きを踏めばすぐに退去できることがメリットです。「移住先がイメージと違っていたから引っ越す」という選択もできます。もしもの時に後戻りがしやすい賃貸移住なら、チャレンジするハードルも下がるのではないでしょうか。

②移住先になじんでから戸建て購入を検討できる

将来的に家を購入するのであっても、現地で情報収集をしながら検討する期間を作ることをおすすめします。なぜなら、移住先には「住んでみないとわからない情報」があるからです。

暑さや寒さ、住民同士の距離感などは土地によって異なり、ストレスなく受け入れられるかどうかは人それぞれです。地域によっては気候による暮らしの変化が季節ごとに大きいため、家を購入するのであれば最低でも1年間は暮らしを体感しておきたいところ。家族がいる場合、それぞれがどう感じるかにも気を配る必要があります。

また、地域の人と気軽に話せるような信頼関係が築けると、ひょんなことから地元の人しか知り得ない情報が舞い込んでくることがあります。例えば空き家や空き地は、不動産業者や空き家バンクに登録されないまま持て余されているケースが多くあるのが実情です。こうした情報が得られれば、家の購入を判断する際に役立つかもしれません。

家はとても大きな買い物なので、購入は慎重になるべきです。まずは賃貸で生活をスタートし、十分な情報を集めながら、購入を検討してみてはいかがでしょうか。

③予想外の出費を抑えられる

戸建て物件を購入すると、土地や建物以外に予想外の出費が発生することもあります。移住後の資金計画に不安がある場合は、まずは賃貸住宅に入居して様子を見たほうが安全です。

例えば空き家を購入する場合は、土地や建物の購入費や手数料のほかに修繕費がかかります。長期間人が住んでいない空き家は、必ずといっていいほど修繕が必要です。寒冷地では、凍結して壊れた水道管の修繕費などがかさむケースも。また、生活を維持し続けるために数年ごとに設備の交換やメンテナンスの費用がかかることも考慮しなければなりません。そして、毎年の固定資産税を支払う必要もあります。

さらに、購入した持ち家を手放す際にも時間やコストがかかります。物件の立地や築年数によっては買い手がつきにくい場合もあるでしょう。

一方で賃貸住宅は、物件を購入するよりも初期費用がかからないうえに、家賃や管理費・共益費以外の支出は少なく済みます。予想外の出費が抑えられることでお金の見通しが立ちやすくなりますので、戸建て購入資金の準備を進めやすくなるでしょう。

④ライフスタイルの変化に対応しやすい

移住を検討する際は目先の暮らしのことばかりを見てしまいがちですが、住まいを考えるうえでは、今後のライフスタイルの変化を考えることも重要です。

例えば、高齢になって車の運転ができなくなったり、介護や医療が必要になるなど、生活環境が変化することもあります。また、ライフスタイルの変化は、自分だけではなく一緒に住む家族や離れて暮らす家族にも訪れます。結婚や出産で家族の人数が変わることや、介護などで遠方の親類と同居が必要になることもあるかもしれません。将来設計が定まっていない場合は、移住のタイミングで家を購入することがベストな選択ではない可能性があります。

一方で賃貸は、引っ越しが柔軟に行えることがメリットです。将来のターニングポイントで暮らし方に沿った住まいを選び直せるように、今は賃貸を選ぶ、という考え方もあります。ライフスタイルの変化が予想されるうちは賃貸に住みながら、将来どのように暮らしたいのか、ゆっくりと考えてみてはいかがでしょうか。

公営住宅という選択肢も

楢葉町の定住促進住宅

福島12市町村の中には、民間の賃貸物件が少ない市町村もあります。その場合は、ぜひ移住者向けの公営住宅への入居も検討してみてください。

若年層向けや子育て世帯向けなどの入居資格が設定されている公営住宅は、マッチすれば民間の賃貸物件よりも手頃な家賃で利用できる可能性があるのも魅力です。公営住宅は利用年数に2年などの制限がある場合もありますが、その期間を未来の生活を考える目安にするのも良いかもしれません。

公営住宅については市町村ごとに入居条件等が異なりますので、各市町村の広報誌やホームページの情報を確認するか、移住相談窓口へ問い合わせてみてください。

公営住宅を中心とした住まいの入居者募集情報はこちらでも紹介しています。
https://mirai-work.life/topics/8210/

まとめ

今回は、移住後の初めての住まいに賃貸をおすすめする理由について解説しました。

移住先で終の住み家を購入することに憧れを抱く人も少なくないかもしれませんが、移住直後はまず賃貸物件で生活をスタートし、住んでみたうえでその先の暮らしをイメージしてみましょう。その土地に「住んでみたい」が「住み続けたい」に変わり、理想に近い生活や住まいを実現できる可能性が高まります。住宅購入に踏み切るまでの準備期間として、賃貸住宅の利用をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

※内容、支援制度は公開時のものです
文:橋本華加 写真:鈴木宇宙